Amazon Prime Videoでトラン・アン・ユン『青いパパイヤの香り』を観る。
本作品の特徴は、常に何かが鳴っているということである。虫の音が主に鳴り響いている。その音へこの作品のために作られた音楽がかぶさる。後半は作曲家のもとに使用人として出されるので、パリ高等音楽院卒業の作曲家が奏でるピアノがかぶさる。音が重層的に作られているのである。
主人公ムイは、田舎から使用人として、最初は家長が浪費家の家、10年後は、作曲家の家で使用人として働く。
本作品はベトナム映画である。ベトナムはフランスの植民地が長い時代があり、フランス文化から脱し切れていないのか、監督のクレジットは、Directed by ではなくMise-en-scèneである。
本作品は最初から終わりまでセットで撮影されている。
映画の古典時代がベトナムでよみがえったとでもいおうか。