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入力抵抗と入力インピーダンス

ある電気回路で電圧を測定するとします。電圧を測定するには、電気回路に並列に電圧計を設置して電圧を測ります。”理想的な電圧計”なら、この方法で電圧が精度よく測定できますが、実際にはそうではありません。このような計測方法で電圧が精度良く測定できるのは、電圧計に電流が全く流れ込まない時だけです。

しかし、現実には電圧計の抵抗は無限大ではないので、僅かですが電流が電圧計に流れ込みます。このときの電圧計の内部抵抗を入力抵抗と呼びます。直流計測の場合は入力抵抗ですが、交流計測の場合は入力インピーダンスと呼ばれます。

交流の抵抗はインピーダンスと呼ばれていて、周波数に依存して変化します。これはインピーダンスが抵抗成分だけではなく、キャパシタンス(電荷を貯める能力)やインダクタンス(誘導磁気の効果)の成分を持つためです。

現在実施しているMTプロジェクトでは、二点間の微小な電場(電圧の差)を測定する必要があります。そのため、入力インピーダンスを大きくする必要がありました。一般的な計測機器の入力インピーダンスは10 メガオームですが、場合によってはその千倍の10GΩが使われる場合もあります。

どの程度の入力インピーダンスが良いかは、計ってみないとわからない場合があります。とくに野外で測定する場合は、そんなことが頻繁に起こります。電気系の計測では、入力インピーダンスを常に意識する必要があります。

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