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【プレビュー】vs名古屋グランパス 2023からの動きと開幕戦後の現状把握【FC町田ゼルビア2024年第2節 挑戦J1】

こんにちわこんばんわひだりです。メイン画像は今節の舞台・豊田スタジアムです。noteの「記事に合う画像を選ぶ」機能から、yasuhi333さんのものをお借りしました。ありがとうございます。

名古屋グランパス戦、プレビュー。ささっといきます。

2023年名古屋グランパスの振り返り

名古屋グランパスの2023年について、J STATS REPORT 2023のデータをもとにざっくり振り返っていきます。

攻撃時343 守備時 541

ファストブレイクの鬼・長谷川健太監督。
攻撃時343・守備時541。
ローブロックの自陣守備、CB・ボランチでしっかりゴール前を塞ぎ、奪って強力アタッカーを押し出した高速カウンター。
スプリント回数1位タックル奪取1位あたりからは中盤で激しく奪って素早いトランジション攻勢を仕掛ける意識の強さが窺えます。

堅守速攻ですがロングボールよりはショートパスとランニングを活かした連携志向。攻めがかりになってバランスの崩れた相手の配置をボランチ絡めながら潜り抜け、サイド攻略に持ち込む型が多かった。右サイド多め。

2023年J1最終節スタメン(Googleより)

痛恨だったマテウスのチーム離脱

森島司の位置、右サイドにFWマテウス・カストロがいた前半戦は、マテウス・永井・ユンカーのJ1屈指の攻撃陣用で守って速攻が効いて優勝を狙える上位にいた。

ところが、マテウスは昨年8月にサウジアラビアのアル・タアーウンに移籍。

夏の補強で広島から森島司(名古屋ユース出身)を獲得したものの、森島はマテウスのような独力ドリブルでゴリゴリ行くタイプではない。他選手を使って使われのタイプ。同時期にJ2藤枝でエッジの効いた活躍をしていた槍型・久保藤次郎(みよしグランパス出身)を獲得するも、マテウス離脱の穴は埋まらずに失速。

Ken's Football Channel https://www.youtube.com/watch?v=RjNZWhGbDwQ より引用

8/3 のマテウス離脱以降、J1 26節(8月11日)まで3位をキープしていたものの、以後フィニッシュの部分に精彩を欠き最終順位6位でシーズンを終えた。

求められる、攻守バランスの再設定

2023年グランパスには、まず相手に押し込まれても壁となれる堅固なCBがおり、ピッチ上を塗り潰さんばかりにハードワークする中盤がボールを刈り取り前進。ボールをJ1トップクラスのパワー&スピードを誇るアタッカーにつなぐ設計。

マテウスの存在感が強烈だったからこそ、タレントを活かした攻撃面で抜けた穴が埋まらずという結果になった。

そんなリーグ終了後のオフシーズンに、グランパスの守備面を支えた中核である、丸山祐市・中谷慎之介・森下龍矢が退団したのは本当に驚きだった。

森下はポーランド1部レギア・ワルシャワへの海外移籍、丸山・中谷にしても経済面・選手側のキャリア選択などさまざまな事情があるとは思うものの、結果として代表クラスの守備のコア3人が相次いで抜けるとなると、ローブロック守備からボールを奪い、強烈なカウンターアタックをあびせる、という2023年のゲームプランそのものが成り立たない。

2024シーズンは、既存選手に補強を加えた新しいメンバー編成で、攻守に渡った再編・バランスの再設定が求められる状況になった。

2024年名古屋グランパスの補強

そんな名古屋グランパスの、今季の補強です。

Sports Navi https://soccer.yahoo.co.jp/jleague/category/j1/teams/127/transfer?gk=2 より引用

攻撃の目玉としてはアビスパ福岡から山岸、京都サンガからパトリックを補強。パトリックは2014年ガンバ大阪以来の長谷川健太監督との再会。

J1トップ級のキック精度を誇る山中亮輔はユンカー・パトリックがいる前線とセットを考えやすい納得の補強。井上詩音・中山克弘・成瀬竣平・小野雅史など昨シーズンJ2で輝きを放っていた顔ぶれも、町田からすればよくわかる補強。ボールをつなげて、スペースをうまく見出して走れる、サッカー脳に優れた選手が多い印象。

オランダで大怪我して帰ってきて、さあこれから、というところの前田直輝OUTは他サポから見てもちょっと切ない。埼玉地元の選手だし、やむをえずキープも難しかったのでしょうけども。

最終的な今シーズンメンバーが下記。

さっかりん http://soccer.phew.homeip.net/team/?team=%CC%BE%B8%C5%B2%B0&year=&sort=#google_vignette より引用

2024年名古屋グランパス 開幕戦から見るチーム現状

名古屋グランパスの開幕戦は、今季ポポヴィッチ新体制の鹿島アントラーズ相手に0-3 敗戦。いろいろ全体にバッキバキな鹿島相手に、グランパスも間違いなくチームとしてやりたいことにチャレンジしているんだけど、う〜ん……という、サポの方にとってはほんのり消化不良感の残る1戦だったのかなと推察します。

怪我の影響がデカそうで、やむなかったんだろうなとは思うのですが。

攻撃3232、守備532

football lab https://www.football-lab.jp/nago/report?year=2024&month=02&date=23 より引用

この日のグランパスの布陣は攻撃3232(3CB・2WB・中盤▼・2FW)ゴールキックからのビルドアップ時は3バックにGKが加わり4枚で組み立てを進める。前線は流れでユンカー・パトリックがゴール前に張ったり、ひとりが少しラインを下げて1・1のタテ関係になったり状況で流動的。

守備時は532。奪ったら稲垣祥や森島あたりを経由してサイドに展開し、大外レーンを攻略にかかるか、わりと早めのテンポで、ユンカー・パトリックどちらかにボールを入れていく。

CB・FW主力を負傷で欠いての開幕戦

グランパスの開幕戦の結果については、プレシーズンに主力と目されていたDFハ・チャンレ、河面+FW山岸が怪我で離脱中であったというエクスキューズがある。

グランパスからすれば、メンバーが入れ変わり今季新しい戦い方を構築していきたい最中、主力の怪我も重なり、スクランブル的な選手編成でもって2024年型のスタイルを表現しないとならない、やや厳しい状況下でのホーム開幕だった。

最終ラインにおける人とスペースの管理エラー

特に臨時登板した三国ケネディ、井上詩音含む3CBの守備時の距離感がなかなか難しかった。2列目がグイグイと飛び込んでくるポポさんっぽい攻撃の圧をまともに受けてしまった印象がある。

ペナルティエリア〜バイタルにかけて人とスペースの管理がうまくいかず、要所で裏取りやスペースを突かれる形で失点を重ねた。

GKランゲラックがいかに名手でも、あんだけゴール前守備が揺さぶられてしまうと流石にゴールを守るのは厳しかった。

鹿島ハイプレスにより前進が不発

全体にグランパスがボールを握るもつなごうとすると鹿島のハイプレスの圧が強く、グランパスにとってはなかなか思うように前進できなかった。

センターライン守備の不安定感がサイドの選手にも伝染し、重心が後ろに下がる。守備時5バックでサイドが下がると余計にボールの有効な出口を作れない。(アジアカップの日本代表でも見られた空気)

ボール保持の局面でも、サイドの山中・久保にボールをつけると、すぐに鹿島のプレスが飛んでくる。
サイド前進を諦め3CBにボールを戻し、前線2トップにロングボールを選択した場合、鹿島の植田・関川のCBも強力で、なかなか収まらない。
パトリックが少し降りた位置でボールを受けようとするものの、鹿島前線からのプレスバック含め出足早くボールホルダーを囲い込んでいく鹿島におおよそ回収される。

鹿島のプレッシャーをかいくぐれたシーンでも、中盤でのパスの出し手・受け手でズレが出ることも多く、全体につながらない、プレイの目がなかなか合わない雰囲気であった。

質の高い個をどう活かすか模索中

グランパスの攻撃の形として

  • 相手守備ブロックの隙間を通す裏のスペースへの縦クサビ

  • 山中、久保を活かしたサイド攻略+(アーリー)クロス

この2つは狙う形として試合中前後半ともに何度も見られた。

ロングボールも織り交ぜはするものの、基本的には短〜中距離のパスを中心にゲームを作りたいチーム。強力2トップを活かす前提はあるが、そこに森島や和泉がそこにどう絡んで攻撃をやり切るのか、まだ模索中の気配がある。

ともあれ、各選手の個の質は非常に高いため、一度噛み合ってしまえばパス交換でスルスルと守備の隙間を縫って、一気に決め切ってきそうな怖さがある。

噛み合った状況を作らせたくないからこそ、鹿島は前からボールホルダーに対して常にプレスを掛け続けビルドアップでのテンポを出させないよう阻害し続けた。そして、実際にグランパスが狙うサッカーをさせなかった。

脅威は反省点が多々あること

一番怖いのは、グランパスが開幕節しっかり負けたこと。攻め方・守り方・試合運びにわたり、開幕戦の反省点は確実に修正をかけてくる。
ゼルビアとしてはグランパスが公式戦における自分たちのリズムを見出す前に、自分たちのペースに流れを持っていきたい。


グランパスサポさん視点での開幕戦振り返り、プレビューは以下記事もご参照ください。

ゼルビアの戦い方のポイント

セットプレー

前節負傷欠場の主力CBハ・チャンレは試合翌日の練習試合にも復帰しており、コンディション次第で次節出場可能性あり。

とはいえ、前節最終ラインの不安定さを見せた状況を考えると、まずはセットプレーで1点取りたいところ。鹿島も先制点をセットプレーから取れたことが非常に大きかった。CK・ロングスローで最終ラインにダイレクトな圧を掛け続け、町田のペースに持ち込みたい。

前からの制限とプレスの質

開幕節の展開を考えると、まずはハイプレスをどんどんハメにいくべき試合になる。どちらかというと去年に近いスタイルでやり切れるか試すには良い状況なのかなと思う。スキルフル・アスリート性能の高い選手が揃うグランパスに対し前から制限をかけ、技術を出させない。走らせない。

デューク・荒木・大悟がスタメン出場した昨年最終節仙台戦みたいな戦い方が見たい。あの試合は町田のプレッシングに対して相手が構えてくるとビルドアップを噛ませたり、かなり知能的な戦いをしていて面白かった。

アタッカー陣がエゲつないので、なるべく良い形でボールを前に入れさせたくない。ハイプレス・ミドルプレスを行う際、ファーストプレスする選手は背中でパスコースを1本、できれば走るルートの工夫で2本・3本消せると、相手ビルドアップはだいぶやりづらくなるし、プレス隊のもう1名・2名のタスクを減らせるので、ショートカウンターに入った際の効率が上がる。

サイドの攻防

FC東京時代から長谷川健太監督のサッカーはやはりサイドからの前進がカギ。山中・久保は高い推進力が特徴の選手でもあるので、平河とバイロンには対面の相手を食い止め、上がってきた裏を取り、全力で闘ってきてほしい。

ビルドアップ阻害の面でも、こちらもガンガンとサイドや裏を脅かして、相手最終ラインを押し込んで下げさせたい。

バイタルエリアの活用

ゼルビアの攻撃局面でグランパスを自陣に押し込んだ際、守備の532ブロックに対し、5と3のライン間がちょうどバイタルエリア付近の高さにあたる。

この5と3の間でゼルビア側がボールを収められると最終ラインが前に出るかアンカーがケアに戻るか、相手守備者は判断し動かざるを得なくなる。

バイタルを起点に、

  • ペナルティエリア内のFWへのパス

  • 第三の選手の飛び出してきたCBの裏を取る動き

  • 中央に守備を引き寄せることで空いたサイドレーンにボールを展開し、クロスに持ち込む

といった崩しは考えやすい。
鹿島もドリブルやパスでこのバイタル侵入から裏orサイド奥への突破の組み合わせはたびたびしていたやり方なので、修正は図ってくるとは思うが、守備網を動かす攻撃のフックに取り入れていきたい。

仙頭・ナサンホ不在で期待されるプランA'

開幕ガンバ戦の退場で仙頭が1試合出場停止、ナサンホの内側の負傷と、2名の欠場が確実。
今年のチームの中で絶対的な形はまだ出来上がっていない状況であるため、2人を除いたメンバーでプランB、ではなくプランA'とも言えるスタイリングを作っておきたい。

個人的にはデュークが見たい。今年のチームにおいてデュークとオセフンでどういう使い分けになるのか、実際の試合での機能性の違いを見てみたい。

まとめ

町田にとっても、グランパスにとっても、ここで負けるとちょっとイヤーな雰囲気が漂ってきそうなので、なんとか勝利をもぎ取りたい1戦。

週末いくつか予定が重なり、J1初のアウェイ戦はDAZN観戦の予定です。名古屋に行かれるみなさん、現地での応援どうぞよろしくお願いいたします。

今週も楽しみましょう。共闘!

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