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「自分の市場価値を高めたい」と言う人ほどコモディディ化しちゃってる問題

やっと副鼻腔炎は風邪が治ってきた石倉です。

転職相談やキャリア相談を受けるのですが、その中で「市場価値をあげたい」「市場価値が高い仕事をしたい、会社にいきたい」という話がよく出てきます。

確かに、人材紹介会社や転職サイトの広告でも「あなたの市場価値はいくらくらいです」みたいな形で出てくるので、市場価値を高めよう、という人がたくさんいるのは理解できますし、それが有効な広告手法であることも間違いないのだと思います。

市場価値が高い=世の中の多くの企業に必要とされる、と考えればそれは市場価値は高い方がいい気はしますが、相談受けているとほとんどの場合で気づくことがあります。

それは「市場価値を高めたいという人がほとんどコモディティ化しちゃっている」ということ。

正確にいうと、「市場価値が高い人」というのがどういう人か自分で考えず、なんとなくキャリアを考えていて、「いやいや、それじゃ世の中のみんなと一緒だよ」という人が多いなと感じます。
なので、市場価値が高いとはどういうことなのかを私なりに考えてみようと思いました。


よく聞く「市場価値が高い」とは?


なぜ私が友人や知人の転職相談やキャリア相談を聞いて、「市場価値を高めたいと言うけどコモディティ化しちゃっているな」と感じたのか。
それは、「その職種に就いている大勢の人と同じ経験をしようとしている」から。

例えば営業だったら、
「今は1人の営業パーソンとして毎月目標を達成できている。このあとはチームマネジメントにチャレンジしてみたい」
「今まではパッケージ商品を売ってきた。これからは顧客に深く入って提案する営業がやりたい」
みたいな話です。

こういった話はよく出てくると思うのですが、本当に上のような経験をしていく人が「市場価値が高い」とはどうしても思えないんですよね。

確かに、自分がプレイヤーだけでなくマネジメントができた方がいいでしょうが、それって市場価値高いのでしょうか?
逆に、営業を3年とか5年やっていて一回も後輩の面倒を見たことがない人の方が少ないのでは?マネジメントの定義にもよりますが、2人とか3人のチームのリーダー的存在をやったことある人もたくさんいる気はします。。

そう考えると、上記のような「市場価値を高める=みんながやっているような経験をする」みたいなアプローチはちょっと違うかな、と思っています。


では、市場価値が高い、とは何なのか?

私は、市場価値が高い人は「多くの企業で求めているけど、実際にそれができる人は少ない能力、スキルがある人」だと思っています。

簡単にいうと
「希少かどうか」×「それが世の中の多くで求められているのか」

がとても大切。

先ほどの営業の例で言えば、
「自分で営業パーソンとして目標数字を達成できて、数人のマネジメントして」という人よりも

「今まで5社経験しているけど、高単価商品も低単価商品どちらでも圧倒的に売上をあげられる。しかもtoB向けでもtoC向けでも関係なく売れる。」

みたいな人や

「5人のベンチャーを上場するところまで大きくもしたし、1万人の企業で新規事業も立ち上げた。数億のような小さい事業でも数百億の事業でもどちらも作れる

などのように
いそうだけど、なかなか出来る人がいない、という力を持っている人って市場価値高いなーと感じます。

所属していた会社全てでどんな商材だろうが圧倒的に売れる営業の人がいたら、どの会社でも欲しいと思うんですよね。


階段式で積み上げていく考え方はもう辞めたほうがいい


もちろん私が言っているようなことも時代が変われば、希少性がなくなってしまいます。なので狙って希少性を作りにいくことが必ずしも成功するとは限りません。

ただ、今までのように「プレイヤーやって、成果出したら次はマネジメントやって…」のように積み上げていくような階段式のキャリアが市場価値が高い、と呼ばれるようなことはないかな、と。

それよりもいかに「いそうでいない人材」×「でも多くの企業が欲しい人」になれるか、を考えていくべきだなと思います。

ちきりんさんがよく言っている「マーケット感覚」と同じですね。

ただ、人材業界や人事などに携わっている方でない限り、なかなか客観的に「希少性」があるかどうかなどわかりません。

本当は、定期的に相談できるヘッドハンターや人材エージェントがいるといいんですけどね。。。なかなか転職が具体的にならないと相談しても相手にしてもらえなかったり。。。

転職前提じゃなくて、個人の希少性を高めるための長期のアドバイザーとかあったらいいのかもなぁと。
今はそういう人にしっかり寄り添ってアドバイスしてくれるようなのないですしね。だからこそ、自分で考えないといけない分、よく言われてることに考えが寄ってしまってコモディティ化する、という一面もあるのかもしれません、と思いました。


今日は以上です。

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