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兵庫CS 全頭診断

割引あり


評価はSABCDの5段階。
Sは該当馬、勝利級の馬
Aは該当馬、連対級の馬
Bは馬券になる確率がある馬
Cは展開次第で馬券になる程度の馬
Dは今回厳しい馬

1.チカッパ
評価:B
 新馬戦は芝で2着も二戦で芝に見切りをつけてダートへ参戦。そこからは掲示板を外さない安定感で前走は昇竜Sを勝利。先行力は見どころたっぷりで内からスルスルと進めれば勝機アリ。

 米国で育まれた血統で、母ユニキャラは米国から輸入されJRAでは10戦1勝。同馬は初仔にあたる。近親にはサンランドパークダービー(G3、1800m)を勝利したCutting Humorがいる血統。スピードに優れた一族で、母の唯一の勝利が1000mだったのもそれを示している。
 リアルスティールを父に迎えた本馬は不器用になった印象で、ブレーキをかけような競馬が母以上に逃げてな一本調子な馬に変化。そのため、外枠でゆったりと一定のペースで先行するのがベストマッチ。前走は短縮・外枠・小頭数という条件が揃った結果の勝利であり、内枠で揉まれた時にモロさが露呈する可能性も。相手候補の一頭止まり。

2.リケアサブル
評価:D

 昨年6月に門別で新馬戦を勝利すると7月には高知へ移籍。以降勝ちきれない競馬が続いたものの、ネクストスター高知や金の鞍賞2着など高い実力を見せていた。年明けは兵庫に狙いを定めると兵庫ユースC、ネクストスター西日本を連勝。吉原騎手に手が戻ってJRA勢に一矢報いる公算も。

 半兄ワールドタキオンはエルムS2着、福島民友C勝利など中距離よりの適性を見せたほか、近親には京都金杯3着のマイネルメリエンダがいるなど、牝系の距離適性はもう少し長そう。
 ただ、父にベストウォーリアを迎えたことによって距離適性が短距離に向いた可能性が高い。また、スピードの持続力に優れた父にミスプロの多重クロスが入り、スピードは相当なモノになっている。
 その能力と引き換え?に気性の荒さは相当のレベルまで高まっており、内枠は割引要素に。揉まれ弱さを秘めている可能性が高く、前走よりもスピードが上がるのも疑問符。厳しい戦いになりそう。

3.エートラックス
評価:A

 同馬もダートへ転向して以降活躍を続け、3戦目で初勝利。その後は1勝クラスとオープンを連勝。格上の風格を漂わせる。ここ二走は逃げていないものの、本質的には逃げても強さを発揮できるタイプ。鞍上が促せば逃げもあり、逃げ切りにも注意が必要。

 牝系は米国からやってきた系統。産駒は多く存在している一族ではあるものの、目立った活躍馬に恵まれていない。本馬が1番の出世頭となっていると考えても差し支えないほど。父ニューイヤーズデイとしても出世頭であり、期待を二重に背負っている。
 また、距離の変化でやる気を出すタイプで短縮の時は勝負強さを発揮している。前走と似たようなテンの入りよりも変化がある方が活躍するタイプ。これは父の産駒特性の一つ。内枠でも逃げて前走と変化をつけたテンの入りならば今回も主役に浮上。ただし、揉まれた場合には不安も残る。

4.ダイジョバナイ
評価:D

 園田叩き上げでここまでのキャリア9戦で5勝。昨年秋のネクストスター園田では4着と惜敗したものの年明けに行われた兵庫ユースCは3着と少しずつ成長が見られている。兵庫勢との比較ならばチャンスもあるが、ここはメンバーが揃い過ぎている印象で厳しさは拭えない。見送り賢明か。

 近親にはダイヤモンドSを制したウイングランツ。柔軟性のある牝系で、距離に融通が利くタイプも多い特徴を持つ。母は中距離で実績も産駒は短距離から中距離まで幅広い範囲をカバーしているのもそれを示している。
 本馬は父にファインニードルを迎えたことでその短距離適性が高められた印象。同時にサンデーサイレンスの4×3が入り、渋太いタイプが生まれた。キャリアのほとんどが逃げて実績を残しているが、渋太さが光っての結果。スンナリ番手ならばチャンスありも今回のメンバーでは?

5.イーグルノワール
評価:S

 ダート転向でいきなり初勝利をゲットすると以降も2歳短距離ダート戦線を牽引。プラタナス賞では羽田盃馬アマンテビアンコを撃破、兵庫Jr勝利、全日本2歳優駿も2着とその実力は疑う余地はない。前走も距離適性ならば度外視でき、今回は復活に期す。

 4代母スキーパラダイスは吉田氏所有でムーランドロンシャン賞を勝利した社台ゆかりの血統。近親にはシルヴァーソニックやキャプテントゥーレなどが並ぶ。ダート適性も抜群で、兵庫Jrを勝ったゴールデンチケットや、ロワジャルダン、ショコラブランなどのきょうだいが近親に並ぶ。
 父ブリックスアンドモルタルもダート適性が高く、芝は短距離専門もダートならば中距離までこなせる。芝ではスピード不足でもダートならば高レベルのパワーとスピードを持ち合わせていることを示しており、短距離でも安定して先行できるのはその辺りが出ている。適距離はマイルの感もスピードの中にもパワーが強く出ており、スピードの持続力は目を見張るものがある。それだけにここは適距離で大崩れは想像しにくいところ。好走に期待がかかる。

6.エコロガイア
評価:A

 外国産馬で夏場は芝に挑戦も勝ち切れず。そこからすぐにダートに切り替えると未勝利戦を突破。1勝クラスも2戦で突破しオープンクラスに入ると、重賞初挑戦のブルーバードC2着。海外行きが外傷で頓挫したが、デキ落ちはなく至って順調。鞍上がとんぼ返りしてくる期待でここから入る手。

 米国産馬らしく近親馬はとにかく豪華。スーパーセイバーはケンタッキーダービー馬、ブルーグラスキャットはハスケル招待H(ダ1800m)を勝利、ドラメディはエルクホーンS(G2)を勝利するなどマイル〜中距離での活躍が目立つ。
 そこに快速馬Speightstownを父に迎え入れた本馬はミスプロの多重クロスも入って距離に融通の効くタイプに成長。芝短距離からダート中距離までが守備範囲に。そのため、先行馬が多く持久力が試される展開になれば浮上は間違いなく、レース展開を考えれば外すことのできない一頭といえる。馬券の軸レベルの信頼。

7.ギガース
評価:C

 船橋叩き上げの本馬はデビュー戦を勝った後順調にキャリアを伸ばし、ニューイヤーCを勝利。雲取賞では7着と敗退もネクストスター東日本では勝利を挙げ、短距離界No.1に成長してみせた。南関有数の実力馬で馬群も厭わないだけに、混戦ならば浮上する。

 2代母は牝馬重賞4勝のダイヤモンドビコー。近親は南関東での好走馬が多い。牝系をさらにさかのぼると米国G1で活躍した産駒が目立つ。その多くがマイル近辺での活躍であり、短距離を走るスピードの下地は整っている。
 そこに父マジェスティックウォリアーとなった本馬は短距離というよりも14以上の短中距離帯が得意なタイプになる配合。揉まれ弱さを同居させてしまうが、その分ゆったりとした地方の流れならば力を発揮させやすい。今回はJRA勢の中でまともに走れるかがカギで、マイペースに走れば恐ろしい一頭にあることは間違いない。

8.ダイボウケン
評価:D

 2歳8月からコンスタントに走ってはいるが初勝利は先月。地元のA級(準オープン)でも苦戦を強いられているところを見れると今回も展望が望めず、厳しい戦いになることを否定できない。

 近親には朝日杯FSを制したコスモサンビーム。母ムーンエクスプレスもフィリーズレビュー3着と実績を残してはいるが、本馬にはその成長力が伝わっていない様子。スピードは水準並みにあるが、それだけでは強調できない。
 父サンダースノーを迎えて晩成に向いてしまったことも否定できず、完成はまだ先の印象。馬体重を増やして筋肉増強が目下の課題でこのレース上位争いをするまでには至らない。

9.クルマトラサン
評価:C

 新馬戦は名馬の基準ともいわれる1分0秒台の時計で圧勝。二走目のゴールドジュニアも2馬身差の圧勝劇。スプリント路線の中心に上がるかと思いきやそこからは惜しい競馬が続いている。馬の気性が若く、取りこぼしも多いが、相手なりに走れる自在性はある。スピードで先行すれば入着レベル。

 牝系は全体的にスピード感のある産駒が多く、短距離からマイルで早くに活躍。近親には英国でも活躍した Alhaarthが芝7FG1デューハートSを制している。そういった意味では本馬が短距離重賞を勝利したのも頷ける牝系。
 そこに短距離地方ダートに適性を見せる父ベストウォーリアを導入したのだから、短距離適性は抜群。Seattle Slew系によくみられるストライド走法で走るタイプであり、持久戦ならば相当の力を発揮する。コースへの対応力がカギになるが、ハイペースならば流れ込んでの3着も見える。

10.クラウドノイズ
評価:D

 スピードを武器に逃げの手を取りここまで5勝。それでも重賞戦線では苦労が続いており、ネクストスター園田3着菊水賞2着があるのみ。逃げの手は打てそうでもそこから先は不透明。

 伯父にあたるジュンサザンクロスは浦和でデビュー後ゴールドジュニアーや優駿スプリントなどに挑戦。母系の祖はスーアで、欧州に起源をもつ。枝分かれした近親にはソーヴァリアントの一族もいるが、全体的にはスピードタイプの牝系。
 父ロージズインメイはドリームバレンチノを筆頭にウインムートなど、短距離の交流重賞を制している馬が並んでいるが、どちらかといえば持続力勝負をするタイプ。スピードを持続させるのが得意なため、行き脚という面では不安も残る。逃げられるかが最初の課題。

12.モズミギカタアガリ
評価:C

 門別の新馬戦を勝利して以降は苦戦が続いていたが、ブロッサムC6人気2着で波乱を起こすとエーデルワイス賞は外から鮮烈に差し脚を伸ばして大金星。南関東で活躍するスティールマジックを差し切ったその末脚は、短距離では脅威。

 4代母は阪神4歳牝馬特別(フィリーズレビュー)桜花賞を制したブロケード。近親にはアイビスサマーダッシュを制したサチノスィーティー、マーチS3着のナニハトモアレなど。ダート適性も短距離適性も問題はないが今一つパンチも足りない牝系。
 父をグランプリボスとなった本馬はサンデーサイレンスの3×3クロスが完成。スピードを持続させていくのが得意な傾向になっている。一気の差しは向いていないコースだけにプラスに働くかは?

兵庫CS見解分析


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