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トラブってラッキー!

生きていれば、大なり小なり、色々なトラブルに見舞われます。人間関係・契約関係・金融関係・保険関係等々、具体例を挙げればキリがありません。また、トラブルの深刻さも様々で、大きなものから些細なものであります。

自分自身が予想していないトラブルに見舞われた場合、人はなかなか適切に対処することができません。もちろんトラブルや困りごとについて、あらかじめ知識を持って備えておくことができれば、トラブルを未然に防ぐことはできますが、そもそも予想できないトラブルの場合は当然備えることは出来ません。

”製品のアイディア”から”商品化”までの間には、苦難の連続となる大きな谷が存在します。この谷は”死の谷(デスバレー)”と呼ばれていて、この谷を越せるかどうかが、商品化の成否に大きく関係します。

現在、私の研究室では、『高精度で高効率な地熱探査のための測定装置の開発』を行なっています。今年度が最終年度なので、来年の1月までには最終版の測定装置を完成させなければなりません。初年度は、開発期間が半年だったにもかかわらず、結構良い試作機が出来ました。昨年度は、この試作機を用いた基礎実験を何度も繰り返しました。

基礎実験の際には想定外のトラブルに見舞われました。最初のトラブルは、機器の破損です。伊都キャンパスには、生物多様性ゾーンという普段は人が立ち入らない保護地域があるのですが、ここで実験をしていた時にトラブルが起きました。次の測定に備えて、機械を回収せずに短期間放置していた時に、草刈りがありました。その草刈りで、本体およびケーブルがズタズタに切り刻まれてしまいました。その機会はお釈迦になりましたが、”機械の放置は短期間でもダメ”という良い教訓になりました。

次のトラブルは、久住で調査をしている時に置きました。長期間のデータを取得したかったので、1週間の連続観測を実施しました。最初に5つの測点で測定を順次開始し、1週間後に回収することにしました。ところが、1週間後にフィールドに戻ってみると、電場ケーブルが見事に噛み千切られていました。犯人は不明ですが、ノウサギだろうと思っています。

このようなトラブルがあると、メンタルがやられそうになりますが、こんあときこそ慌ててはいけません。現在は、測定機の開発期間中であり、いわば”死の谷”の真っただ中です。こんな時は、トラブルがあって当たり前です。むしろ本番前に多くのトラブルが想定できた方が、対処の準備も可能です。

今は」「トラブルがあるとラッキー!」くらいの気持ちでいようとしています。しかし、まだまだ人間が出来ていないので、ときどきムッとしたりしています。デスバレーからの脱出には、かなりの修行が必要です。

ちなみにタイトル画↑↑は、『ラッキー』という名前のポケモンらしいです。

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