ドレスに一針一針施したKogin de Jewel®︎クリエーターはこの方です
世の中に星の数ほど溢れている『こぎん刺し』が得意、大好きと言う方々。
そんな中私は8年前まで、こぎん刺しに特に興味がなく、せっかくプレゼントされてもその価値さえ分からず、そっとしまい込んでしまうような人間でした。
そんな私がこぎん刺しをプロデュースするなったのは2016年に弘前市の歴史ある土手町商店街に路面店を構えるようになったのがきっかけでした。
たくさんの観光客も訪れるお城と桜の街
どこにでもあるブティックではなく
弘前ならではのアイテムも発信したい
古いイメージのこぎん刺しではなく、もし自分だったらこんなのを使ってみたいとイメージ出来たのが、ジュエルのようにキラキラしたこぎん刺し。
通常はほとんど需要のない真っ白な生地にフランス刺繍のラメ糸でこぎん刺し、それにスワロフスキーを添えた物を目にした時、これなら私も欲しい❗️とときめきました。
この世界観はオリジナリティがあって世の中に広めて行きたい思いで
2016年にKogin de Jewel®︎を商標登録し、オーダーが多くなり、東京、台湾などにも積極的に出展しました。
そうなると足りなくなってくるのが作品を作ってくれる人、こぎん刺しをしてくれる人
そこで2020年にKogin de Jewel®︎スペシャリスト養成講座を開講。
最初の説明会には5名の方が来てくださったのですが結果受講生は16名。
修了生は依頼されたオーダーを請け負ってくれる心強いクリエーターになりました。
※講座は2023年に終了しています。
最初の説明会にも参加し、最速で講座を修了したのが、今回、ウエディングドレス制作にかかわって下さったmanamiさんです。
こぎん刺しを生業としている方は青森県には数名いらっしゃると思いますが、ほとんどは、趣味の範囲だったり、本業の傍ら依頼されたら請け負うと言った方がほとんどです。
そんな状況に、私が求める『こんなイメージで』とか、納期などと言われると萎縮してしまい、自分が刺した物を商品にするなんて責任が重くてと後退りしてしまう方がほとんどです。
manamiさんもそのひとりで本業が忙しく、なかなかオーダーもタイミング良く頼めないことがしばしば。
今回の制作に関しては全てが誰かが仕組んだシナリオがあるのだろうかと思うほど、奇跡としか言いようがないのですが、私がドレスにいよいよ着手しようかと思ったタイミングで、manamiさんが長年のお仕事を定年退職されたのです。
お陰様で制作に集中してくださり、依頼を受けてから、毎日5時間1ヶ月、しかも主婦が忙しい年末年始に。
どれだけ時間が掛かるか、経験のある方はお分かりかと思いますが、今回は特に『抜きキャンパス(別布)』を充ててその上から刺し、刺し終えた後、そのキャンパス地の糸を一本一本慎重に抜いていくと言う作業なのです。
特に今回はディアマント糸と言うデリケートなフランス刺繍のラメ糸であるため更に慎重さを要し、10センチ四方のモドコで、抜く作業に1時間ほど掛かったそうです。
このような作業です↓
また、デザインの関係で運針縫いは出来ず、本当に一針一針...
今や転写プリントと言う技術もあるでしょうけど、私は実際に刺すと言う手仕事にこだわりました。
完成した物を見て、こぎん刺しを物足りなく感じられた方もいらっしゃるかも知れませんが、
ドレス本体にビッシリとなると、何年の月日を掛けて、お金も何百万掛けるんですか?と言う話になります。
そこで考えたのが、こぎん刺しを施した取り外しのできるパーツ(リボン)です。
直接肌に着けないのでクリーニングも不要ですし、セレモニーだけで終わらず、後々もリメイクや他のものに活用できたりと便利です。
以前に黒の生地に黒の糸でと言う難関高度な依頼をした時に激しく目を充血させてしまい断念した経験もあったことから、くれぐれも無理することなくとお願いしたところ『楽しんでやります❣️』と笑顔を返してくださり安心したものです。
何度も打ち合わせや確認にも足を運んでくださり本当に感謝しかないです。
依頼してから知ったのですが、manamiさんご本人の結婚式では、妹さんが縫ってくれたウエディングドレスを着用されたとのこと。
そして、ご子息は結婚式で母manamiさんがこぎん刺しを施した蝶ネクタイを着けられたとのこと。
※画像はご本人に許可を頂いております
何だか偶然にも、縁起の良い方に刺して頂けて嬉しいです。
こぎん刺しをする人のことを色々な言葉で表現をしますが、私はKogin de Jewel®︎のまさに『クリエーター』と呼びたいと思います。
感謝m(._.)m
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