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雲取賞分析&全頭診断

割引あり

 こんばんは、ヒデです。全日本的なダート路線の整備が行われた24年、南関東に3歳ダートグレードが拡充されました。いわゆるクラシックロード開放です。
 すでに1月にはブルーバードカップが施行されていますが、2月は雲取賞が行われます。東京都の最高峰である雲取山から名付けられた競走です。
 長らく準重賞だった雲取賞は19年に重賞に昇格。そこから5年でダートグレードへと昇格しているのですから、まさに"出世"レース。
 早速見ていきましょう。それでは本日もよろしくお願いします!

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1.傾向分析

・枠脚質傾向

Check:外枠が有利
→過去5年は19年を除いて4年連続で7枠以降が勝利しています。全体的に外枠が有利にな傾向。
 基本のセットとなっているのが6枠以降の馬2頭と内枠の馬1頭の形。これも過去5年のうち4年で出現していました。

Check:先行勢有利
→外回りコースの施行もそこまで差しは決まらず。先団につけての形が基本になります。
 穴を開けた馬も先行馬が多く、19年13人気3着のカジノフォンテンは3-3-3-2で先行、20年8人気2着のファルコンウイングも1-1-1-1で逃げ馬でした。
 前目につけている馬を有利に捉えたいところです。ただ、今の大井は追込みも決まりますので馬券の相手には追込み馬を入れて良いかもしれません。

ローテー傾向

Check:重賞出走経験のある馬
→クラシックに向けて外せない一戦であるため、重賞に出走した経験のある馬の方が有利に。
 重賞はダートグレード(JBC2歳や全日本2歳優駿など)や南関重賞(ハイセイコー記念やニューイヤーCなど)、それにホッカイドウ重賞(サンライズCや栄冠賞など)に出走してきた馬が中心になっています。
 今年もダートグレードに出走している組を狙っていくのが無難になりそうです。

・血統傾向

Check:米国系の馬
 結果を残しているのは米国系の馬、それもStorm Cat系が好走を果たしています。昨年のマンダリンヒーローを筆頭に好走率は高く、有力馬にStorm Cat系がいれば堅軸とみて間違いありません。
 米国系が穴を開けるのは当該のStormCat系のほか、AP Indy系も同様。前述のカフジフォンテンなど、好走ケース多数です。

Check:馬場傾向からの刺客はKingmambo系

 今の馬場傾向からはKingmambo系も侮れないところ。穴も開けており、妙味が多いと言えます。

2.全頭診断

評価はSABCDの5段階。
Sは該当馬、勝利級の馬
Aは該当馬、連対級の馬
Bは馬券になる確率がある馬
Cは展開次第で馬券になる程度の馬
Dは今回厳しい馬

1.ギガース

評価:B
 今年のニューイヤーCを制した森騎手イチオシの馬。「一緒に走りたがるところがある」とはニューイヤーC直後の談話。幼い一面も残しています。
 上の談話はつまり馬込みでも力を発揮することができるということです。マジェスティックウォリアーの産駒は闘争心が高いタイプが多く、この馬もそのタイプではないかと思われます。
 多頭数が初めてで心配な点もありますが、南関の有力どころとして馬券内を考えても良い一頭です。

2.ローリエフレイバー

評価:C
 昨年の2歳女王。年末にはマイルの東京2歳優駿牝馬を快勝。今度は牡馬の一流どころと相見えます。南関勢有力どころの一頭です。
 ただ、評価が低いのは内枠に入ってしまったところ。この馬は気が悪いところがあり、囲まれてしまった時にどうなるか未知数。高評価は難しいところがあります。
 ただ、父マジェスティックウォリアー、母父ネオユニヴァースは共に内枠有利の闘争心高めタイプ。それだけに内枠がこなせないとも思えません。一発の妙味はありますが、それにしては人気すぎます。

3.ボクノオクリモノ

評価:D
 ダート路線改革元年。その舞台に立たせるということが重要な参戦に見えてしまいます。若手のホープ谷内騎手を乗せていることが何よりの証拠。
 昨年の12月初週開催から休みなく使い込んでようやく勝利したのは前走の十三・十四組(一組が最高)。いきなりこのメンバーでは今後の資金石に参戦してきたとしか言いようがありません。
 また、内枠よりも中枠以降で好走できるタイプ。内枠に入った今回はそう言った面でも好走できるか未知数です。成長途上でしょう。

4.トーセンヴィオラ

評価:D
 隙あらばトーセンヴィオラ。それくらい出走を続けている一組(実質OP)の常連。ただ、南関でも実力はそこ止まりで、昨年にはローリエフレイバーに4.5秒負けています。広い大井コースの適性は?
 マクマホン産駒は確かに内枠が得意であり、この馬も新馬戦2番枠から勝利を飾っています。前走の青鵐特別でも内枠から実力馬を完封するなど、一発の妙味はあります。
 ただ、レベルの裏付けはなく、広いコースも疑問符が残るならば今回推せるポイントも少ないのも事実。静観妥当でしょうか。

4.ブルーサン

評価:B
 新種牡馬モーニンの産駒。ただ、裏付けがなく推すことはできません。一つはいきなりメンバーレベルが上がってしまうこと。勝ったメンバー、戦ったメンバーがそこまで上位陣ともいえず、今回のメンバーはかなり強化されてしまっているのはマイナス。
 前走は内枠から勝利しましたが、本質的には外目の枠を好むタイプ。これはモーニン産駒全体の傾向。今回はフルゲートで逃げられなければ厳しい戦いになりそうです。
 もちろん逃げられればコースや馬場相性的に残れる期待も大きく、馬券内ならばチャンスもあります。勝ち切ることを考えなければ、相手としては面白い一頭です。

6.クルマトラサン

評価:C
 大井1200m重賞ゴールドジュニアを制した馬で、その勝ちっぷりは今年の3歳スプリント路線の主役に躍り出ました。ただ、その後は③②と勝ちきれず。
 だからこそ短距離がメインで出られるレースが限られているように思います。特に船橋1000mのデビュー戦を1:00.4で勝てたのは大物を予感させるパフォーマンス。内枠から馬群に入った先行ができればグングンと伸びてくる可能性があります。
 それをこなすためには注文が多く、必ずその戦法が取れるかは分かりません。特に今回は強力なJRA勢も加わりましたから難易度は上がっています。だからこそC評価。

7.マオノアンコール

評価:D
 未だ未勝利と南関のマジックで出走に漕ぎ着けました。当然実力的にも数段足りないのは戦歴から見ても明らかです。こういう言い方をするのは良くないですが「記念出走」という側面は拭えません。
 また、バトルプラン産駒ですから、内枠よりも外枠で狙いたいところ。ここまで勝ち味に遅く、尚且つ血統的にもプラスが少ないのであれば静観妥当。馬と騎手等のファンの方には申し訳ない評価になりました。

8.ウルトラノホシ

評価:B
 
まさしく佐賀の星。前走はブルーバードCつまづきながら4着。素質はかなりのものがあります。今回も地方の名手石川倭騎手が継続騎乗することからも期待の表れが見えます。
 ホッコータルマエ産駒の牡馬らしく雄大な馬体でトビも大きいタイプであるだけに、大箱の大井コースの適性も見込めます。馬群に入って気難しいところが出なければかなり有力な一頭といえるでしょう。

9.アマンテビアンコ

評価:B
 早熟でお馴染み白毛一族。この馬も新馬戦はまさに「仕上がりの違い」を見せつけての勝利。差し切った姿は大物を予感させるものでした。
 ただ、その後はカトレア賞でイーグルノワールに不覚を取るなど、不安が残ります。この時の敗因は外枠に入ったことか延長ローテが影響したか。私は後者だと思っています。
 前走よりもテンのスピードが遅いと凡走率が高くなるのならば、今の時計のかかる大井競馬場で初の一周競馬、と不安が多く残るところ。
 馬券になるためにはこれら全ての注文をクリアしなければなりません。かなり課題が多くこの評価にしました。

10.ライゾマティクス

評価:C
 過小評価の塊。南関重賞を買うときはぜひライゾマティクスを覚えておいてください。予想以上に走ります。安定感は抜群です。
 なぜ人気がないかと言えばルーキーズサマーCで人気を裏切ったから。強烈に印象として残っているのでしょう。
 Constitution産駒ということでTapitを介したAP Indy系。中枠ではありますが、この馬の強さを発揮するには足りる展開になりそうなのも事実。レース傾向的にもいいですから、展開次第ではありますが期待がかかります。

11.ピコニ

評価:C
 南関東、もとい大井では評価のかなり高い馬。ダテノショウグンかピコニか…というのが2歳シーズン初期の評価でした。
 実際にこの馬もその期待に応える走りをしており、キャリア2戦目となったゴールドジュニアでは出遅れながら追い上げて4着。前走も発馬一息も道中大捲りで終わってみれば2.6秒差の圧勝。格付有利な面は拭えませんが、それにしても圧巻のパフォーマンスと言える戦いに。
 シニスターミニスター産駒でもう少し内枠が欲しかったのが本音で、馬群に入り込むとなれば必然的に前走のような捲りが必要に。
 ペースが上がった時の体勢には未知数の部分も多く馬券の軸とはいきません。たま、道中の動きかた次第で進出可能ではあります。

12.マイケルマキシマス

評価:D
 ダノンレジェンド産駒で仕上がりが早く、新馬戦ではこちらも川崎の有力どころのアジアミッションを撃破と実力は劣っていません。前走のJRA交流でも4着と実力を示しているのも心強いところ。
 ただ、休み明け後は中々勝ちきれておらず、抜け出してから遊んでしまうところも。実際に二走前はそれで追込みに屈しています。
 ダノンレジェンド産駒の強みは先行して粘り込みを果たす走り方。いわゆる勝負根性が高い産駒が多いと言うことになります。強敵相手に持ち前の勝負根性を見せられればいいですが、それも未知数。
 テンの早いタイプでもないですし、差しに回ると良いとは言えません。割引が必要です。

13.イーグルノワール

評価:S
 
実力は文句なし。相手不在の堂々軸候補。この馬が飛ぶことは暴動の起きるレベルではないでしょうか?
 ブリックスアンドモルタルは良血馬が多い故に地方の出走はありませんが、それでも11回参戦して4勝。高い適性を見せています。
 この馬もプラタナスSを勝利した後、地方初参戦となった兵庫ジュニアGPでサトノフェニックスを競り落として勝利。前走全日本2歳優駿は勝ち馬が強かったものの、2着を確保。
 今回のメンバーレベルだとやはり頭一つ抜けていると言えます。ここは堅軸として期待したいところ。

14.フロインフォッサル

評価:D
 2歳一組では堅実な走りを見せていましたが、前走ニューイヤーCでは5着と今ひとつな成績に。そして今回は初の右回りと不安要素が盛りだくさんに。
 直線の短い浦和コースで差しに回ったことは評価できますが、それをどこまでこの相手に出し切れるかは未知数で不透明。
 推すポイントがあるとするならばドレフォン産駒であるということ。意外に今の馬場に合うタイプなんですよね。それだけではありますが、血統妙味を考えると面白い一頭かもしれません。

15.イモノソーダワリデ

評価:D
 北海道では三組(1勝クラス)で3着や選抜の認定ウィナーズで2着がありますが、地方競馬勢の中で実力が抜けているとは言えません。
 大井初戦となった前走も三組で3着とまだまだ力が足りない様子。外枠のキンシャサノキセキ産駒で面白さはありますが、そこからの上積みがないのは気がかり。軽視が妥当でしょう。

16.サンノーレ

評価:A
 
昨年産駒デビューエピカリス産駒最大のヒット。10月に南関東初戦(当時は北海道・田中淳厩舎)の鎌倉記念を先行押切で快勝すると、12月の全日本2歳優駿ではイーグルノワールから2馬身半差の3着。現状世代最強の地方馬はこの馬です。
 エピカリス産駒は父父ゴールドアリュールの産駒よりも砂を被るのを嫌がる傾向にあり、内枠スタートは絶望的。この馬も鎌倉記念V後のOPで大敗しており、米国系的な要素が多くなっていると言えます。
 ならば今回のような外枠は歓迎で、番手さえ取れればイーグルノワールを逆転しても不思議ではありません。クラシックの中心を担う決意は固く、南関へ移籍。移籍緒戦は勝負かもしれません。

見解・買い目

大井11R   雲取賞

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