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ギンナンの苦い思い出

散髪に行こうと思って歩いていたら、イチョウ並木が黄色く色づいていることに気が付きました。少し前まで青々していたのに、やっぱり秋になると黄葉するようです。

イチョウの英語名はginko(ギンコー)です。これは漢字の”銀杏”の中国語の発音?が由来のようです。イチョウは”生きた化石”と言われるように、欧米では絶滅していて化石しか見つかっていません。しかし、どっこいアジアの端っこの中国でひっそりと生き残っていました。日本にイチョウが入ってきたのは、仏教伝来の頃だと言われています。

イチョウの種子であるギンナンは、食用でもあり、茶わん蒸しの具として入っています。このギンナンで、苦い思い出があります。

小学生の頃、ギンナンの使って”小さな笛”を作ることが流行りました。今のようにゲーム機の無い時代でしたから、遊びも”自然に優しい”エコなものがほとんどでした。私も友達に笛の作り方を教えてもらって、一緒に作ることになりました。

ご存知のように、ギンナンは”臭いイチョウの実”の内部にあります。私たちは、小学校の敷地内にあるイチョウの木から黄色い実を集めました。馬鹿な小学生だった私は、鼻が曲がりそうな臭いのする実の部分を手で千切って、中のギンナンを取り出しました。取り出したギンナンは、校庭の水飲み場のコンクリート製のシンクにこすりつけて、中身が見えるまで削りました。ギンナンの中身がある程度見えると、中身(ギンナンの本体)を取り出して、中を空洞にします。その空洞になった”ギンナンの殻”をきれいに水洗いして干せば、”ギンナン笛”の完成です。

ギンナン笛の吹き方は簡単で、空洞部部分を上にして唇につけて、息を吹き込めば「ピーッ」と高い音で鳴ります。その日は笛作りに夢中になって、4つか5つは作ったと思います。このあとは嬉々として、この笛を家に持って帰りました。

ここまでは良かったのですが、次の日が大変でした。イチョウの実を素手で触ったため、手がかぶれて痒くなってしまいました。その痒さは尋常ではなく、そのうちに手の平と手の甲が赤くなってしまいました。数日したら痒みは収まりましたが、手の皮がむけ始めました。手が綺麗に再生するまで、2週間くらいかかりました。こんなに酷い状態なのに、病院には行きませんでした。自然治癒で何とかなりました。

大人からの忠告です。イチョウの実は、素手で触ってはいけません。そんなことをしようと思う人はいないと思いますが・・・。

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