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疑うことから始まること

今日は、住まいの道具研究所の事務所の引越しをしておりました。片付けなどをしていると断捨離精神が盛り上がってなんでも捨ててしまいがちの上田です。でも一年以上使っていないものを捨てているので、多分大丈夫です。

今日は、断捨離精神から学んだ疑うということについて書きたいと思います。

冒頭書いたように、今日は事務所の引越しをしました。でも、実は引越し先のリフォームが出来ていないので、ひとまず荷物を運び出したって感じですが。。。

引越しをしていると、色々とたまったいらないものを捨てるか、置いておくかと考える時間ってありますよね。

この時間、この思考がとても大事なんじゃないかって思いました。

どういう思考かというと、これっているのかな?いらないのかな?とそのものの存在を疑うという思考です。


建築での疑うという思考

新しいものを生み出すということは、当たり前を疑うことから生まれます。

建築の歴史で考えて見ても、それはとても顕著です。

建築においては、過去の装飾を用いた様式建築を否定するウィーン分離派、デ・スティル、バウハウスなどの動向から、やがて合理的、機能的な建築を理想と考える近代建築運動が起こったのがモダニズム建築であり、そこからポストモダニズムに進化しました。

さらには、1980年代後半以降、2000年代に至るまで世界の建築界を席巻している、思想家ジャック デリダの提唱した「脱構築」から建築でもデコンストラクティヴィズムという流れも生まれました。

大学時代、丁度2000年あたりの国内では伊東豊雄や妹島和世などライトコンストラクションが全盛期でしたが、僕たちが熱狂していたのが、「脱構築建築」でした。

当時、建築学生の僕たちをワクワクさせていたのが、この通称デコン建築家である、ダニエル・リベスキンド、バーナー・ドチュミ、フランク・0・ゲーリー、ピーター・アイゼンマン、ザハ・ハディド、コープ・ヒンメルブラウ、レム・コールハウスでした。

ダイナミックに、建築が垂直水平、直線、曲線、関係なく彫刻物のように自由に描かれる姿に心を踊らせたものです。

デコンストラクティヴィズムに熱狂していた当時、僕たちは確実に当たり前を疑うということで革新的な何かを得ることを感じていました。

実際、どこまでが壁でどこまでが屋根なのか解らない造形に、屋根のあり方、壁のあり方を考えさせられましたし、何より、デリダの「脱構築主義」は当たり前を疑うという思考を学ばせてもらいました。


普段書かないディープゾーンに入ってしまって、話が長くなりそうなので、ちょっと戻りますが。

ルネッサンス建築などの装飾的な建築を疑うことで生まれたモダニズム、合理性をに装飾性を加えてきたポストモダニズム、そこから、思想や造形の根元を疑い再構築したデコンストラクティヴィズム、造形的なものではなく、機能主義を貫いたハイテックスタイル(ポンピドゥセンター、ロイズ・オブ・ロンドンなど)と、建築の流れに変化が訪れているのは、必ず既存の流れを疑うことから始まっています。


日常を疑うことから始めよう

結構大きな話を書いてきてしまいましたが、日常や、自分の生活習慣などを疑うことでも新しい何かを見つけることが出来ます。

例えば、帰宅して、なんとなくテレビ見ている時間って本当に必要なのか、その時間、1時間だけ読書の時間にしたり、自分のステップアップの為の勉強の時間にしてみてください。

たった1時間でも、1ヶ月やれば、30時間やらない人と知識やレベルの差が生まれます、やらなければ、逆に30時間置いていかれます。

日常を疑って、本当に良いか考えて少しの行動をすることでも、継続することで、こんなにも前に進むことができると考えると、やらない手はないですよね。


マーケティングも疑ってみよう

僕たちのような建築の住宅をメインとしている会社を例に上げて考えてみても、マーケティングの考え方ってかなり重要です。

ここでもマーケティングは単純にどこにどのような広告を出すかというところと考えてください。

会社の広告戦略を広告代理店に任せていませんか?

今、住宅のよく言われる性能や構造、デザインなどキーワードを当たり前に打ち出していませんか?

ずばりいいます。そこってレッドオーシャンで戦っているようなものです。

みんな同じことを発信して、価格の競争になり、仕事の本質を見失ってませんか?


そこで、当たり前に流れていくマーケティングを疑ってみてはどうでしょうか。

詳しくはまた書こうと思いますが、当たり前をやって勝てるのは大手や多くの資本があるところです。


建築の思想や流れが変わったように、当たり前に流れているところを疑うことで新しい流れを作ることを考えていきたいものですね。


ということで、今日も学びの多い一日でありますように!!



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