記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

鉄血のオルフェンズ好き(とインボーロン)

わたしはアニメ好きです。春夏秋冬次は何のアニメ見ようかな~、と毎期録画設定をしています。そして、ガンダム好きです。初代ガンダムと同い年です。

いくつか見てないものもありますが、20歳を超えてから各シリーズを見て、特にZガンダムは全話通して5回(30分×50話×5回=125時間)は見ています。

誰得な話ですが、リアルタイムで見た「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(2015年10月~)」もかなり好きで、今日、最近よく耳にするインボーロン的な要素が多いな~とふと思って、突然語りたくなったので紹介します。

わたしがあまり見てなかったのでわかるのですが、ガンダムと言うとあまり触れていない人にとっては分厚いアウェイ感があって、まぁロボットアニメなので戦争なのに目立つデザインのロボットがドーンしていて、男子ヲタク向けというイメージがあると思います。あとシリーズで世界線が繋がっていたりするので、初期シリーズから知らないとついていけないものがあったりと・・・

「鉄血」はサンライズさんが「予備知識がなくても楽しめるガンダム作品」というコンセプトを強調するように、内容そのものはいきなり見ても大丈夫。わたしの妻はガンダムW以外あまり知らなかったけれど、「鉄血」にドハマりしていました。(主人公の三日月萌え)

確かにここぞという時の兵器はガンダムで、どう考えても兵器に適さない人型兵器(モビルスーツ)がたくさん出てくるんですけど、本作はビームはほとんど出てこないし(昔はあったけど、現在は無効化できる装甲がデフォルトの世界)、人型兵器同士の白兵戦が多く、機体も派手な爆散をせず、鈍器で殴りあってコックピッドがひしゃげて、中の人がグチャ、というシーンも多いです。
なので、ただ単純に兵器がちょっと派手なものに置き換わった戦争物語みたいな感じです。わたしは知りませんが、仁義なき戦い、と評されることもあったりとヤクザ要素もあるようです。

以下よりネタバレしまくりです。そんなにまともに見る気がない人向け。

あらすじ

300年前に起こった大戦争(厄祭戦)の後の世界。その厄祭戦を収める中心となった7つの家門セブンスターズが創設した治安維持組織ギャラルホルンの監視のもとで、地球圏は4つの経済圏による分割統治が行われるが、長年経ってそのギャラルホルンが腐敗しており、貧富の差がはびこり、ヒューマンデブリと呼ばれる人身売買され戦争の道具とされる子供達が存在する。
そんなヒューマンデブリを含めた子供達が主人公一味で、もともと民間警備会社の大人達にいいように使われていたところから、クーデターを起こして自分達で独立した企業(?)としてのし上がっていくお話。のし上がり切れないんですが。

阿頼耶識システム

一部の子供達に強制的に施されているシステムで、ざっくり言うと兵器と直接繋ぐナノマシンを体内に埋め込んで、機械的なプログラムに縛られずに肉体感覚と兵器を同一化することが出来ます。(要は強いので戦争でとても役に立つ)
ギャラルホルンは、その戦力で反乱されると困るので、非人道的なシステムとして表向き禁止しており、またそれにちょっと手を加えて、「人にそんなことをするのは気持ちが悪い」といった差別文化も作りつつ、裏ではシステムの開発研究を進めたりしています。
施術をした人間は、首の後ろ側から、兵器と接続する金属的なデバイスがボコっと突き出した状態になります。セブンスターズ血縁(要は貴族)の一人がそれを見た時に吐きそうになる描写もあります。
あー・・・表向きの禁止を正当化する為の文化を浸透させているこの感じ・・・。
表向き禁止されている為、民間で劣悪な闇施術が行われ、それが子供でないと定着しないものとなっており、しかも苦痛を伴い失敗も多く、失敗すると身体に障害が出たりします。失敗した子供は役立たずとしてのたれ死んでいきます。大人がそれを子供に強制して道具として使いつつ、宇宙ネズミと呼んで差別します。
主人公の三日月は劇中唯一それを三回施術して成功しているので、主人公らしく凄く強い兵士です。でもこのシステム、駆使しまくると脳に過度の負荷を与え障害を残す設定で、主人公は第一期の最終話で右目の視力と右腕の感覚を失い、第二期の中盤では右半身不随となります。兵器と接続している時だけ(多分、負荷をかけつつ)身体の感覚が戻るという・・・。怖いですね。

ギャラルホルン

劇中ではほぼ敵っぽく描かれるのですが、腐敗しているので一枚岩ではなく、内部でも色んな派閥がいたりして複雑です。
中でもわたしが印象に残っているエピソードの一つは、あるコロニーの労働者達が環境改善を求めた運動をしているところに、武装蜂起を促す為にわざと張りぼての武器を与え(主人公達が知らされずに運び込む)、労働者のトップが決して武力を使ってはいけない、と同志に呼び掛けているところ、ギャラルホルン工作員が自軍へ一発攻撃、それを労働者達が武力行使した、とメディアで流しつつ、既に待機していた大軍で虐殺しようとするというもの。
労働者達は、「こうなったらしょうがない!手に入れた武器で戦うぞ!」と兵器に乗り込みますが、整備済に見えた兵器は全て動かず皆殺しにされていきます。
一応本編ではそこで、革命の看板にされているキャラ(クーデリア)が色々あってメディアをのっとって、今自分が現場で見た真実を語る、という現実では滅多になさそうな展開になり、虐殺は止められますが、
これ多分、似たようなことは現実で何度も起きているのでしょうね・・・。
「ちょっと搾取しすぎたらあいつらうるさくなってきたから、世論操作しつつ悪として排除しておこうか。」

ちなみに、劇中で確か
「何でこんな大軍が既に展開しているんだよ!」
というシナリオの穴に対する真っ当な突っ込みをしているシーンがあったと思うのですが、メディアを見ている大衆の間ではそういう突っ込みは大きくならないんですよね。

ノブリス・ゴルドン

初見の時、この人はいったいどういった立場の人なのだろう・・・、とわからなかったのですが、Wikiを見ると「武器商人」となっていました。
火星独立運動(ガンダムはだいたい宇宙単位です)を支援して、クーデリアというちょっとしたカリスマを利用して、彼女を悲劇のヒロインとして殺すシナリオ(うまくいくと戦争が捗るので自分が儲かる)を考えて、資金を送ったりしていましたが、意外とクーデリアが死ななかったりパワフルなので、面白くなって融資を続けたり(投資感覚ですね)、終盤はギャラルホルンと結託して報道機関を統制したりして主人公一味(鉄華団)を追い込み、最終的には鉄華団のリーダーを暗殺します。
登場する時にサウナに入っていたり、蚊帳の外から資金力で様々なものをコントロールして遊んでいたりと楽しそうです。
現実では戦争は世論がうるさいので、あまりうまくいかないものとしてメインの手段には使われませんが、使う道具は違えど似たようなことをしている人の話をカバールの崩壊で見た気がします。
一応本編では、後日談的に鉄華団のリーダーを慕っていた少年(成長後)に、ウンコしているところを暗殺される描写があります。ちなみに見た目はぶよぶよのおっさんです。

マクギリス・ファリド

最初は謎の多いイケメンとして登場。Wikiによると「監査局所属の特務三佐」。なんかギャラルホルンの上位の軍人。セブンスターズの一角のファリド家(要は貴族)の人で、若いのに偉い人でありながら血筋だけでなく、戦場でも強いし、頭は良いし、組織内でもどんどん立場を強くしていくんですけれど、ギャラルホルンの腐敗を嫌っていて、別人を装って組織としては敵対している鉄華団を支援したりします。
第一期では、鉄華団を活躍させることで現行ギャラルホルンの権威を失墜させ、貴族同士の仲良し軍人達も半ば暗殺みたいな形で殺して、さらに自分の父親を裏から失脚させて自分がファリド家当主となって終わります。

この人何したいのかな~と思っていたら、第二期で衝撃のシーンが。
過去の場面、父親のイズナリオさんが車で移動したりするシーンで、小さいマクギリスも一緒に乗ったりするんですが、どうも周りに同じ金髪碧眼の少年がたくさんいるんですね。
自宅の大きなお屋敷でのシーンでも同じ金髪碧眼少年達の中で力関係があったり・・・。
極めつけは、夜中に大きなダブルベッドでイズナリオさんが眠りこけている横で一人起きて、腰に布切れ一枚巻いて上半身が痣だらけの少年マクギリスが歴史書を読んでいる姿が・・・。
イズナリオさんが男娼として囲っていた孤児の一人だったけれど、あまりに優秀だったので正式な養子になった、ということでした。
権力者が子供を囲って虐待・・・。なんか最近良く聞くやつですね。

んで、結局絶望的な少年時代のせいで色々複雑にこじらせており、厄祭戦を終わらせた時の英雄に憧れ、研究成果をもとにちゃんとした(?)阿頼耶識システムを自分に施して、誰も操縦出来なくなっていた伝説的なガンダム(英雄が乗っていた)に乗ってクーデターを起こしてギャラルホルンを潰そうとするけれど、ちょっとこじらせ具合が足を引っ張って失敗・・・。散々機転を利かせていたのに、最終的に
凄いガンダムに乗れたおれ、凄いだろ!みんなついてこい!(ついていかない・・・)
と武力と伝説に変な執着をしてしまったという・・・。

ここでもギャラルホルンがマクギリスを叩きのめす際に使った戦術は、マクギリスの軍の中に工作員を送ってあり、威力が高すぎる為に「非人道的兵器」として使用を禁止された兵器(ダインスレイヴ)を一発ギャラルホルンの軍に撃ち込んで、その報復としてギャラルホルンが大量に準備していたダインスレイヴを撃ちまくる、というものです。ああ・・・絶望感。
ここでももちろん、メディアがノブリス・ゴルドンによって掌握されており、「何でそんな大量のダインスレイヴ用意してあるんだよ」という突っ込みはありません。
ちなみにこのダインスレイヴ、長ーい弾頭が凄い貫通力で飛んでくる、というもので、弾頭自体爆発もしないし地味な描写です。主役機ガンダムなのにガンダムが戦況を変えるのではなく、ガンダムがこの兵器でバタバタと倒されていき、最終的にこれ撃ったもん勝ちみたいになってきます。

そして、そのあと鉄華団が潰される時もメンバーを助ける為に鉄華団のリーダーが
「おれの首を出すから、終わりにしてくれ」
と言っても相手にされず、「徹底抗戦の姿勢の鉄華団は・・・」と報道されます。

まとめその他

最後は、そのマクギリスと組んでしまった鉄華団もギャラルホルンに徹底的に潰されるのですが、それまで築いた人脈を活用して戸籍を書き換えたりして、表向き鉄華団は全員死んだことになって、生き残ったメンバーは新しい人生を歩み始めて・・・と、メインキャラ周りは彼らの為にほとんど死んでいくのです。

全然まとまってないんですが、インボーロンちっくなところだけをかいつまんでいるので、本来の見どころとかすっとばしです。
普通な感想だと、最後の方の進めば進むほどの絶望感、権力に勝てない救われない感がエグくて、見たくないのに見てしまう、という感じでした。
もちろんずっと絶望ではなくて、途中では作戦成功!というシーンもたくさんあります。


アニメを見ていると、インボーロンを彷彿とさせるような「え、これって・・・」みたいな描写がたまにあって、その一つの「鉄血のオルフェンズ」を、なんか書きたくなりました。まぁ、インボーとして存在するからそういう創作がされるのでしょうけど・・・。
リアルタイムで見ている当時は、そんなことは思いもしないしそんな情報もあまり目にしない頃だったので、「こんなことは起きてるんだろなー」くらいに見ていたのですが、改めて思い返すと色々と・・・。

他にも「GREAT PRETENDER(2020年7月~12月)」なんかも、児童売買の話が出てきて、放送時期と相まって凄く気になってしまったのですが、その辺りに触れている記事はなさそうで・・。
こちらは最終話(2020年12月!)で
「どんでもないヤツが大統領になったぞ!」
とモブキャラが喋っているシーンがあって、どうせ虎っぽい大統領が出てくるのかな?と思っていたらどちらかというと倍っぽい人が出てきて、その後ろでメインキャラ(詐欺師)が
「次のターゲットはあいつだ・・・」
と言って終わるんですよねww

当時、リアルタイムで見ていて
「お、おー・・・」と思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?