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分野が違うと専門用語が違う

以前にも同じような記事を書きましたが、専門分野が違うと同じ意味のことでも、異なる名称で呼ばれることが結構あります。例えば、物理探査の専門用語に比抵抗というのがありますが、これは高校の物理の教科書では抵抗率と書かれています。また、昔の教科書などには固有抵抗と書かれていたりします。また、物理探査では比抵抗の逆数となる物理量を導電率と呼びますが、その他の分野では電気伝導度と呼ばれたりします。

物理探査では、飛行機やヘリコプタなどを使った空中からの磁気探査や重力探査などがありますが、これらの方法は非接触または非破壊の探査方法と表現します。しかし、医学の分野では、レントゲンやCTなどの検査は、体に害を及ぼさない非侵襲ひしんしゅうな検査と呼ばれます。

ところで昨日の記事で、制御工学の伝達関数がMT法のインピーダンスに類似していると書きましたが、大きな違いが一つあります。それは、MT法の入力は電場2成分で、出力も磁場2成分であるということです。伝達関数の入力と出力の関係は、単純な掛け算で表現できましたが、MT法の場合はベクトルと行列(テンソル)の掛け算になります。

MT法の伝達関数はテンソルですから、その成分は2×2で4つになります。この点が、制御工学などの伝達関数と大きく違うところです。マウントを取るつもりはありませんが、MT法の伝達関数(MTインピーダンス)は、通常の伝達関数よりかなり複雑になっています。そのため、MTインピーダンスを精度よく求めることは、とても大変なのです。

目下の課題は、この”MTインピーダンスの精度の良い推定法”です。

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