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遺跡探査の研究者は絶滅危惧種

動植物が絶滅しそうになれば、レッドリストに登録され、保護の対象になりますが、これが同じ生物でも人間の研究者となれば、保護の対象にはなりません。

ハイテク機器を使った遺跡探査は最先端の研究分野ですが、日本には研究する人がほとんどいません。私も数少ない遺跡探査の研究者ですが、遺跡探査はメインの研究分野ではないので、地方自治体の教育委員会などの依頼を受けた際にだけ”副業的に”遺跡探査を引き受けています。

現在、遺跡探査の研究者は日本にいるトキの数より少ないと思います。日本のトキは既に絶滅してしまっていて、今いるトキは中国から譲り受けたトキの子孫たちです。ニホンオオカミやトキと同じように、遺跡探査の研究者は絶滅の危機に瀕しています。遺跡探査を系統的に教える大学や研究機関も殆どありませんので、正確ではありませんが早いと10年、長くてもあと20年位で絶滅しそうです。

昨年には、別の大学の学生さんから、大学院で遺跡探査を学びたいという問い合わせがありました。しかし、私の在職期間も残り少ないことから、残念ですがお断りしました。意欲がある学生さんがいても、今は受け皿がありません。

おそらくトキと同じように、日本の遺跡探査研究者がいなくなれば、海外から連れて来ることになるでしょう。大変残念ですが・・・。

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