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就活生に送る。これからの働き方で起こりそうなこと

この時期になると新卒採用の本選考が始まるタイミングだったり、次の年のサマーインターンに向けたイベントが始まったりと就活に関する動きが活発になってきますね。

就活というとマイナビさんのこんな記事が。学生の4割は安定志向とのこと。

また先日のLive News αに出演した際のスタジオで使ったデータがなかなか衝撃的でして。(日本生産性本部の新入社員調査が元データなようです)

終身雇用を支持する新入社員がほぼ6割。
いつの時代でも「安定したい」が多数派なのは常ですし、それが悪いとは思いません。

ただ、
いまの学生や新入社員の人を取り巻く環境としてこんなことは起こりそうだよ?という予測を書いてみるので、少しでも参考になるところがあればいいなと。

それではつらつら、と。


まず、終身雇用は続きません、残念ながら。

経団連やトヨタのトップも「終身雇用はもう続かない」と相次いで発言がありましたね。
あのクラスの影響力のある方が公の場で発言しているわけなので、単純な個人の感想ではなく政財界で一定のコンセンサスがあるのだろうなぁとは想像できます。

終身雇用はずっと雇い続ける、という他に年功序列で継続的に賃金が上がり続ける仕組みとセッで運用されています。

なので、
企業からすると雇い続ければ続けるほど高い賃金を払い続けないといけなくなります。
しかも政府の政策によって70歳まで定年を引き上げようという動きにもなっています。
さらに5年くらい雇い続けてね、ということです。今でも大変なのにこれを維持するのはキツいよね、というわけです。


終身雇用が終わるということは2つのことを意味します。

1、解雇規制の緩和が行われる
2、年功序列的に給与が上がり続けることがなくなる

ということです。

日本の法律では、労働者は非常に強く守られていて企業はほとんどのケースで「解雇」できません。終身雇用が終わるということは、企業は一度入社した人を雇わなくてよくする権利を得るということなので、恐らくこの1、も話が進んできます。

また、
日本では一度あげた給与を大幅に下げるということもかなりやりにくいです。
労働者の同意なしに、会社の勝手な制度変更で不利益な給与にできないようになっています。

おそらく解雇規制緩和されても一気に大量解雇というわけにはいかないでしょう。
であれば「雇用は維持するけど給与は下げさせてね」といった流れが出てくることは予想されます。


つまり
一度雇われたら余程のことがない限りずっと働けて給与も上がり続けるという「安定」は少なからず崩壊に向かっています。


さらにさらに考えていくと、
「雇用されてても解雇される可能性がある&賃金も上がらないもしくは下がることもある」といった状態になると、もはや「正社員とは?」となります。

ほぼ正社員でいる意味やメリットが薄らいできて「全員有期雇用化」に近い状態に進んでいくのではないか、と思います。

全員が有期雇用化すると
契約満了で従業員からも契約終了を突きつけられる可能性があるので、企業は優秀な人への賃金は上げていくことになります。

もしかしたら、
解雇はできるけど長くいる可能性がある正社員は給与が安く、1年ごとの契約の契約社員の方が給与が高い、なんてことが起こり得ます。


そうなると、
頑張って働きたかったり、能力が高い人ほど有期雇用の方が良くなってくるわけです。
あまりたくさん働きたくない、そんなに給与上がらなくていいという人が週30時間など今より短い時間でかつ安めの給与で働く人が「正社員」を選ぶ、いわばセーフティネットのような存在に移行してくるのではないかと思います。


こういった形で、人がわりと転職したりするのが一般的になってくる(=雇用の流動性が上がる)と平均の賃金は上がりやすくなります。

ずっと雇い続けないといけなくて、かつ賃金を上げ続けないといけない仕組みだと、いつか業績が悪くなった時にキツくなってしまうので全体的に給与を低く抑えつつ、あまり大幅に上げないような力学が経営者には働きます。

ただ、
いざとなったら解雇できるとか、1年契約の人が中心のようになったら経営側のリスクは減りますから賃金を高めに設定しやすくなります。
また高くしていかないと他社に行かれてしまうので、必然的に平均賃金は上がっていきます。


そうするとその上がり続ける賃金だと利益が確保できない、経営が成り立たないような会社や産業が出てきます。
こういう産業は衰退し小さいまま残る、市場から撤退する、いち早くテクノロジーの導入が進んで少ない人数で運営するやり方に変わり始める、のどれかの方向に進むと思います。

逆に
平均賃金が上がっても大丈夫な会社や産業、簡単にいうと成長していて生産性が高いところに人が集まるようになります。

生産性が高く成長し続けている会社や産業は仕事が生まれ続けますし、そういったところには優秀な人も集まりやすい。
そういった環境こそが、そこにいる人にとって「安定」した状態を作りやすくなるのではないか、と思っています。


こういった変化が確実に進むかはわかりませんが「働く」環境は大きく変化していきます。

その中での「安定」は常に仕事が新しく生まれ続ける環境にいること、なのかもしれませんね。


今日は以上です。

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石倉秀明@キャスター

場所、時間、雇用形態、社内外などのあらゆる境界があいまいな新しい組織である「ボーダレス組織」を提唱。キャスター取締役COO兼働き方ファーム代表取締役 #bosyu 運営。noteでは採用 | 働き方 | 組織論 | 仕事術などを書いていきます。

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