Take Me

彼らは旅に出る

走り続ける
空の色のトランスポーター

車内には大音量の音楽と彼らの歌声

年季の入ったVWも
ギシギシガタガタ
リズムを添える
パーカッショニスト

風を受けながら走る車窓から
行きかう人に手を振り
彼らはご機嫌な笑顔を送る

旅は続く

都会の喧騒の中では聴こえない
自然の息吹の中を彼らは走る

車を降り
最小限の荷物を背負い
彼らは歩き始める
手作りの大きなスピーカーから流れるのは
彼らの音楽

物珍しそうに
遠巻きに眺める人たちに
微笑みかけ
右手を差し出せばもう
homies

世界の共通語
音楽に身を任せ
思い思いに身体を揺らす

誰も彼らが何者であるのか知らない

けれども心一つになり

彼らは何者でもない自分たちに戻る

彼が大好きな
相棒の綺麗な顔が
ベイビーフェイスに変わる瞬間

溢れる満面の笑み

相棒の心からの笑顔に
彼も思いっきり笑う

やがて彼らは仲間たちと別れ
大自然の中を歩いていく

心をも浄化してくれる
自然の偉大さを
全身で感じながら
道なき道も歩き続ける

街灯も無い道は
やがて暮れゆく

太陽が残した
赤を浴びながら
彼らは歩く

やがて日は落ち
彼らは自然に
一夜の宿を借りる

彼らを照らすのは
ランタンの光と
満点の星

今宵の月は
細い三日月で
闇は一層美しく
星を耀かせている

誰の邪魔にもならない
広大な自然の中
音楽を響かせながら
賑やかに
ディナーを済ませ

スピーカーを休ませれば
静寂が訪れる

耳鳴りがする程の深い静けさの中

相棒が一つ
深いため息をこぼした

彼は理由を知っている

ままならないのは人の心

推し量ってもわからない正解

人それぞれの心には
伝えたいままには伝わらない

作り出したものを
誰かに届け
受け止めてもらう

それが彼らの仕事

どんなに情熱を込めても
100％が届く事はない

時には
まるで望まない捉え方をされる理不尽

そのことに相棒が傷付いている事を
彼は知っている

けれども
相棒は
苦しいとは言わない
辛いとも
助けて欲しいとも

そして彼も何も聞かない

どうしたとも
大丈夫かとも
尋ねる事はない

彼は相棒を知り尽くしているから

ため息をついてしまった自分に
相棒は苦笑を浮かべる

こんな素敵な夜に水をさしてしまったと

負の感情を
相棒は顕わにしない

そういう感情こそ
笑顔に隠す

その笑顔は
皮肉な程に大人びて美しい

心からの幸せな
ベイビーフェイスの笑顔とは
真逆の笑顔

彼にだけわかる
弱っている相棒のサイン

彼は相棒の隣に座り
相棒の肩に手を回し
ぎゅっと抱きしめる

そうして
大きな手のひらで
相棒の頭をわしゃわしゃと撫でる

うつむく笑顔が
少しだけ
あどけなさを取り戻す

静寂を震わせ
彼は
骨太の声で
歌い始める

walk away from all the clowdy days
walk away from all the gloomy days

やがて相棒の
甘いファルセットが
重なる

またたく
無数の星が
彼らの歌声を聴き

二人のゆるぎない絆
を見守っていた

＊Take me＊

＊TEAM H ＊
作詞＊BIG BROTHER
作曲＊BIG BROTHER

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MVの中で見せてくれる二人の笑顔にたまらなく
胸が熱くなりました
想いは溢れるのに多くを語る事さえ無意味な気が
する
色んな感情をくれる珠玉のＭＶ
そして曲、歌声

歌詞の一文
転載お許しください
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