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左手用ハサミをうまく使うコツ

右利きの方からすれば、「え、ハサミを使うのにコツなんて要る?」だとは思いますが、以前こちらの記事にも書いた通り、左利きさんにとってハサミというのは特に複雑な事情のある道具なのです。


どうしてこれを書こうと思ったか

おかげさまで「左ききの道具店で、初めて左手用ハサミを買います!」と言ってくださる大人の左利きさんが結構多くいらっしゃいます。(特に今30〜40代以上の大人の方は、子供の頃に左手用ハサミが身近になく、ずっと右手用ハサミを使ってこられた方がほとんどです)

一方で、それ以上に聞いたり見かけるのが「以前、左手用ハサミを買ってみたけど、思ったように切れなくて結局しまい込んでしまった」という左利きさんの声。大手通販サイトを見ても、左手用ハサミには大抵「全然切れない、金返せ」みたいなレビューが1つか2つ付いていたりしてなんだか胸が痛くなります(もちろんちゃんとしたメーカーの商品にです)。
これは、長らく左手で右手用ハサミを使っていると、その切れ味の悪さをカバーするために、本来の使い方とは異なる、独特の力の入れ方や角度をつけるのが習慣になっているからです。

でも、せっかく期待して選んでいただいた左手用ハサミ、使わなくなってしまってはもったいないので、何か少しでもサポートをできないかと考えて、このガイドを作ることにしました。

実は、店長の私自身は左利きでありながら、ハサミは幼少より右手で使っているため、この「独特の使い方」というのがリアルに体感できていません。
そこで、Twitterでこんな募集をして、アンケート形式でお話を伺いました。

【ゆる募】以下の条件に「全て」当てはまる方
・左利き(日常動作が主に左、全てでなくて可です)
・長らく右手用ハサミを左手で使っていた
・現在は左手用ハサミを主に使っている

皆様に拡散していただき、多くの左利きさんに回答をいただくことができました。この場を借りてご協力のお礼を申し上げます、ありがとうございました!
前置きが長くなりましたが、この後は実際のコツのご紹介です。

【1】 目線は刃の内側に

左手用ハサミは「刃の合わせ」が右手用とは逆です。
右手用ハサミを使っている時は、切っている場所を刃の外側から覗き込むようにしていた方も多いと思います。

左手用ハサミの場合、目線は刃の内側に。切っている場所を自然に見ることができるので、ありがちな「切り取り線からズレていた」ということも無くなりますよ♪

【2】 ハサミは紙に対して垂直に

右手用ハサミを使っている時、【1】でも書いたとおり、刃の外側を見るために無意識にハサミを傾けている場合があります。また、切れる角度を探して、意識的に傾けていた方もいらっしゃるかもしれません。

左手用ハサミの場合、角度をつけるとかえって切れづらくなることが多いため、ハサミは紙に対して垂直になるように入れてみてください。

【3】 力を入れ過ぎない

右手用ハサミを左手で使うと切れ味が落ちるため、ギュッと力を込めて切っていた方も多いようです。「同じつもりで力を入れたら、切れすぎてケガをしそうになった」という経験をお持ちの方もいらっしゃいました。力の入れ過ぎにはご注意くださいね

【4】 自然に上下するだけでOK

右手用では「2枚の刃をすりあわせることを特に意識して力を入れていた」という方もいらっしゃると思います。
左手用ではその必要はありません。自然に上下に動かすだけでスムーズに切れるはずです。

【5】 持ち方を変えて上手くいくことも

「人差し指をハンドルの外に添える持ち方だと上手く行きづらかった」という声がありました。もし該当する場合は、人差し指をハンドルに入れる持ち方も試してみてくださいね。

また、複数の指でしっかり握る方が安定するので、ハンドルが大きめのハサミを選ぶのもいいかもしれません。

さいごに

こちらのコツをまとめたガイドを作り、大人用ハサミをお買い上げの方へ同封することにしました。

また、この内容をTwitterにて公開したところ、やはり左手用ハサミを買ったものの上手く使えなかったという方に「説明の通り試したら気持ちよく切れました!」と喜んでいただいたり、「また左手用ハサミを使ってみたくなった」という嬉しい声をいただきました!

私としては、使う人が気持ちよく使えるなら左手用でも右手用でも別にどちらでも良いと思っています。なので、左利きさんには何が何でも左手用を使って欲しいというつもりは全くありません。

でも、今回のようなケースでは「左手用買ってみたけどこんなの使えたもんじゃない、ポイ(怒)」「切れないのは私が不器用なせいですよね(涙)」という方に、「それは道具が悪いわけでも、あなたが不器用というわけでもないですよ、たまたまこれまで使ってきた道具が体に合わないものだっただけですよ」というスタンスで、情報をお届けできたらと思った次第です。

道具店として、これからも左利きさんに気持ちよく道具を使っていただけるサポートができたらと思っています。
長い記事をお読みいただき、ありがとうございました!


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