『天牌』~比嘉秀仁のおすすめ麻雀漫画④~


110巻ってすごい。こんな麻雀漫画は他にはさすがに無い。
ということで今回のオススメ麻雀漫画は『麻雀飛龍伝説 天牌』


確か一番最初にこの漫画に出会ったのは大学一年目か二年目くらいのときだったように思う。親父が買ってきたのか、いつのまにか家に一冊あった。
で、読んでみるとこりゃ「男の美学」の世界で、シビれるねえ...って感じだった。

当時、大学生になってほぼ毎日家で麻雀を打っていて、ハマりこみ度で言えば人生で一番そのときが麻雀のことばっかり考えていたように思う。もしこのとき家の近くに雀荘があれば、確実に毎日通っていたか、アルバイトを始めていただろう。そして学校に行かなくなり、今とは違った生活を送っている世界線もあったかもしれない。

そういう世界へのあこがれも多少あったので、まあ『天牌』のような麻雀青春群像劇のようなストーリーにもかなりハマりこんで、すぐに自分でコミックスを集めはじめた。まだ当時はそんな巻数出てなかったので集めるのはそんな苦じゃなかったけど、今集めようと思ったら滅茶苦茶大変だね。

この漫画の一番の魅力はなんといってもたくさん出てくる個性的な麻雀打ちたちのそのキャラクター性にある。どの人物ももちろん麻雀が強いんだけど、麻雀劇画というのにふさわしい啖呵切ったり、大言壮語したり、「おおすげえ、こんなことリアルで言ったらすげえ煽りだ」みたいなセリフを飛ばしたりするわけなんですよ。で、その人物たちが単に才能に恵まれているだけじゃなくて「麻雀の腕を得るために何かを失っている」的なところがあるキャラクターが多い。それがまたいい。


というわけで私の好きなキャラクターをランキング形式で紹介していきたい。

第五位 「氷の貴公子」 三國 健次郎

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五位は黒流会の三國健次郎。
彼の打牌は「氷の打牌」と呼ばれる。当たり牌以外ならどんな牌でも切り、場を凍り付かせるかららしい。

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↑これが「氷の打牌」
我々麻雀打ちの中に眠る中二心を呼び覚ますのに十分なインパクトだ。

私と同じ日本プロ麻雀協会に三國と同じく「氷の打牌」をキャッチフレーズにしていたプロがいる

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彼も奇しくも三國と同じ「けんじ」の名を持っている。彼の場合は氷つかせるのは麻雀の場ではないらしい。いったい何を凍らせるのか?
それは彼のTwitterをチェックして「ギリギリアウトの何か」を貴方の目で確かめてほしい。彼がTLからいなくなる前に...


第四位 「執念の暗黒博徒(ダークサイダー)」 後藤正也

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四位は後藤正也。二つ名の「暗黒博徒(ダークサイダー)」がハイセンスすぎる。正直これだけで四位にランクインでもいい。
彼の中身の方は、友人(伊藤)にクソみたいな逆恨みをして、犯罪紛いの報復を行った挙句、麻薬の売人に墜ちて行ってしまうという凋落っぷり。でもそういうところがなんていうか...かわいいよね?(狂)

私、『天牌』の勝負の中でも「長野サバイバル死闘牌」編って一番好きなんだが、そのときに「後藤...お前まさか...かませ犬か...???」と我々をひどく心配させた。しかしだ。

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ここから三倍満をきめ、連勝を飾った時には「うおおおおおおおおお!!!!!俺たちの後藤!!!」と沸き上がった。
でも勝負が終わってみれば四人の中で一番負けてて、やっぱりかませ犬で終わっていたってところもすごくかわいいね(狂)


第三位 「孤高の博狼牙」 津神元

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三位は津神元。登場した時の圧倒的な強キャラ感。そしてその傲慢さ。
素直に「かっけえ!!!」となった人物の一人。傲慢キャラって私は結構好きで、能力を併せ持っていれば傲慢さは許せるどころか魅力になり得るんですよね。
彼の有名なセリフ、「俺なら9連続ラス喰らったって、残り一回で勝ち切れる自信はある」は麻雀やるときの心構えというか、どんなに負けても心折れないぞっていう意味では強く影響を受けてる。

そんな彼も一度、菊多(三國の弟)に負けて、どん底に突き落とされる。ついにはホームレスにまでなってしまう。上の画像はその負けた時のやつなんだが、滅茶苦茶印象に残っている。

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↑ホームレスになった津神。ここから這い上がる展開も良かった。


第二位 「心声の傑士」 北岡静一

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手前のひげのオッサンではない。左のメガネの方である。
第二位は北岡。基本ふざけているようなおちゃらけキャラだけど、アツいところもあってとても良い。
確か昔は「電脳超新星」という二つ名だったはずだが、いつの間にか栽培している苺の声が聞こえるようになったという「何かキメてしまったのか?」と見た目もあいまって誤解してしまいそうだが、なんやかんやあって変化(成長?)するうちに上記のような二つ名になってしまったようだ。
私は「電脳超新星」の方が好き。なにか親近感を覚える。

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北岡もネットゲームで麻雀を打ち込んでおり、そのイメージで「電脳超新星」ってフレーズをつけられたんだろうな、と思う。でも全然ネットデジタル雀士って感じではなくバリバリの感覚右脳派麻雀なので、そこも共感ポイントがめっちゃ高い。


第一位 「忘郷の一匹狼」 影村遼

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一位は影村遼。『天牌』の中では最高のイキリキャラでありつつも、強さも弱さも見せ、死にかけて指を失ったり、稼いだ資産奪われたりと一番の波乱万丈男。利き腕が途中で変わって超感覚に目覚めるとかの中二ポイントも滅茶苦茶高くてGOOD。

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微妙に悪役っぽさもあり、小狡いところやダサいところもある。しかし、カッコいいところもたくさんあってすごく魅力的だ。ヒモやってたこともあるらしいけど、まあわかる気がする。ワルっぽい自信満々の男にはなにかありそうな気がするもんねえ。現実は何もないことは多々なんだろうけど。


ということで『天牌』のキャラをランキング形式で紹介してきました。
ん?主人公?ああ、彼ね...

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「王者の才」沖本瞬

瞬って正統な主人公らしい見た目の「ただしい」ヤツって感じの主人公なんだが、普段は謙虚ないい奴っぽい感じなのに、たまにその見た目にそぐわないイキリとか煽りが顔を覗かせたり、空気を読まないムーブをやってしまうので、ネットとかでは不人気主人公の扱いをよく受けているのを見る。
あと、彼はまあ失っているものも多少あるんだが、それをものともしない麻雀の才能でまるで異世界にきた無敵主人公を思い起こさせるような感じなので、それもあんま人気が出ない感じになっている気がしないでもない。まあなんだかんだ言ってそういう弄りが『天牌』愛読者は好きな気がするがw


まあなんだかんだで名作だと思ってますので、皆さんもよかったらご一読を。オススメ第四弾でした。


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