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『右回り』と『左回り』

最近は、日記のような近況報告の記事が続いたので、久しぶりに”理系っぽい”記事を書いてみます。

"右回り"や”左回り”と言われても一瞬、どちら側に曲がるのかピンと来ない場合もあります、右回り時計回り(clockwise)とも言われ、時計の針が進む方向と同じ向きの回転を指します。その反対の左回りは、反時計回り(anti-clockwise または counter-clockwise)と言います。また自動車や列車では、日本の車両が左側通行のため、時計回り外回り反時計回り内回りと呼ぶこともあります。例えば、東京の環状線の鉄道である山手線などではこの呼び方が採用されています。

話は飛びますが、電流が流れるとその周辺に磁場が発生することは、エルステッドが大学での実験準備中に偶然発見したと言われています。この磁場は、電流の流れる方向に向かって”右回り”に発生するので、この法則を『右ネジの法則』と言います。通常のネジは右ネジで、ドライバーなどで右に回転させればねじ込むことができます。その反対に回転しないとねじ込めない特殊なネジもあって、それはさかネジと呼ばれています。

高校の数学でサインやコサインなどの三角関数を習うと、回転角θ(シータ)というのが出てきます。この回転角度の方向は、左回り(反時計回り)がの方向です。また、一般的なネジの方向である右回りは、数学の回転ではの方向になります。ある時は右回り(時計回り)が正常で、またある時には左回り(反時計回り)が正常となるのが、回転方向の混乱の原因かもしれません。

皆さんも知っていると思いますが、我々が住んでいる地球も太陽を中心として回転(公転)していますし、地球自体も回転(自転)しています。地球の自転も公転も左回り(反時計回り)です。どうして反時計回りなのかは、太陽系の惑星の成因に原因があります。太陽系の惑星は、太陽の自転にひっぱられて、太陽の自転と同じ方向、つまり反時計回りに太陽の周りを回り出したからなのです。

公転については全て反時計回りですが、自転については回転方向が違う惑星もあります。金星は地球と反対方向に自転していますし、天王星は地球の自転と90度違う”縦回転”をしています。これは、金星や天王星ができるまでに、大きな小天体に衝突して回転方向が変わったためだと考えられています。昔の地球も同じように、火星規模の小天体と衝突して、現在の地球と月になったと考えられています。これはジャイアントインパクト説と呼ばれています。地球は衝突した方向が良かったのか、昔のままの自転の方向を保ったようです。

少し前に台風が日本列島に上陸しましたが、北半球の台風左回り(反時計回り)で、南半球の台風右回り(時計回り)に回転します。回転の向きは、ややこしいですね。

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