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グリッドマンユニバース 感想

まず良かったのが、テレビアニメの続きが蛇足になっておらず、視聴者が見たかった・気になってたものが描かれていること。

GRIDMANで記憶を失っていたゆうたのその後。DYNAZENONでゆめと付き合い、ガウマと別れたよもぎのその後。
これらに全て向き合った上で、文化祭の演劇で皆がまとまり、演劇の台本を説明することで、アニメのストーリーを振り返る超構成。

(上映前、内容を忘れていた私は最終話を流し見してから行ったんですが、必要ありませんでした)

テーマはアノシラスのセリフ通り
「人間は虚構を信じることができる唯一の生き物」
ということでしょう。
自分達の世界がグリッドマンに作られたものだと知り、動揺するよもぎとゆめに対し、アカネに作られた内海と立花はすんなり受け入れています。
よもぎは「それでも自分が何をするかは自分で選んできたつもりだ」と言い、
アノシラスはそれを受けて「人間は事実のみを信じている訳ではない」と返す。
自分達の生まれの出自・事実ではなく、今目の前にある状況をどう生きていくか。
信念を持った行動が世界を救い、友情を育み、恋をする。
特撮ならではの臭すぎるまっすぐさ。

そんな虚構を観て、私は胸を熱くさせました。
しかし、受け取り方は人それぞれです。
序盤、内海がウルトラマンDVDで涙し、ゆうたは高校演劇に涙します。
演劇「グリッドマンユニバース」では思わぬハプニングで笑いが起こる。

「グリッドマンユニバース」を通して
ゆうたは立花と付き合い、
よもぎはゆめと家族としてカニを囲い、
孤独にゴミ屋敷に住んでいたアカネは友達とゴミ拾いをする。
現実と虚構で一歩前進する姿こそがこの作品のテーマでしょう。

※追記…余談…雑多な感想
初期の台本にはクラスメイトから「リアリティが無さすぎる」とダメ出しを食らうが、最終的な演劇のタイトルが「グリッドマンユニバース」である点から、これは観客の代弁なのではないだろうか?
マルチバースのグリッドマンが重ねられてグリッドマンユニバースになるぶっ飛んだ話は確かにリアリティが無い。

とはいえ、主題歌の歌詞の一節
「夢みたいなことばかり 起こってしまう物語」
「疑いようのない 空想という名のビッグバン」
「あの時代におもい描いたヒーローは」
「きっとまだ胸の中で生きてる」
~中略~
「あの景色は 誰がなんと言おうと 本物なんだ」
とあるように虚構が我々の原動力であることを表現した上で、

最後にガウマに対して姫からのメッセージ
「いつまで引きずってんだバーカ」
…てことは監督が描きたかったのはエヴァみたいな
お前らグリッドマンから卒業して現実で行動を起こしていけ!
賞味期限が切れたものより、今を生きろ!
ということなのだろうか…。


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