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【プレビュー】vs鹿島アントラーズ 届いたFootball Dreamチャレンジ 【FC町田ゼルビア2024年第3節 挑戦J1】

こんにちわこんばんわひだりです。写真は2018年天皇杯・鹿島戦の時の野津田です。平日夕方ゲームでも本当たくさん集まってた。

「いつかJ1に上がって、鹿島やマリノスとかと戦う、そういう時代が来たらいいなぁ」

J1ライセンスのない時代から、何度となくサッカー友や家族としていた夢のような話。そんな夢の舞台が、遂に現実になる。過去の歴史を見てもチーム間の往来が多く、恩義深さも感じる「兄貴分」との対戦。
それも、『あの3年間』の熱狂と絶望を今も生々しく想起できる恩人・ポポヴィッチ監督指揮のもと、私たちゼルサポにとっての浪漫の子・佐野海舟が野津田のピッチに立つ。テンションはいやがおうにも高まる。

僕は拍手で迎える派です。
第3節・鹿島アントラーズ戦、プレビューです。どうぞよろしくお願いします。


ゼルビアと鹿島アントラーズの関わり

手始めに鹿島アントラーズと関わりのあるゼルビア関係者について、Wikipediaを参考にざっと調べてみました。

町田的に見てレジェンドが多い。

通算で見れば2012年以降、現在に至るまでいつも誰かしら鹿島出身がいたんですね。
クラブの大成長期であった相馬時代を中心に、ゼルビアが鹿島をひとつの成長モデルとして見据えてきた部分は間違いなくあったように思います。

2024年鹿島アントラーズの現状

2023シーズンは、前年、南米路線からの脱却を目指し招聘したクラブ初のヨーロッパ出身監督レネ・ヴァイラー(現スイス・セルヴェットFC監督)体制をシーズン途中の成績不振で引き継いだ岩政大樹(現ベトナム1部ハノイFC監督)体制 2年目のシーズンでした。

全体としては鹿島が鹿島として最も闘える形として442回帰。
成績の安定の要素を見ながら、新たな形を模索するも、勝つべきタイミングで勝ちきれない戦いが続き、ハッキリした成果を出しきれないまま5位フィニッシュ。

鹿島 2023年シーズンのフォーメーション別勝ち星 Football Lab https://www.football-lab.jp/kasm/formation?year=2023 より引用

ハッキリしなくても5位、しかもめちゃくちゃ不満気!というのはもうまさにこれぞ鹿島という基準ですが、そうした流れの中での今シーズン、ポポヴィッチ監督就任でした。

大分時代が重なる鹿島・吉岡フットボールダイレクターのコネクションという話ですが、今シーズンのハイプレス・相手ゴールに素早く迫る攻撃を見ている限り、闘える=勝てるという2023年の傾向を鑑みてポポさんというチョイスは現時点で一定ハマっているように見えます。累積警告で欠場するほど闘将。

名古屋との開幕戦(鹿島3-0名古屋)後に公開されたポポヴィッチ監督のインタビューに以下のようなコメントがありました。

キャンプから取り組んできたオーガナイズがうまく機能しました。縦への意識と強固な守備。全員が連動すべきことです。そのためには信じる力は不可欠です

Web Sportiva「鹿島ポポヴィッチ監督が語る「土台を理解し新しい歴史を作る」」 https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/jleague_other/2024/03/02/post_34/ より引用

表現の仕方は別として、目指すところは町田と重なる部分が相当に多そう。こちらが鹿島の価値観の薫陶を受けてきた側なのだから、当たり前なのですが。

相馬体制下の鹿島イズムで育ち、ポポヴィッチ監督時代の「巨大な反省」をベースに、黒田イズムによる変容で魔境を這い上がってきたゼルビアと、サッカー面で似て非なる者同士の強度vs強度ガチバトルな今節です。

基本布陣4231

開幕からの2戦ともに試合への入りのフォーメーションは4231。
ダブルボランチを軸にMFがSBがアグレッシブに前へ出てボールを奪い、早いテンポのパス交換でスピーディーにゴールへ襲いかかる気迫は見覚えある雰囲気。

予想スタメン

個人的にプレビューで普段はあまり入れないことにしているのですが、開幕2戦で両チームとも大枠のスタメン候補が見えてきているので、今回はスタメン予想も入れておきます。どちらもそこまで変わらない系、互いに強度対策として数名入れ替えはあるかも?

FC町田ゼルビア 予想スタメン

GK 1 谷 晃生
DF 6 鈴木 準弥
DF 14 チャン ミンギュ
DF 5 ドレシェヴィッチ
MF 39 バスケス バイロン
MF 45 柴戸 海
MF 8 仙頭 啓矢
MF 26 林 幸多郎
FW 7 平河 悠
FW 9 藤尾 翔太
FW 90 オ セフン

鹿島アントラーズ 予想スタメン

GK 1 早川 友基
DF 32 濃野 公人
DF 55 植田 直通
DF 5 関川 郁万
DF 2 安西 幸輝
MF 13 知念 慶
MF 25 佐野 海舟
MF 40  鈴木 優磨
MF 33 仲間 隼斗
FW 14 樋口 雄太
FW 7 チャヴリッチ 90分

柴崎岳の負傷離脱によりFW知念のボランチコンバートが注目を集めている。海舟のセンターバックはゼルビア時代も局面により時間限定で時々やってたよね。

鈴木優磨はフルで来るかはわからないが、トップ下起用は彼の献身性と周囲を活かし活かされるプレイ考えるとよくわかる。チャブリッチが大当たりっぽいからこそデカい。

負傷の具合次第ですが、町田ベンチに鹿島を知る昌子、鹿島ベンチに黒田サッカーを知る柴崎も入るかもしれないですね。そんなのだと、盛り上がって良い(こわい)。

ん?

ゼルビアの戦い方のポイント

ターゲットマンの降りるポジショニング+ゴールへの顔出し

4231布陣への定石としてボランチ脇をうまく使いたい。
モタついていると鹿島の囲い込む守備の餌食になる。ボールの受け手はシンプルにはたくかサポートの選手とのコンビネーションで速攻打開したい。

FWのボランチ脇〜鹿島42ライン間あたりに降りる/横にズレる動きで、鹿島のCB釣り出し/中盤守備の基準点を横にズラすことでスキを見出したい。先のアジアカップで日本代表にイラクやイランがやってきたものと近いアプローチ。

サイド中心の仕掛け

佐野海舟は持ち前の守備範囲の広さと強度でフィールドプレイヤー1.5〜1.8人分程度の仕事をする。海舟で奪って知念で攻撃につなぐはイメージできるやり方だからこそ、両ボランチが前向きに対処しやすい中央レーンでのボール運びはリスクが高い。

ボランチ脇スペース経由のサイド前進で鹿島のプレスを誘き寄せた上で、スライドのズレを縦に突く、ロングボールで裏を狙うなど、ど真ん中でボールを奪われるリスクはなるべく排除して前進したい。
リスク覚悟で前に出る際は、チャレンジ&カバーを徹底し、ネガトラにしっかり備えたい。

バスケス・バイロン、平河で1 on 1に持ち込めれば積極的な勝負をしかけたい。
FWはポストプレーを遂行しつつ、しっかりゴール前へ顔を出すことで、相手に守りづらさを与える。サイドアタッカーとFW、良い距離感で絡みながらゴールを狙いたい。

プレスに来た相手の裏を取る

ポポビッチサッカーで求められるのは勇敢さ。IH、ボランチ、トップ下が連動して囲い込んでボールを奪いにくる。サイドバックも攻めの守備〜高い位置での攻撃関与を求める傾向もある。

アグレッシブに詰めてくる鹿島の動きを逆手に取り、セレッソが実行した味方のサポートを活かしたプレス回避も参考に、奪いにきた選手の裏のスペースを取りたい。

セレッソがやったようなゴール前からのポゼッションは町田はあまりしないだろうが、プレスを剥がすため、パスの出し手に出し先を作る他選手のサポートの動きは常に重要になる。

中央の柴戸、仙頭(下田)はセカンドボール回収+各局面でのフリーマン的役割で相当忙しくなりそう。

ロングスローによる前進

サイドを中心としたやり合いの中でピッチの外にボールが出たらロングスローで前進、相手選手を下げさせながら着実に前進していく。

オフサイドもないので一気にペナ角裏に当てていくのも鹿島守備ライン押し下げに有効。

1SB+2CBによる最終ラインのケア

ボールサイドと反対のSB+2CBは鹿島前線をケアしつつ、裏を狙うボールも警戒する。

チャブリッチが強度、スピードに優れ、かつ鈴木優磨の局面を見た仕掛けも強烈なので、ゲームメイク・リスク管理の面で最終ラインの集中力は非常に重要。

ポポヴィッチ体制のアグレッシブさの出鼻を挫く

基本的に前向きに奪う、前向きに回っている時期のポポヴィッチサッカーは厳かに強い。2021年の終盤〜最終節・アルビレックス新潟戦(新潟0−2町田)で見せた、相手に怯まず強度・ソリッドさで叩く強者感は非常に印象的だった。

前に入ったタイミングで周りの選手が動き出しているし、入る前から狙いを持って動いている感じが見受けられている。そこが去年とは違う。縦に入った時にダイレクトで落としてサイドに展開するといった戦術練習を長くやってきたので、選手に染みついていると思います

開幕前、知念のコメント https://news.yahoo.co.jp/articles/9d1c536b09c359e74da4ccb720aeb880cafcab4f?page=1

一方で、それがうまく回らなくなった時に難しくなることはゼルビアのサポーターとしても記憶に強く残っている。

ポポさんとは町田の時にやっていましたけど、今までだったらテンポを上げなくていいところを崩しに行ったり、テンポを上げたサッカーをしないといけない。1個でも遅れたら、狙いやみんなの動きに合わせるのが難しくなる

開幕前、佐野のコメント
https://news.yahoo.co.jp/articles/9d1c536b09c359e74da4ccb720aeb880cafcab4f?page=2

基本的にハイテンポ志向である部分に、同時にスキが潜んでいることは、セレッソのカウンター、プレス回避からの崩しで鹿島側の守備の型が崩れるシーンがいくつか散見されました。CBの質など状況は当時と大きく異なりますが、町田時代に「年間51失点の悪癖」を生んだ芽は、現体制でもいくらかは残っているもののように思います。

「前に入ったタイミングで周りの選手が動き出している」なら、そのタイミングで奪えば後ろのどこかは空いている。
アグレッシブな一歩を潰し、一気に出鼻を挫きたい。

球際と切り替え

球際と切り替えで負けた方が一気に守勢に回る可能性が高い試合。過半の球際で勝ち、切り替えのスピード、走力で鹿島を上回らないといけない。

ハードルものすごく高い話だけど、開幕からの2戦を見る限り、不可能なことにはまったく思わない。

時間帯や局面によってはガッツリ噛み合わせてミラーゲームのような状況も考えられる。際の勝負では絶対に引かずに戦い、勝ち切りたい。

まとめ

ロングスローではなかったけれど、いまの黒田ゼルビアを見て2018相馬ゼルビアとの類似性は自分もちょっと感じています。

  1. 密集守備でカオス作る

  2. ラインを割ったらスローインで細かく前進

  3. ペナ角からのアタック、ライン際でCK(戦術平戸)の可能性をちらつかせつつ食い込んでいく

みたいなプロセス。
今はロングスローで2・3を直接カバーしてしまい、セカンドボールを当時の1ほど極端でないにせよコンパクトフィールドで回収してるイメージ。

個人的には、去年結果が出たことはもちろんだけど、相馬さん時代のあの頃の経験があるからこそ、いま黒田さんのサッカーを肯定的に解釈できる・支持できる部分がある気がします。
紆余曲折ばっかりだけど、へそ曲がりはへそ曲がりのままキチンと歴史が積み上がっている。

あの鹿島アントラーズとJ1の舞台で戦えることが、本当に本当に嬉しい。すごくワクワクした気持ちで、ただゼルビアの勝利を願っています。

今週も楽しんで、勝ちましょう!共闘!


追伸:鹿島戦翌日は三輪緑山で武相決戦だそうですよ。これも楽しそう!


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