映画を観た記録122 2023年10月13日  楊徳昌(エドワード・ヤン)『牯嶺街少年殺人事件(A brighter Summer Day)』

Amazon Prime Videoで楊徳昌(エドワード・ヤン)『牯嶺街少年殺人事件(A brighter Summer Day)』を観る。
1960年代初頭の台北。不良少年の争いを描く。
中心人物の小四は夜間中学の模範生と言われているが、不良少年のグループの中にいる。小四は大人しいように見えているが、頭に血が昇ったら、ヤバいタイプなのである。父親もそういう性格らしい。ちなみに父親は公務員である。
争いが繰り返され、ある日、激しい雨の中、合羽を着て、自転車で、いつもたむろっているビリヤードホールに着く。しかし、ここのビリヤードは賭けビリヤードらしく、ボス的存在の山頭がカネを握っている。そのこともあるのか、小四を加えた不良グループは日本刀を持ち、殺害目的で襲撃しにいく。山頭は殺されてしまう。
小四はそのころ、小明という女性に淡い恋心を抱く。小明はハニーと名乗る男の恋人でもある。そのハニーが台北に戻ってくる。
ハニーは山頭から交通事故と見せかけられて殺される。
話が前後しました。山頭を殺したのは、その復讐の意味もあります。
そして、季節や年月が過ぎ、とうとう、小四は退学になる。小四は父が監理職のような教師からくどくど言われ続けるのをみて、近くにあったバットで殴ってしまう。このあたりから小四の激高タイプが表現されていく。
退学後、小四は昼間部へ転入入学するため、勉学にいそしんでいたが、小明とあったり、他の女性と夜中、キスしたり、いろいろと落ち着かない。
そして、衝撃のシーンを迎える。観ていて悲しくなってきます。
本作品は夜の画面構成に特徴があると思います。そして、基本的にアップが少なく、からだをフルサイズで撮影しています。ほかに隅々まで画面が整っています。
プレスリーの音楽が流れてきて、甘く、切なく、という感情が観る者に沸き上がります。
本作品は天才が作った映画だとしか思えない。

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