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マントルの色は?

マントルは、地球の表層にある地殻と、地球の中心部である核との間の層を指します。英語では mantle ですが、mantleの元々の意味は外套がいとうです。つまり、地球の中心部である核を覆っているので、mantleと名付けられたようです。

地球の内部を説明する図として地球の輪切りの絵が出てきますが、高温をイメージさせるように核(core)は赤色、マントルはオレンジ色で塗られています。要するに、マントルはドロドロに溶けたハワイの溶岩のようにイメージされます。しかし、実際には違います。

地球の体積の約83%を占めるマントルは、かんらん岩という岩石でできていると考えられています。”かんらん岩”を構成する主な鉱物は”かんらん石”と呼ばれ、透き通った緑色の石です。かんらん岩は英語では peridotite またはolivineです。このolivine(オリビーン)は、”オリーブ色の石”という意味です。また、かんらん石が結晶化したものは宝石として扱われ、ペリドット(peridot)と呼ばれています。

玄武岩中のカンラン岩ゼノリス

かんらん岩は、マントルがある場所に存在しているので、通常は地下数十kmの所に存在しています。しかし、この深部のかんらん岩が地表に出てくる時があります。それが、タイトル画のような”かんらん岩ゼノリス”です。ゼノリス(xenolith)は捕獲岩のことで、マグマが上昇するときに、その経路上でマグマが捕獲した地下深部の石のことです。

現在の科学技術を持ってしても、地下数十kmの場所まで掘削して、かんらん岩を取り出すことは出来ません。我々は、マグマが偶然捕獲したゼノリスによって地下深部の岩石の性状を知ることができるのです。

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