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エージェントからは軽くあしらわれ、社内では面倒くさがられる悲しき「人事」というお仕事

先日、Slackを利用して人事が採用相談を無料でできるコミュニティを運営し始めたのですが、(Slackでの相談コミュニティはこちら)その中で改めて気づいたのは人事(ここでは採用に関わっている人)は社内、社外のさまざまなステイクホルダーに挟まれ苦しんでいる、ということ。

いつもは「人事がしっかりしないとダメだ」「もっと人事がんばれ」みたいな記事書いているんですが、今回は採用に関わる人事が「よくぶつかる問題」とそれをどうクリアしていけばいいのか、を考えてみようかと思います。



採用に関わる人事あるある

エージェントさんにニコニコしながら「なかなか良い人いなくて〜」とはぐらかされる

ありますよね。。「良い人いない」と言われるけど、そのエージェントさん経由で他社は結構採用していると聞くし...のような。

「その会社の採用要件に対してどういう人を推薦したらいいのかわかっていない」か「推薦しても決めてくれない」と思われているか、「そんな人、日本に数人しかいないよ」みたいな人を求めているか、「単純に人事や会社が好かれていないか...orz」あたりが要因で起こり得ます。(あと依頼するエージェントさんを間違っている可能性もあります。得意なのは30代のハイクラス層なのに第二新卒求めていたり。。)



社長や経営陣が「任せた」という名のもとに採用に関与してくれない

これもよく聞くお話。任せてくれるのはいいんだけど、社長や経営陣が出て口説いてくれないとなかなかベンチャーやスタートアップのタイミングでは厳しいので、最後にちょろっと面接するだけ、とか。面接したあと、候補者が迷っている時の面談とかは人事にまる任せ、とか。。

会社全体で動かしていかないといけない施策なのに、号令をいうのは人事で現場もシーン、みたいな状況を経験したことある人は多そうです。(会社全体で採用活動をするのが当たり前で、人事がメールでしれっと広報しても、会社が動く、みたいな会社がいいんですけどね。。。)



社長や経営陣が採用に関心が高い時期とそうではない時期の波が激しい

採用に関心がある時期は猛烈に関わってきて、「エージェントに頼らずダイレクトや社員紹介増やそう」とか「Wantedly毎日更新しよう」となるんだけど、それが続かないパターン。。残念ながらたまに聞きます。(株価によって左右される、みたいな話もありますが)

ダイレクトや社員紹介(リファラル)強化するなら、中長期的にタレントプールを作って、その人たちに定期的に接触して、、とやらないといけないのに、関心度に波があるのでなかなか成果が出にくくなりますね。。。



書類選考や面接結果を返してもらうのに、現場の人に必要以上に気を使いまくる(面倒くさがられる、うざがられるetc...)

この問題困っている人多いのではないでしょうか。もちろん、現場の社員の方は本来の業務があり、その上で採用業務に関わってくれているので最大限の配慮やホスピタリティは必須です。

でも現場の人に「いま忙しいからあとにして」とちょっと冷た目に言われて「ひぃっ。。。」となったり、「いやーバタバタしててすみませんー。。今日返事しますー」と言われたのにいつまでたっても選考結果が帰ってこなくてイライラしたり...みたいなことを経験した人事の方は多いのではないかと思います。(現場の人にムリを言ってお願いしているのは百も承知。だからこそ「シュン」となったり「ぐぬぬ。。。」となったりしますよね。。。)



現場の人から言われる欲しい人のオーダーがざっくりすぎる、もしくは「そんな人いないよ」という人ばかり

現場で働く人はもちろん人事ではないですし、人材業界に関わっていたわけではないので仕方ない部分はあるんですが、「いやいや、そんな人いないよ...」みたいなオーダーがきたり「結局誰ほしいの?」みたいな要望だったり。

これは人事がしっかりヒアリングし、世の中の採用マーケットに合わせてチューニングし、具体的な採用要件に落とし込まないといけないのですが、「入社したらどういう仕事をしてどんな役割を期待して、、」も具体的に決まっておらず、「どうしたら...」という絶望感にも近い感情を覚えた経験をした方も多いのでは。。



何人も面接して採用した人が活躍できないと「なぜあんな人を採用したのか」と言われる

これもよくありますよね。採用した人が万が一うまく活躍できなかった場合、誰に責任があるんだ問題。。。人が活躍するためには、エントリーマネジメントはもちろんですが、上司、同僚、仕事内容、職場環境、扱う商材...などなどさまざまな要素があるにも関わらず、わりと「採用が悪い=人事が悪い」になってしまうケースはよく出会います。。。

(いや、もちろん人事に責任がないわけではないし、採用要件がミスっていた可能性はあるし、入社した人が活躍できるところまでが人事の仕事、だとすると人事のせいなのですが。)




上記のような事態にならないために人事ができること

もちろんウチには全然関係ない、という人事の方もいると思いますが、、採用という仕事はさまざまなステイクホルダーが関わり、その人と一緒にやっていくものですし、人事だけでは良い人を採用するためにできることは極めて少ないのは事実。。(悲しいですが。。。)

「会社が協力してくれないから採用できないんだーーー」というのでは他責もいいところだと思うので、周囲の協力を得ながらうまく採用を進めていかないといけません。そしてそれができるのは他でもない「人事のみ」です。


人事にとって「よい採用」というPJTを成功させるためにも以下のようなことが必要なのではと思います。



外を知り、内をもっと知る

現在の採用マーケット(どんな人がどのくらいいるのか、どういう会社が人気があるのかetc)はもちろん、他社はどんな採用をどこまでやっているのか、だったり外の人からみて自社はどう映っているのか、など自社の「外」のことをしっかり正確に、そして定期的に理解することが大事だと思います。

ベンチャーやスタートアップだと「人事が社内に1人」みたいな状況も多いので、仕事ばっかりしていると「外」の情報が全く入ってきません。採用要件を決めるときにも、自社の採用課題を考えるときにも、エージェントさんへのコミュニケーションにも、「外」の状況を知っているのと知らないのと、で打ち手の精度が大きく変わります。(そして意外と「外」のことを知ろうとして動いている人事の方は少ないです。。)


それよりもさらに大事なのが「内を知ること」

実際に、サービスを作っている現場では何が困っているのか、どんな人がどんな思いで働いているのか、普段どんな会話をしているのか、雰囲気はどうか、など...自社の事業、サービス、人をとことん深いレベルで知る、ということを怠らないというのがもっと大事かと。


DeNAで採用やっているときに、週1日は自分が担当している事業部に席を置かせてもらいそこで仕事する、とか毎日ランチは現場の誰かと行く、現場の打ち上げに混ぜてもらう、など徹底的に「内を知る」ような取り組みをしている人事の方もいました!


採用要件の中でしか知らないのと、実際に本当の姿を知っている場合では、エージェントさんや求職者の方へ説明するときの話や熱も大きく変わるでしょうし、具体的な話ができるようになるので説得力が全く違うはず。そこまでやれると大きく成果が変わりそうです。



人事でできること、協力してほしいことを明確に定義する

人事にとっては当たり前でも、人事以外の人からしてみたら当たり前じゃないことはたくさんあります。そして人事って経験している人も多くない。

だからこそ「人事ができること」「人事ではできない、または効果がうすいので協力してほしいこと」を明確にわけ、採用活動の最初にお願いしてしまう、採用のための環境構築に時間を使うというのは大事かなと思います。


メスライオンとして一躍有名になった宇田川さんも以下の記事の中で「最初の2週間で採用に必要な環境を構築する」とおっしゃってまして、まさにそうだなーと。

宇田川さんの記事はこちら


現状あるフローでなんとなく進めてしまう人事の方も多いと思いますが、「良い採用」をするために必要な体制を戦略的に考え、しっかり最初に協力体制を作る、ということを意識するのは大事ですね。



言い続け、細かくフォローし続ける

実際に採用活動が始まったら、とにかく「大事なポイントを言い続け、現場の人や採用活動に協力してくれる人が困っていないか、気持ち良く採用活動に参加できているかフォローし続ける」、これを怠ると実際の成果につながりません。


面接官がジャッジに迷わないようにするにはどうしたらいいか、面接の時の申し送りはどのタイミングでどうやったら一番面接官がやりやすいか、選考結果はどうやったら返しやすいか、など想像力をフルに働かせること(時に現場の人や経営陣からフィードバックもらう)。これ大事です!

私が人事やっているとき、申し送りはメールでも送るけど必ず口頭でも伝えに行く、候補者きたら何で呼べばいいか(内線?チャット?会議室コンコン?)の確認、評価を聞く際も口頭で...など細かいけれどストレスなくかつスムーズに面接に挑めるようにするという点はこだわっていました。


よくよく聞いていると面接のアサインをし、当日になって「ではお願いしまーす」と言うだけ、という人事の方は結構多いですが、本当に面接官が迷わず、不安に思わず面接に挑んでもらうためには何が必要なのか、というところをフォローできると、仕事のしやすさが大きく変わってきます。



何より率先して動く、夢中になる

そして一番大事なのがこれ。やっぱり良い人が採用することを、人事が一番諦めないこと。これに尽きます。「良い採用」のためにできることは何でもやる、一番自社を信じている、一番会社の事を知り、候補者のことを知っている。そんな状態の人が夢中で「採用」にコミットする姿を見たら周囲の人もどんどん協力してくれるはず。

すごーく当たり前ですが、誰が見ても会社で一番「採用」や「人のこと」にコミットしている人として認識してもらえるくらい、熱意を持って動いていくというのが基本の姿勢なんだと思います。



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