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皐月賞全頭診断・見解買い目

 こんにちはヒデです。皐月賞の全頭診断を書きました。予想の参考にぜひご覧下さい!

評価はSABCDの5段階。
Sは該当馬、勝利級の馬
Aは該当馬、連対級の馬
Bは馬券になる確率がある馬
Cは展開次第で馬券になる程度の馬
Dは今回厳しい馬


1.サンライズジパング


評価:C
 芝デビューも2戦目にはダートへ鞍替えしアンモシエラを破って勝利。その後JBC2歳優駿はフォーエバーヤングに一馬身半差まで迫る2着。完全にダート路線で主役級も芝に復帰しホープフルS3着、若駒S1着と活躍。二刀流として侮れない存在。
 近親には豪G1の勝ち馬Contributer。半兄のグランシエロも1800mで勝利を挙げているように牝系は中距離向きのマイラーといった印象。持続力を生かすのが得意なタイプ。
 さらに、母父系はハービンジャーなど、欧州や豪州で活躍馬を輩出したDanshiliの系譜で、パワーに富んでいる特徴を持つ。そこにキズナを父に迎えに入れたことから持続力は相当なもの。だからこそダートも持続力の問われる芝では好走していると推測。ならばここも勝負になる。

2.ショウナンタバル


評価:B
 デビューから勝ちきれないレースが続き初勝利は3戦目と遅かったものの、そこからは覚醒。京都つばき賞・毎日杯を連勝。特に前走毎日杯の1:46.0というタイムは毎日杯・ダービーを勝利した馬たちのボーダー1:46.2と言う時計をクリア。重馬場でクリアしているのだからその秘めたる素質は相当なモノ。中2週ならばこなす産駒も多く、末脚を伸ばせるその走りからも警戒が必要。
 父ゴールドシップは稍重の同競走などG1を6勝。特に皐月賞は"ゴルシワープ"と呼ばれた圧巻の走りを披露したのは記憶に新しいところ。
 本馬は4代続くメイショウ血統で近親馬には京都大賞典を勝ったメイショウカンパク、牝馬ながら野路菊Sを勝利したロンなど中距離での活躍が目立つ。
 持続力というところでもNijinsky5×5を内包しており問題なし。スピードはサンデーサイレンスの3×4でカバー。三冠レース全てで好走するだけの素質を持っている。ノーマークは危険と言える。

3.エコロヴァルツ


評価:B
 福島の新馬戦、コスモス賞と連勝し臨んだ朝日杯FSでは道中最後方から上がり最速の34.1をマークし2着。勝利も見えたが、年明け初戦の共同通信杯ではスローと見て先行策も末脚不発。5着に敗れた。1800mの実績豊富でジウ力的には劣っていないものの、不器用な面も介在しており、強気には推せない。
 近親にはキーンランドCなどスプリント重賞2勝のヴェントヴォーチェ。基本的にはJRAよりも地方競馬各場で活躍していることの方が多い牝系。パワーが勝っている牝系とも言える。
 そのスピード不足は父ブラックタイドを迎えて解決を図っている。ただ、実際にはスピードのサンデーサイレンスと持続の牝系が互いに足を引っ張りあっている現状で、中山への適性は?中団以下に構えればチャンスありも相手まで。

4.シリウスコルト


評価:C
 小回りの直線が短いコース適性の高さは筋金入り。新馬戦は福島で快勝、直線の長い新潟2歳Sは5着。その後、芙蓉S1着、ホープフルSは9人気ながら6着。同舞台のディープインパクト記念も逃げの手を打って3着に粘る好走を見せている。外目の枠から先行するのが好走パターンだけに内を捌けるかがカギ。鞍上好調な勢いを味方につけたい。
 母系は米中距離ダートに適性を持つタイプが多く、パワータイプ。そこに欧州ミスプロ系のマクフィを迎えたのでズブい分長い末脚が使えるのが持ち味。
 ただ、気性面に不安が残り、調教も折り合い重視に。前走ディープインパクト記念で▲を打ったのはその持ち味が活きる小頭数&外枠という楽な条件が揃ったから。今回は真逆の多頭数内枠。クロスも薄いうえ欧州のバランスも?で馬群の先頭などに立った際に注意が必要な程度。注文は多い。

5.ミスタージーティー


評価:C
 本馬のハイライトとなったのは新馬戦。一般的に先行が有利と言われる阪神芝2000mで上がり33.7の末脚を繰り出し追込み一閃。粗削りながら繰り出したパフォーマンスは将来のG1奪取すら予感させられた。しかし、その後はホープフルS5着共同通信杯7着と徐々に順位を下げる結果に。ただ、前走は鞍上の手替わり、再びの先行で権利獲得。精神面に課題は残るが素質は相当なモノでマークは必須。
 母リッスンは重賞馬を多く輩出しており、姉タッチングスピーチはローズSを、サトノルークスは菊花賞2着の実績。いとこにも良血馬が揃っており、阪神JF覇者のアスコリピチェーノ、英2000ギニー覇者のHenrythenavigatorなど各地の若駒〜3歳戦線の覇者が揃う世界的良血馬。
 父ドゥラメンテと母父系サドラーズウェルズというのもタイトルホルダーと同一で母母父がNever Bend系であることも共通。過去の血統傾向を踏まえれば構想しても不思議ではない。
 気性面に不安が残るため、内枠というのは不安が残るため、内でマイペースに先行の形という注文はつくものの、入着の可能性は高く年末の借りを返す時か。

6.アレグロブリランテ


評価:D
 新馬戦V後は⑤②②と堅実に駆けて皐月賞への切符をゲット。堅実な反面決め手に乏しく、先行して粘りこむレースになりがち。逃げや先行馬も揃った今回も前走のような競馬をするかは疑問符が残り、アテにはしづらい。
 父はダービー覇者で皐月賞も先行して3着に粘ったディープブリランテ。近親には天皇賞・春を制したアドマイヤジュピタや青葉賞を制したアドマイヤジュピタで距離適性は中距離以上。血統表にはディープブリランテを筆頭にリアルシャダイやフレンチデピュティなど中長距離に秀でた血統が並んでいるだけに狙いはここではない感。今回は過度な期待はできない。

7.ルカランフィースト


評価:D
 新馬戦は先行抜け出し上がり最速とワンサイドゲーム。その後京都への遠征で大敗したが、若竹賞1着スプリングS3着で皐月賞へ。その間若竹賞は差し、スプリングSは先行と脚質にとらわれない器用さも持ち合わせている。枠はいいものの、それだけで押し切るのは注文がつく。
 父イスラボニータは10年前の皐月賞馬。本母父マンハッタンカフェは菊花賞馬。クラシックに縁のある血統ではあるものの、近親馬には活躍馬なし。また、欧州要素も少なく今の皐月賞には向かない可能性が高い。サンデーサイレンスの3×3はこのレースに向きそうでもそれだけでは評価できない。厳しいか。

8.ジャンタルマンタル


評価:C
 デビューこそ10月と遅かったものの、2馬身半差の快勝。大器の片鱗を見せるとデイリー杯2歳ステークスでも勝利、そして年末の朝日杯FSをも制覇と連戦連勝。しかし、前走共同通信杯ではチグハグの競馬となり2着。距離不安を残すが、2歳王者として復活を期す一戦となる。
 父パレスマリスは現役時代12F(約2200m)のベルモントSを制したものの、産駒は8Fが中心。同父ノーブルロジャーもシンザン記念(1600m)を制したものの、毎日杯(1800m)はメイショウタバルに6馬身差をつけられた2着。本馬の共同通信杯と並べても距離に限界があるのは明白。強気にはなれない。今回は思い切って見送るのも手。

9.アーバンシック


評価:B
 札幌新馬戦では勝利も抜けた存在ではなかったが、百日草特別では3人気ながら上がり最速で勝利を挙げると年明け初戦の京成杯でも2着と地力を見せた。二走目からは差しに徹しているが、東京中山問わず上がりを出せているのには好感が持てる。メンバーはかなり強力になったが、一撃含み。
 父スワーヴリチャードは皐月賞7着と目立った戦績ではないが、欧州の血が足りなかった印象。本馬は4代母にウインドハーヘアがおり、もちろんディープインパクトは近親にあたる。加えて母父はハービンジャーと欧州系を詰め込んだような牝系。
 スワーヴリチャードの瞬発力と欧州系の牝系、Lyphardの5×5が入っている本馬は皐月賞への適性は高く、一撃があっても不思議ではない。

10.レガレイラ


評価:B
 新馬勝ち、アイビーS3着と牝馬としては十分なキャリアを積み上げていたものの、年末には牡馬混合のホープフルSへ挑戦。出遅れながら鋭い末脚を繰り出し牝馬初の勝利をもぎ取った。今回は鞍上問題にも揺れたが、前走の斤量1キロ減から2キロ減に変わるのはプラスだし、末脚が安定しているのも魅力的。脆さを露呈しなければ78年ぶりの偉業も。
 父スワーヴリチャード、母父ハービンジャー、4代母にウインドハーヘアという血統構成は同枠アーバンシックと全く同じ血統構成。母が姉妹という間柄。Lyphardの5×5、という組み合わせは昨年の覇者ソールオリエンスと同じ。サンデーサイレンスのクロスはHaloのクロスが入っていたクロスを見ればイクイノックスと大差のない形。血統面からは不安が見当たらないがホープフル1発では全幅の信頼を置けない。

11.ホウオウプロサンゲ


評価:D
 逃げたら渋太さを見せる。この馬のハイライトはアイビーS。レガレイラよりも一つ上、2着を確保。素質は確かだが、それが開花していないような状態。前走若葉Sも逃げて2着確保も今回のメンバーとは力の差が大きく、逃げられる可能性も薄い。現状では重視することができない。
 母セルキスは半兄に皐月賞でアタマ差2着のヴェロックス。Monsunの血が入っているのが示す通り、ドイツ血統。元々持続力を追求している中で父キズナで牡馬というのが完全に瞬発力を消した持続力特化型の血統構成に。故に逃げなければ厳しく、今回は陣営も逃げ宣言。しかし、強力な同型の存在がそれを阻みそう。逃げられなければ脆く、過度な期待は酷。

12.コスモキュランダ


評価:C
 デビューは意外に早く6月。初勝利までに時間がかかり、その後もクラスが上がってG3は8着、1勝クラス2着。勝ち味に遅いタイプかと思えば前走のディープインパクト記念で快勝。出遅れ癖はあるが、坂でも衰えない末脚が武器で、前走も捲って行って上がり2位と大器の片鱗。勝ち味に遅い点については解決しておらず注文がつくが、相手ならば。
 17年に皐月賞を制したアルアインの初年度産駒。アルアイン自体はディープインパクト×母父AP Indy系という血統構成で、父母父のAlzaoがいい影響を与えていたと思われる。
 母サザンスピードはコーフィールドCを制した名牝。豪州やニュージーランドから影響を受けている牝系で、やや欧州味が足りない傾向。アルアイン的には2000mがベストも牝系を見るともう少し距離は欲しいところ。前走は間隔も適度に空いており力を発揮できたと考えるべきか。

13.ジャスティンミラノ


評価:A
 晩秋の東京でデビューを迎えると現在連勝中のヘデンドールを破って快勝。そして年明け初戦となった共同通信杯ではパレスマリスなど朝日杯FS連対馬を蹴散らして重賞初勝利。今回は初めての右回り、急坂と解決すべき問題は残っているが、まだ底を見せておらず注目。
 母マーゴットディドはイギリス5FG1ナンソープSを制覇、半姉Mission Impassibleは仏マイルG2サンドリンガム賞を制覇と短距離牝系。キズナを父に迎え入れており、意図的にダービーを狙った配合。この牝系の素軽さがキズナ牡馬らしからぬ馬が誕生したと考えられる。その血統構成は先週桜花賞3着だったライトバックと多くが共通しており、急坂も問題ないと見た。ノーザンダンサーの多重クロスも内在しており、皐月賞に向かない血統構成でもない。メンバーは強力でも好走に期待がかかる。

14.シンエンペラー


評価:A
 フランス産馬初の皐月賞出走。凱旋門賞馬の全弟という肩書きでデビューした本馬はその二つ名に恥じない活躍でデビュー2連勝で京都2歳Sを制覇。ホープフルSは気性に幼さが残る競馬ながら2着となり、年明け初戦のディープインパクト記念も2着。馬体はだいぶ完成も気性的な完成はもう少し先で脆さが出なければ今回も有力。
 血統面はまさしくワールドスケールで完成が待たれる段階。皐月賞に合わないかと言われればそういうわけでもなく、差しに回れば昨年のファントムシーフのように飛んでくることも可能。サドラーズウェルズは皐月賞と相性が良く、昨年はソールオリエンス、古くはテイエムオペラオーも勝利。勝ちきれないがそれでも3連系ならば軸に最適。

15.サンライズアース


評価:B
 新馬戦は逃げ切りも2戦目すみれSでは捲りに行く大味な競馬で勝利。脚質には融通の効くタイプ。基本的には負担のかからないようにマイペースで運んでいくタイプだけに、今回は同型馬との兼ね合いがキーポイントに。
 半兄にはダイオライト記念やみやこSを制したセラフィックコール。近親にはシュヴァルグランやヴィブロスの一族で、RahyやジャパンC制覇のシングスピールなどもいる国際的な牝系。欧州の血は牝系に溢れており、そこに父レイデオロがハマればウインドハーヘアやキングマンボなども入り欧州血統展覧会の様相に。
 それ故、スピードは劣るため逃げというのは厳しいほか、NureyevやHalo、それにMr.Prospectorのクロスが内在しており、気性面にも課題を残す。持久力戦になれば台頭してくる相手候補か。

16.ダノンデサイル


評価:D
 新馬戦は目立たぬ4着もその後は好走と善戦を繰り返し、前走は京成杯を制覇。先行しての粘り腰はハマれば怖いが、どうしても同型馬との兼ね合いが重要に。今回は外枠からマイペースが条件。
 母トップデサイルはBCジュヴェナイルフィリーズを制覇。姉はそこまでの活躍はないものの、姉スタティクスは芝中距離で2勝と母よりも距離適性は長そうな印象。父にエピファネイアを迎えた本馬は多少欧州系を入れることに成功しているものの、まだまだ薄い印象。今回走るかは疑問符が残り、強気にはなれない。ロベルトのクロスに一縷の望み。

17.ビザンチンドリーム


評価:B
 後方からの追い込みという大味な競馬でデビュー2連勝。前走はきさらぎ賞を制覇。新馬戦は阪神芝
2000mで差し切り勝ちと小回りコースにも適性を見せているし、距離が戻るのも問題なし。秘めるポテンシャルは高い。
 牝系を辿っていけばフサイチエアデールがおり、近親場にはフサイチリシャール、ノームコア、クロノジェネシスの姉妹もいる豪華な良血一族。本馬はトニービンが母父系に、エピファネイアが父に入って欧州系を補完。サンデーサイレンス4×4、ノーザンダンサーの5×5が内包しており、現在の中山競馬場に高い適性を誇る可能性も。爆発力はメンバー中上位で、抑えるに越したことはない一頭。

18.ウォーターリヒト


評価:D
 新馬戦から一貫して芝の中距離を走り4戦目で初勝利。その後はシンザン記念で17人着3着、きさらぎ賞は10人気2着と激走を繰り返したが、人気を背負ったスプリングSでは2人着9着と大敗。中山適正に疑問が残る形で臨む結果に。現状では厳しいか。
 祖母マチカネハヤテは芝1200mで5勝。近親には中距離で活躍したサンライズソアなどはいるものの、コイウタやオメガヴェンデッタなど短距離で活躍した馬が多く、短距離牝系と言っても差し支えない。伯母にレッドアネモスがいることからも主戦場はマイル近辺になる可能性は高い。父ドレフォンもヴィクトワールピサも同競走を制しているが、この組み合わせ、ミスプロのクロスを内包と考えればマイルに向いてしまっていても致し方無い。今回は見送りが賢明か。

皐月賞 ヒデの見解と買い目

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