見出し画像

【見どころ】FC町田ゼルビア 2023年第40節 ツエーゲン金沢戦

こんにちわこんばんは。ひだりです。

熊本の歓喜:青い空、蒼き友とともに

ロアッソ熊本アウェイに行ってきました。

正直、まだあの1日にあった強烈な体験を、ハッキリと消化、整理しきれていません。

通常ホームならバクスタ3Fアウェイ寄りで家族と一緒にゲームを観ている自分が、この試合は偶然の縁もあって、同行する仲間たちとともにゴール裏近くで声出して、はねて、声出してました。
試合終盤、無失点を貫くべく力強く相手に寄せるおっくん観て、飛び跳ねながら何度も何度も何度も泣きそうになって堪えて、それでも涙が流れて、はねて声出して、ぐちゃぐちゃだった。

もう少し、試合前・中・後の写真を撮っておけばよかったかな、なんて気持ちはあるものの、今回はとにかくスマホを構えている暇はなく、いつも試合の見立てをつぶやきがちなハーフタイムもお気持ち限定。

ただただ勝ちたかった試合に勝てたこと、もうそれが全てです。
ゼルビアに関わる、関心を寄せているすべてのみなさん、本当におめでとうございます。

そして、それでも2023年のJ2リーグはまだ終わらない。

ただでさえ勝つしかないホーム最終戦が、本当に多くの物事のかかる1戦となっていて漫画のようなできすぎたシナリオにも感じます。第40節、ツエーゲン金沢戦の見どころです。
どうぞよろしくお願いします。

ツエーゲン金沢の最近

まず前半戦のハイライトを置いておきます。

前半11分ゴール前に入り込んだ平河が下田からのスルーパス受けてフィニッシュ、終了間際91分途中交代で入った荒木が賢いコース取りからゴール前DFの背中の位置でボールを納めて流し込み今季初ゴール。98分ゴール前混戦の中、金沢・林誠道がボール納め反転シュートで1失点。ペナルティエリアラインあたりからふんわりとしたクロスボールを密集の中クリアしきれず、もったいない形で今季初失点を喫した試合でした。

前回対戦時プレビューがこちら。

開幕時との違い:ジェフェルソン・バイアーノが出ない

前回対戦したシーズン開幕当初と比較して目に見える違いとしては、個人戦術的に前線起用していたジェフェルソン・バイアーノがまったく出場していない点があります。

超掲示板には「トレーニングマッチを見ても使える状態ではない」なんて話も出ており

超ツエーゲン金沢掲示板 https://bm.best-hit.tv/zweigen/search.php?keyword=%83o%83C%83A%81%5B%83m より

要は今季金沢での戦いに組み込みきれなかったようです。あの馬力溢れた個での突進はピッチにいるだけで怖さもあるだろうところ起用をやめたのだから、なかなか難しい状況だったのかなと思われます。

(こんな風にチェックする人はチェックするので、公開の掲示板等でトレーニングの様子とか細かいところ書くのはやめましょうね、、、。)

結果として、金沢も重量感のある攻撃策はなかなか取れていない気配。

直近の戦績

Football LAB https://www.football-lab.jp/kana/match/ より引用

ツエーゲン金沢はここ5戦4敗1分。その前5節分もまったく同じ4敗1分で直近10戦勝ちなし。この10戦は1試合あたり平均勝ち点0.2と厳しい状態が続き、前節 山形戦の敗戦で降格権にあたる21位以下が確定しました。

奪ってから速い攻撃

ヤンツーさんが取る戦術としてよく知られるマンツーマン442。現時点でのチームの代表的な攻撃パターンはふたつ。

  • 右SB小島雅也から中央FW(豊田陽平、奥田晃也あたり)向けて早めのクロス

  • 中盤でボール奪取、前線にボールを当てる中央ロングカウンター。トップのFWがボールを収めて前に運び、その両サイドをアタッカーが追いかけ追い越しゴール前2、3人でやり切る

Football LAB https://www.football-lab.jp/kana/style/ より引用

スタッツを見ても中央ロングカウンターとチームスタイルが数字に現れています。奪ったら長い距離を走って少人数で決め切る形。

ボールを収めるのがうまい林誠道を前線のポストに、FWの木村勇大・サブで豊田陽平、2列目サイドの奥田晃也、加藤潤也あたりを主戦に置き、特に2列目でフィニッシュを狙います。

ただ、戦い方の仕様上、攻撃局面でアタッキングエリアに入る人数が少ない。FW単騎〜サイドがゴール前に来て1次攻撃をフィニッシュさせた後、二次攻撃・畳み掛けがなかなかスムーズに行かない事が多く、そこまで効果上がらずの現状順位です。

また、速い攻撃の意識の強さ(攻め急ぎがちとも言えますが)から、奪ったあとかなり遠目、態勢が不十分でも速めのシュートを打ってくる傾向もあります。
この点は、人を規制するゼルビアの守備手法的に、ミドルシュートへの反応が遅れるケースがあるため、ミドルシュートあるものという想定で備えておきたい。

ブロック、ダブルチーム守備の効果に疑問符

守備では対面の相手に食らいつくマンツーマンなのですが、自陣ブロックを組んだ状況、およびダブルチームで相手ドリブル攻撃に対応する場面も、なかなか相手を規制できない。

元ツエーゲン金沢の選手でキャプテンだった廣井友信クラブキャプテンが、今シーズン前半折返し時点でのツエーゲンの課題を指摘している記事がありました。

まず1つ目は、ディフェンスのコーチングと状況判断。ここが1つ課題かなと思ってます。

https://www.nhk.or.jp/kanazawa/lreport/article/000/72/ より引用

この点はまさに課題が改善されないままズルズル来てしまった。

特にゴール前にドリブルで仕掛けられた局面。
ゴール方向に対して1DFがマンツーマンで対応し、もう1人がその脇のパスコースを消す。形はできているのですが、ボールホルダーに寄せれない。攻める相手からすると守備が迫ってくる怖さがない。

だから、パスコースを切る選手はただパスコースを塞ぐ以上の効果を出せず(マンツーマンだからやむなくはあるが)、2対1のはずが、結局、敵と対面するDFが1対1マンツーマンを毎回強いられる。

本来は、選手同志が意識を傾け、声かけあってゴール前を死守すべきところ、チームとしての守備対応を選手ひとりひとりは懸命にやっているのに、どこか他人任せに見えてしまう。

人が足りていても、コースを塞いでいても、なぜか間を割られる、ペナルティエリア内の瞬間のスペースを使われてしまう、球際への勝負をどこか怖がる。金沢のハイライトをいくつか見ていて、ゼルビアの昨シーズンのラスト10戦でよく見た、90分耐え切れない後半失点試合を思い出しました。

この感じ、昨年見られていた方はハイライトだけでもちょっと伝わると思うので、見てみてください。

単騎突撃でもなにか起こり得る空気があるので対戦相手もDFいようがかなりアグレッシブにチャレンジします。

結果アフターのファウルがやや増え気味

そういう感じで選手たちも各所でマンツーマン対応を迫られることから、突破されかかったところ、金沢DFのアフター気味のファウルでプレイが終わることも少なくありません。相手からすればセットプレーのチャンス。

メンタルの課題

特にここ10戦の状況では、降格争いのプレッシャーから、メンタルに大きな課題を抱えてきた。

サポーターさんがあんだけブーイングをしてた時に誰も何も言わない。
もっと大切な何かを失ってしまったようなそんな感じでした。その積み上げてきた絆とかだと思うんですけど、それがなんかこう終わった瞬間みたいなのを感じてしまった

ツジオラジオ Vol.100

コメント欄に「絆が途切れた」なんて言葉も出てるのが印象的です。(と思ったら、このコメントKENTA F.C. さんですね。良い声で熱くて楽しいので、よく動画見てます。ゼルビアの動画もありがとうございました。)

勝てないことで迷い・不安を感じながらどんどんとプレイが萎縮する。攻守どちらもミスが増える。自分も仲間もチームの闘い方も信じられなくなる悪循環。
そうしたコミュニケーション面の課題の影響が大きい状況に見えます。

降格がほぼ決まった状況でチームがどう変化するか

すでに降格圏を脱出できない金沢。昨日のJ2・J3ライセンスに関する発表から、FC大阪(昇格圏まで勝ち点6差の5位)が上位入りするケース以外では、降格を免れるのは難しそうです。J3は残り5試合で勝ち点差6。FC大阪も絶対ないとは言えませんが……。

ここまでみてきたメンタル状況に際し、降格がほぼ確となった状況が金沢の選手たちのプレイにどう影響するか。

吹っ切れてアグレッシブさを取り戻すのか
熱意も消え失せ息絶えるのか

それはもうわかりません。どっちもあり得る話。

攻略のポイント

勝利に対する気持ちの強さ

彼我の状況を考えると、今節は、町田の勝利に対する気持ちの強さ、質、量で、金沢を凌駕することが勝利への最短距離。

シーズンはじめの、金沢に喰らった1失点。ああいうポカンとした隙、気の緩みを絶対に見せてはならない。金沢の攻撃アクションを徹底的に阻害し、必ず無失点で試合を進める。

長いボールで、サイドで、スローイン前進・ロングスローも駆使して、時間をかけて、プレッシャーをかけ続ける。
金沢守備陣が後ろに重いなら最終ラインへのハイプレスを敢行、プレス回避し中盤に繋いできたら激しく寄せてボールを奪い取る。

1点を奪われず、1点を先に奪う。金沢の心をガタッと崩せれば、そこからは一気に行ける。セットプレー・クロス・CKを繰り返し、消耗させ、金沢の精神的優位性を奪いたい。

バイタル→ペナルティエリアへの侵入

前線FWのゴール方向のランニングに対して金沢守備陣は釣られて引きがち。マンツー対応の影響か、ゴール前の動きの中で瞬間的にペナルティ〜バイタルエリア付近にポッカリとスペースを空けてしまう悪癖がある。

1列目FWがDFを釣って空いたスペースに2列目の選手が入り込み、ボランチと連携してフィニッシュに繋げる動きは整理しておきたい。(前回対戦の平河の1点目の形)

敵陣内でのボール奪取・即時奪回

金沢陣内でボール奪取したい。奪われたら前に出て即時奪回を図る。奪った後の前や横への展開は狙ってくるが、相手のミスを誘うため引かずにしっかり追って圧力をかける。

裏抜けに対する危機管理

ゼルビアがラインを全体に高く取ることで、金沢はその裏を狙ってくる。蹴られた場合にCBがケアできるよう、2CBないし3CBはチャレンジ&カバーをしっかり意識し、安全を確保したい。

前節熊本戦オフサイドになったが、サイドからのシュータリングにFWが合わせる形は狙ってきそうなので、GK、CB+ボランチの規制の掛け方ふくめ確認したい。

引いては隙とスペースを与えない

金沢の攻撃を引いて受ける局面ではゴールエリア幅を狭く守り中を割らせず守備でプレッシャーをかけ続ける。

自陣ブロック守備では無理せずクリアしてラインを上げ直していくか、タッチに逃げる。

外と内、攻撃の使い分けで相手守備を広げスペースを突く

サイドアタックを繰り返すことで中のスペースを空け、中のスペースを使う攻撃を見せてサイドを使う。双方を使い分けて金沢のゴール前守備を解くタスクを繰り返す。

セットプレー

金沢もセットプレーでの失点はやはり多い。

Football LAB https://www.football-lab.jp/kana/preview/ より引用

秋田はロングスローで1点、CKから1点取っていた。

そもそも金沢はゴール前でのフィジカルプレイに脆弱さも感じるためデュークは非常に効きそう。ここ数節のサブメンバーも絡めた体制の中で、デュークをいつ、どう組み込むかはわりと重要な判断になりそう。後半ヘロヘロなところに元気なデューク入ってきたら相手は相当厄介なはず。

可能性:金沢が前から来た場合

金沢側選手が吹っ切れて前からグイグイとプレス&ランを繰り出してきた場合。

最終ライン+ボランチで冷静に対応しつつ、サイドの槍で裏を突いて相手守備ラインを押し下げることを優先する。
ロングボールで裏抜け、前線への起点作りorSB裏のスペース攻略で金沢を後ろ向きに走らせるプレイ選択で時計を進めたい。

走らせて走らせて、疲れの出るラスト30分あたりセットプレーで決め切れれば計画通り。

まとめ

今回のホーム最終戦にかかっているもの。

  • ホーム最終節

  • J2優勝

  • 話題に寄ってきた町田市民に町田らしいサッカー、戦いを見せるチャンス

  • 太田宏介のシャーレアップ、最高最熱の引退花道

  • 2023年ゼルビアストーリーのひとつの完成

  • サッカーで盛り上がる街への更なる注目

かかるものが多いほど、のしかかるプレッシャーも大きいわけで、そうそう簡単な試合になんてならない。今の歓喜のムードが逆風になることは全然あり得る。

それでも、金沢が奪ってからの鋭い攻撃を見せるなら、町田はもっと強く奪って、もっと鋭い攻撃を仕掛けよう。心技体、すべてで相手を上回ろう。そうして90分を戦えば、しっかりと勝ちが見える。

この目の前の一勝、強い気持ちで掴みにいきましょう。シャーレ掲げようぜ!Road to J1! 共闘🔥

この記事が参加している募集

サッカーを語ろう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?