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なぜ人材紹介会社から推薦が上がってこないのかを考えてみる【前編】

noteも久々の投稿になりました。最近は社内でいろんな人がnoteをはじめたりTwitterはじめたりと発信が増えてきて嬉しい限りです。

私が事業責任者を兼任しているCasterRecruitingでは50社以上のスタートアップ、ベンチャーに特化して採用業務をまるっと請け負うサービスを展開していますがその中で培ってきた採用のノウハウをお伝えしていこうと思います。

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今回のテーマは「人材紹介」。

多くの企業の方から「人材紹介を数十社契約しているんだけど推薦全然こないんだよね」という声が聞かれます。ヒアリングをするとそれはこないよ、と思うことが多いのですが今回はなぜこないのか?を人材紹介会社のカラクリを交えながらお伝えします。


まず人材紹介会社の方の声


以前よりお付き合いがあり仲良くさせてもらっている人材紹介会社10社程度の方に「ぶっちゃけどのくらいの会社に注力できるの?」というのをFacebook messemgerなどを通じて質問してみましたのでいくつかご紹介します。


Aさん:20社くらいかと
本当に大きいクライアント担当の場合は1社しか担当しないなどもあります
Bさん:現実は20社も無理だと思いますね
注力できるところは3-4社とかになるとは思いますが
Cさん:コミットできるとすれば3-5社で15-20ポジションもあれば限界と思います。この3-5社がニーズの濃淡と共に常時入れ替わっている感じですかね。
実際には案件をお預かりする企業数、ポジション数という意味では20-30社、50-60ポジション位は常に手元にあるような感じになっているのではないかと思います。


これ以外に10名以上の方に聞いたのですが、ほぼほぼ皆さん同じ回答でした。簡単にまとめると


1、だいたい人材紹介担当者1人当たり担当顧客は15-20社が限界
2、その中でも注力できるのは3-5社が限界

というのが現実的なようです。

これをもう少し紐解くと、注力3-5社というのは毎月この会社で1-2名を確実に採用決定し、それだけでも担当の予算が達成できるような状態を作り、残り15社程度は要件に合う人がいれば+αで提案する、のような構図なのではないか、と推測できます。

実際に上場企業であるJAC RecruitmentのIR資料を読んでもコンサルタントあたりの月あたり売上が203万となっており、だいたい毎月1名〜1.5名くらい採用決定を出していくというような生産性になっています。もう少したくさん決められる方でも月3名の採用決定くらいが妥当なのではないでしょうか。


仲良くさせていただいているInstの石野さんもコンサルタントが1人で年間1億の売上をできるコンサルタントは少ないし、すごいとおっしゃっていました。約月850万の売上を年間維持すれば年間売上1億とすると、ざっくり考えても年収500万円で紹介手数料を35%とすると。毎月5名採用決定をコンスタントに達成すると年間1億となるので、やはりだいたいはコンサルタント1名あたり毎月2-3名採用決定くらいではないでしょうか。(すごいコンルタントの方はこの比ではなくもっと多くの方の採用決定を出していると思いますが)



担当してくれているコンサルタントの注力企業3-5社に入っているか?



これをもとに考えると企業側としては担当コンサルタントの「注力3-5社に入っているか」というのが最も大事になります。

もう少し生々しく言い換えると「この会社に紹介すると毎月2-3名採用決定できる会社」だと思ってもらえるかどうか、ということです。

よく「10社以上頼んでいるので全然紹介来ないんだよ」みたいな声を聞きますが大事なのは「何社に依頼しているか?」ではなく、「何社の人材紹介会社から注力企業3-5社中の1社」だと思ってもらえるか、です。


さらに「ウチは年収が安いし紹介手数料も高くできないから推薦来ないんだ」と言う経営者や人事の方がいらっしゃいますが、この方達もあまり人材紹介会社のことをわかっていません。

人材紹介会社のビジネスモデル上、「内定承諾(入社)して初めて年収の30-35%程度の手数料が発生する」ビジネスなので、どんなに年収高かろうがどんなに手数料率が高かろうが、採用要件がめっちゃ厳しかったり日本に数人しかいないような人がターゲットだった場合は結局ビジネスが成立しませんのでうまみがないのです。

本質は年収でも手数料率でもありません。(もちろんビジネスが成立しないレベルで値引きとか要求したら、人材紹介会社の人も萎えるでしょうから結果的に推薦こなくなりますがw)


私が人事時代、さらには今50社以上の採用業務をアウトソース受けている中で人材紹介会社を使って採用計画を考えていく際は

「年収」×「手数料率」×「人数」×「決まりやすさ」

と要素を分解して対策を立てています。


ただこの中で年収、手数料率、人数というのはそんなに大きく変えられません。また多くの人材紹介会社の方と交流すればするほど、この3つの要素で「この会社おいしい!」と思ってたくさんの推薦を上げる、という人の方が少ないと感じています。

そうすると最も人事や採用担当が考えないといけないのは「決まりやすさ」を提供できるか、ということになります。


ここでいう「決まりやすさ」とは採用要件が低い、という話では決してありません。


それよりも

・担当者がめちゃくちゃコミットしてくれている
・イレギュラーの社内調整頑張ってくれる
・選考スピードや返答のスピードがめちゃくちゃ早い
・フィードバックが丁寧でわかりやすい
・根気強くターゲットなどの情報を提供してくれる
・面接に行った候補者からの評判がいい
・欲しい人材を一生懸命口説いてくれる
・ビジネスが魅力的で成長している
・ビジョンがよく、社内の浸透度も高い
・土日や夜の面接なども対応してくれる
・志望度がまだ上がっていない状態でもカジュアルに会ってくれる
etc


など、企業側の努力や運用の改善で「あ、この会社はこういう人を推薦したらいいんだ」とコンサルタントが採用要件が明確になったり、「この会社は本当に一生懸命採用やっているから力になろう」と思っていただいたりできるか、というのがほとんどの部分を占めています。


ただし、ここまで細かく運用を気をつけている会社は残念ながらかなり少ないです。むしろ求人票送って「いい人いたら紹介してくださいー」で終わっているところがほとんどかな、と。それで推薦上がってくるわけないのですけどね...

だからこそ、担当のコンサルタントに「この会社はぜひ!」と思ってもらえるようなアクションや施策をどこまでやっているか次第で大きな差になっているというのが現状だなと思います。


「じゃあ具体的に何やったらいいの?」「ウチの会社はどうやったらいいの?」というのがわからないことも多いかと思うので、そのあたりはぜひ【後編】で具体的なアクション、施策やコミュニケーションの取り方などを書いていきたいと思います。(たぶん来週くらいにはw)



後編を待たずにすぐに教えて欲しい!ウチの採用なんとかして!という方はぜひCasterRecruitingにお問い合わせいただくか、FacebookやTwitterまでご連絡ください!


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