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ダイオライト記念分析&全頭診断

 おはようございます、ヒデです。古馬交流重賞も佐賀記念、かきつばた記念と行われいよいよ南関でも施行がスタート。国内最長交流重賞のダイオライト記念が行われます。
 固く収まりがちな交流重賞にあって波乱含みの珍しい競走。22年には地方馬ノーヴァレンダが勝利、エブリワンブラックが2着と連対圏内に人気薄が飛び込み三連単21万オーバーの配当に。
 今回も傾向分析と全頭診断でお楽しみください。


1.傾向分析

枠・脚質傾向

Check:一年で傾向様変わり外枠有利
→22年の11月末から新砂である豪州産珪砂を使用している船橋競馬場。交換直後は内枠有利の傾向も出ていましたが、一年を過ぎた昨年の12月に行われた9回開催あたりから外枠が有利になってきています。
 今開催も外枠の馬が連勝するなど外枠有利は継続。傾向が砂入替前に似てきています。外枠有利と考えておくのが良さそうです。

Check:直線一気など夢のまた夢。堅実に前へ
→スパイラルカーブを採用している船橋競馬場。入り口が緩く出口がキツいコーナーは馬群をバラけさせる効果がありますが、思いのほか差しは決まらなくなる欠点も。
 結果、直線が300mあっても前々で運んだ馬が有利な傾向に。ただ、2周目の3角あたりから長いスパート力が必要になりますので、前にいても飲み込まれる可能性も。22年のメイショウカズサなどはコレに該当します。長い末脚を使えるタイプを狙っていくべきです。

ローテー傾向

Check:マストで欲しい2000m実績
→昨年までの通例だった川崎記念はこの競走の1ヶ月後に変更、その初年度であることからこのローテーションの馬を狙え!とは言えません。
 そこで狙いたいのは阪神2000mなど2000m以上のダートで実績を残した経験です。昨年馬券になった3頭はいずれもダート2000m以上のレースで実績があったことからも明らか。
 穴を開けたエブリワンブラックも実は阪神ダート2000mで3勝を挙げる同距離帯は得意でした。適性が大事だと言えます。

Check:報知オールスターCと金盃好走馬
→地方勢は報知オールスターC(川崎2100m)や金盃(大井2600m)で実績を残した馬が好走する傾向にあります。
 その最たる例がノーヴァレンダ。全日本2歳優駿の王者は南関東移籍後、報知オールスターCを快勝すると次走ダイオライト記念でも逃げて後続を完封。その時の5着も金盃を制したセイカメテオポリスとこの2競走を好走した馬は勝負になります。

血統傾向

Check:ダート中距離の王道は芝血統
→ダートは2000mを超えると途端にサンデー系やKingmambo系が走りやすくなるとはもう何度も言っていますが、この競走も同様。
 昨年勝利したグロリアムンディはキングカメハメハ産駒、一昨年穴を開けたエブリワンブラックもブラックタイド産駒。そして三連覇を果たしたクリソライトもゴールドアリュール産駒(母父エルコンドルパサー)とこの傾向は崩れていません。今年も中心になるのはこの系統か。

Check:ミスプロ系は評価してOK
→唯一米国系で何度も好走しているのはミスプロ系。特に中距離に強いミスプロ系は評価できます。
 特に近年はこの傾向が強く出ており、20年の覇者で今年も出走するアナザートゥルースはアイルハヴアナザー産駒、21年に制したダノンファラオはアメリカンフェローを父に持つ血統でした。これらの産駒は芝でも実績があり、芝に親和性があるからこそ好走しているということでしょう。

2.全頭診断


1.セラフィックコール

評価:B
 おそらく1倍台になるでしょう。コレを書いている前日最終オッズの時点で2.0倍。これに人の印を確認すると1倍台に届きそうな勢いです。
 ただ、本当にそんなに確勝級の馬でしょうか?たしかに新馬戦から無傷の5連勝でみやこSを制した勢いはホンモノ。それでも2勝クラスあたりからは常に気性との戦いでみやこSは出遅れからチグハグな競馬で勝利。ポテンシャルは高くともそれを発揮できるかはギャンブルのような状態になっています。
 今回は頭数こそ11頭と少ないものの内枠。ずっと馬群の中にいては余計な力を使ってしまう可能性すらあります。それでいて2400mというヘニーヒューズ産駒の適距離から少し距離のレンジがずれてしまっているということを考えると、直線案外伸びず…というパターンもありえます。同系統のコースであるチャンピオンズCは箸にも棒にもかからないようなレースで惨敗だったのも気がかり。
 牝系はヴィルシーナなどを輩出した名門も、母父マンハッタンカフェだと1800限界。能力差で馬券内はあっても勝ちまでは?

2.サンマルエンパイア

評価:D
 JRA時代は2勝クラスで天井。高知競馬場に移籍するとオール連対の安定感でC2→B級まで出世。昨年は名古屋に移籍も11戦して1勝、2着一度は案外な成績でややスランプといった形でしょうか。
 万全ならば父ミスプロ系で面白い存在ではありますが、体調が整っても解決すべき課題は山積。遠征で一変も望み薄。地元の適鞍で見直しです。

3.エルデュクラージュ

評価:C
 10歳になった元JRAオープン馬。地方移籍後は川崎記念で2着と激走した経験も。昨年は報知オールスターCを制した後長いトンネルへ。浦和記念も8着と勝負にならず。
 しかし、今年初めの報知グランプリCで不死鳥の如く復活。この馬と手の合う矢野騎手が上手い騎乗をしてくれました。
 この馬は逃げられないと厳しいタイプ。逃げられた報知GPは見事に復活を果たし、逆に早い馬がいて逃げられなかった前走報知ASは道中で失速。わかりやすく凡走しています。気分良く走れるかがカギに。
 今回は幸い、テンに速いタイプが少ないですから、行ききれればチャンスはありそうです。テリオスベルが追い上げてきた時に脆さが発揮されなければといったところ。相手としては人気的な妙味も感じる一頭なっていますから要マーク。

4.コウエイスーシェフ

評価:D
 中央を二戦で切り上げ、地方へ移籍。その後は高知5勝→南関東8勝→名古屋3勝。中距離でも実績のある孝行馬。
 ただ、昨年参戦した交流重賞浦和記念では5.2秒離されて12着と最下位入線。現状まだまだ一線級とは差があるということになります。そのような馬に可能性を見出すのは不可能に近く、ほぼミッションインポッシブル。

5.マンガン

評価:D
 中距離の鬼も近走は末脚不発。昨年は夏の東京記念トライアルで復活のVも砂の入替後は凡走しているというカラクリに。大井の珪砂が絶望的に合っていない可能性があります。
 この砂は船橋も同様のものを使っていますから、ここで華麗に復活も厳しいそうな印象。アイルハヴアナザー産駒は傾向分析でも書いた通り相性が良いだけに、残念という思いが先行してしまいます。

6.テリオスベル

評価:A
 船橋3連戦。クイーン賞×2からのここと全日本的なダートの体系整備をうまく使いこなしている印象。牝馬ながら長い距離なら戦えており、昨年のダイオライト記念マーキュリーCは2着、名古屋グランプリは3着と安定しています。
 これは父キズナが影響しているのでしょう。前述の通りですが、中距離で距離が伸びるとサンデー系やKingmambo系が好走しやすいのが日本のダート共通の特徴。それがうまく作用しているのです。
 今回は二走前に敗れたディクテオンがいますからその兼ね合いにもなりますが、馬券内からいなくなるとは考えにくい馬。期待です。

7.トーセンブル

評価:D
船橋の生え抜きも気付けばもう9歳。南関重賞とは縁遠いですが、20年にはダイオライト記念4着の実績も。侮れない中距離ランナーです。
 ただ、旬が過ぎてしまった感が否めないのもまた事実。昨年の夏あたりからそれが顕著に出ており、今年は三走して凡走続き。かつての輝きは失われつつあるのかもしれません。騎手は昨日笠松重賞Vとノリに乗っていますがそれだけで評価も?

8.ロードレガリス

評価:C
 JRA→大井→JRA→大井と移籍を繰り返している馬。2度目の中央時代には白山大賞典2着の実績もあります。
 昨年の南関復帰後は②③④②と安定して駆けており、脚質も不問。もともと中央晩年でも地方のようなコースならばエルムS5着など善戦しており、衰えたとは言い切れません。
 中距離の実績も高いですし、父ハーツクライ産駒は浦和記念を制したヴェルテックスもいるという心強い実績もあります。
 それでもこの評価なのは昨年のブリリアントCでディクテオンに1.0秒負けていること。横の比較を行った時に積極的に狙うわけではなく、展開が向けばという評価にしています。紐がおすすめ。

9.ディクテオン

評価:S
 地方の騎手やコースの方が向いているのでは?と感じさせる不思議な一頭。現在浦和記念名古屋グランプリと連勝中。そのキッカケとなった縁起の良い本田正重騎手と再コンビです。
 このコースで好走する馬は案外、東京のダ2100mで好走する傾向が高く、ブリリアントSを制しているこの馬にとって追い風。
 父キングカメハメハは上記の通り昨年の勝ち馬、グロリアムンディ輩出しているほか、19年の覇者チュウワウィザードなども輩出しています。加えて母父もキングヘイローでリファール系。このリファールはかつてダイオライト記念を得意としていた血統。
 こう見ると血統面では至れり尽くせりで、死角はないように感じます。高く評価するのが妥当で軸としても期待がかかります。

10.ハギノアレグリアス

評価:A
 堅実に駆けると言えばこの馬。掲示板を外したのは生涯3度、オープン昇級後は前走チャンピオンズCのみ。長い末脚を繰り出して最後まで止まらないのがこの馬の強みで、これで交流重賞1勝中央重賞1勝。
 この長い末脚が繰り出せるのはさすがはキズナ産駒。牝系も追い風になりそうです。近親にはステイヤーズS2着のプリュムドール、半兄にダイヤモンドS3着のタニノエポットなどステイヤーがズラリ。タニノギムレットも近親にいる名門です。2400も許容範囲でしょう。今回も勝ち負けレベルになりそうです。

11.アナザートゥルース

評価:B
 20年の覇者で中央時代は何度も穴を開けた名ダート馬も10歳。中央南関と移籍して現在はホッカイドウ競馬所属に。
 このホッカイドウ競馬の移籍も中距離戦線にわりと余裕があったから。実際トップランナーのシルトプレは中央や交流重賞に遠征、三冠馬のベルピットもまだいない時期だったことからも隙間を狙ったと言えます。もちろん坂路を使いたかったというのもあるでしょうが。
 そこで復活、道営記念は不利があっても2着、名古屋グランプリも4着と結果を残し始めました。そして優勝した経験のあるダイオライト記念に参戦。
 アイルハヴアナザー産駒ですから、もう少し内目の枠が欲しかったところ。さらに実戦からやや遠ざかっていること、船橋はそこまで活躍できていないことから勝利は難しそうですではあります。それでも馬券内であればチャンスはあり。期待したい一頭です。

3.見解買い目

 今回はおまけで船橋計3レースと高知のファイナルレースの3レースを掲載。ぜひ最後までご覧ください。

直近の的中実績
3.2 チューリップ賞 馬連17730円
3.3総武S 馬連950円三連複3190円
3.3ディープ記念 ワイド1960円

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