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人に薦められなかった名作、ギャグマンガ家 相原コージ先生の本格長編忍者マンガ「ムジナ」

忍者マンガと言えば、どの作品を思い浮かべますか。
「忍法十番勝負」「忍者ハットリくん」「カムイ伝」「変身忍者嵐1972」「仮面の忍者赤影」「伊賀の影丸」「ナルト」「落第忍者乱太郎」「伊賀野カバ丸」「忍ペンまん丸」「カスミ伝」「おきらく忍者ハンゾー」「おきらく忍者ハンゾーR」「炎のニンジャマン」「NINKU -忍空-」「あずみ」「アンダーニンジャ」「忍者と極道」「衛府の七忍
」「忍ぶな!チヨちゃん」「地獄楽」「くの一ツバキの胸の内」「勇者パーティーをクビになった忍者、忍ばずに生きます」「忍者と殺し屋のふたりぐらし」などでしょうか。

「ムジナ」は、「コージ苑」や「サルでも描けるマンガ教室」などのギャグマンガの作者 相原コージ先生が描いた長編忍者マンガです。毎年何度も読み返している最高にお気に入りの作品です。

余談ですが、歌手の中川翔子さんがマンガに目覚めたきっかけは、ご両親がお持ちだった相原コージ先生の「かってにシロクマ」を3歳の頃に読んだことからです。

お気に入りと言っておきながら今まで「ムジナ」を誰にも薦めたことがありません(相原先生、すみません)。でもいろいろな方に知ってもらいたいです。



30年前の忍者マンガを毎年読み返すほどお気に入りなワケ

「ムジナ」は、1992年7月に連載が始まった30年以上前の作品です。主人公である落ちこぼれ忍者の名前がムジナです。

相原先生が「ムジナ」を描こうと思われたのは、忍者マンガ「サスケ」や「カムイ伝」などの作者 白土三平(しらとさんぺい)先生の大ファンだったからだそうです。白土先生に感謝

(追記)白土三平先生が2021年10月8日にお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします。

そんな忍者マンガ「ムジナ」が本当に素晴らしいのです。

(1)登場人物が全員魅力的

「ムジナ」には、当然ですが多くの忍者が登場します。何人(何忍)か紹介します。

◆あることが原因でパニックになって刀をメチャクチャに振り回し、誤ってムジナの右手の小指を切り落としてしまうが「おあいこ」と言って笑顔で自分の左手首を刀で切り落とす、忍者になれないことを喜ぶ幼なじみのガンモ

登場シーンは少ない※のにバックストーリーが分厚くて忘れられないキャラクターです。重要なシーンで登場しムジナに重大なあるきっかけを与える絶対外せないキャラで、真っ先に頭に浮かんだのがガンモ(忍者じゃないけど…)。ガンモのエピソードは悲しくて読むのが本当にツラいです。

※9巻 第六章 巻の二十 雁擬(がんもどき)と巻の二十一 瞋怒(しんど)の冒頭で登場。

◆下忍を平気で消耗品扱いする、ムジナらが所属する卍の里の首領 百目鬼幻也斎(どどめきげんやさい)の横暴ぶりに嫌気がさして組織から抜けるエリート忍者のシロベ。組織を抜けた者の家族は「鋸挽き(のこぎりびき)の刑※」に処されるが、家族が残酷な処刑にあうのを避けるためシロベ自らの手で妻子の首をはねてしまう…。

※首から下を埋められ地中から出た罪人の首を竹でできた切れ味の悪いノコギリで通行人によって自由に引かれる刑。死ぬまで何日も何日も苦しまないといけない。

組織を抜けた者は口封じの為殺害しなければならないので、逃げても逃げても元仲間が執拗に追ってくる。元仲間を殺さなければならない葛藤に負けて、エリート忍者でありながら誤って一般人を殺してしまうほど追い詰められ理性が崩壊していく描写※がリアル。

※1巻 第二章 巻の一 抜け忍(ぬけにん)から巻の十 跳頭(はねがしら)で読めます。

◆ムジナの父ゴキブリの兄 才蔵は、知らない者はいないほどの優秀な忍者でしたが、過酷な任務が続いた為にある任務で敵に捕らわれてしまう。身分がバレないように棒手裏剣で自分の顔を切り裂き自害しようとするが敵に阻止され捕らわれてしまい、組織を明かすためのエグい拷問を受け続ける。決して口を割らない才蔵の元に同じ組織の仲間が忍びこんでくる。才蔵は救出しに来てくれたと喜ぶが、その仲間は口を割ることを恐れた首領 幻也斎の命令で才蔵を殺害してしまう。

才蔵は、ゴキブリがムジナに語る形で登場しますが、忍者世界の過酷さをたった3ページで描く相原先生の表現力、構成力が凄いです。才蔵が死んだ後の妻と娘についても描かれているのですが残酷すぎて書けないので、コミックスで確認※してください。

※1巻 第一章 巻の二 鮟鱇(あんこう)で読めます。

◆とある理由で全身のあらゆる体毛を剃り常にふんどし一丁というあやしい容姿。そんな風貌なのに真っ暗な部屋に放たれた3匹のコウモリを同時に斬ることができる、忍者集団 百鬼衆(ひゃっきしゅう)のヤバ過ぎる大頭 観世音(かんぜおん)。

とんでもない身体能力を持った恐ろしい奴ですが、観世音の身体にはある秘密が…。
そんな観世音との戦いがきっかけでムジナは忍者としてグンと成長します。

※百鬼衆と対決するエピソードは、2巻 第三章 巻の一 初陣(ういじん)から。

◆ある任務で囮(おとり)役として使われて大勢の敵に囲まれて殺害された夫ゴキブリへの復讐の為、色仕掛けを使って卍の里の首領 幻也斎の殺害を試みるムジナの母アヤメ

任務に行っても手柄も無く毎回コソコソ生きて帰ってくるだけの夫ゴキブリに不満だらけだけど、実はメチャメチャ愛していて自身の危険を犯してまで幻也斎に復讐しようとするアヤメの夫への愛の形が美しい…。特にゴキブリの死を聞かされたときの泣き顔※をみるとこちらも泣けてきます。
復讐シーンの閲覧要注意度:★★★★

※1巻 107ページ 3コマ目。

一応、夫ゴキブリのフォローを…。

◆ムジナと同じ組に属する、実力はあるが性格がゲスすぎて仲間からの信頼度はゼロのサジ。失敗ばかりするムジナに執拗に不満をぶつけ続け、ムジナが手柄を取ったら取ったで嫉妬して殺しかける。

サジは本当にイヤな奴です。でもストーリーが進むに連れて立場や性格が激変していくので、サジには注目しながら読んでいただきたいです。全編に登場する準主役です。

◆そして、話が進むたびに首領 幻也斎への怒りが爆増しまり、最終回ではメチャメチャとんでもない状態になる主人公のムジナ

ストーリーは6つの章に分かれていますが、はじめは落ちこぼれだったムジナ、章が終わるたびにどんどん強くなる!やっぱりマンガの主役だしなーと思っていたら、肝心なときにだめっぷりを出してくるので、予想をさらっと裏切られます。
忍者は超人でもヒーローでもなくあくまでも人間であることを相原先生は一貫して描かれています。これが馴染みない忍者マンガでも親近感がわきます。

他にもたくさんたくさん出てきます。各巻の目次ページの登場人物紹介欄を見ると興奮してきます(本編にはいっさい出てこない謎のくノ一がどの巻でも紹介されているの謎)。
ガンモ以外のキャラクターは1,2巻で登場しますので、取りあえず最初の巻だけでも読んでいただきたいです!

(2)ストーリーは完成度が高く、程よいページ数なので読みやすい

人気故に話を長引かせてページ数を稼いだり、人気低迷故に早期打ち切りさせるために駆け足で最終回を迎えたりする作品を見たことはありませんか。「ムジナ」はそういうことはなく、ストーリーはほぼ相原先生の構想通りに描かれています。

連載の終了時期で編集部と揉めたそうですが、構想通り描ききっていただいて本当にありがとうございます!
「相原コージのファミコン・スーパーファミコン全仕事」や「Umezz Note」※のような構想をまとめた資料があるのでしたら読んでみたいです。

※楳図かずお先生の「漂流教室」のアイデアがまとめられた手書きノートの複製本。「UMEZZ PERFECTION 14歳」全巻購入者特典。非売品。

ムジナの成長や復讐の過程が丁寧に描かれていながら、脇キャラクターのエピソードが充実していたり、マンガ表現の実験(後述する実験シリーズ)が突然始まったりして、のめり込み要素がどんどん出てきます。

はじめから登場しているあの○○が実は●●だったり、△△の正体が▲▲だったり、□□が■■になってしまったり(スミマセン、ネタバレになるので伏せ字で…)と、とにかくどんどん予測不能な方向に話が進むので続きが気になって中断することができなくなります。でも大丈夫です。全9巻、総ページ数1,943ページ(各巻最終ページのノンブルの合計)、程よい長さです。今すぐ読み始めても大丈夫です。

ムジナの脱獄劇、どんな話になったんだろう…。妄想が絶えません。

映画化の話があったほどの完成度の高いストーリー。HAPPY ENDのラストまで一気に読まれることをオススメします!

(3)作品を重厚にする、忍術や武器の詳細解説、脇キャラクターの分厚いエピソード

「ムジナ」には超能力のような忍術は出てきません。実現不可能のように思える忍術や忍者の能力が描かれても相原先生は作中で原理や方法を解説されています。

例えば、シロベが重要な場面で使った発破死装隠れの術(はっぱしそうかくれのじゅつ)については、図入りで解説をしながら、読者が抱くであろう疑問について丁寧に説明し、最後には
「それでもまだ何か疑問があるという方は、ハガキなりなんなりよこすがよろしい。全てに答える用意がある」※1巻216ページより。
と強気に締めくくります。

解説ページでは図も交えていますが、ほぼ文字だけで1,2ページを使っています。内容を考えるのも解説を書くのも相当時間をかけているはずですし、このような解説はなくてもマンガ作品としては成立しそうなのですが、それでも時間をかけて書かれているこの解説が作品をリアルにします。

また、ムジナの父ゴキブリが最後の任務で敵の忍者を倒した直後に、殺した忍者の妻と2人の子どものこんなシーンが挿入されます。

子どもA「お母ちゃん、お父ちゃん明日帰って来るんでしょう?楽しみ~!」
妻「そうよ、なにせ半年ぶりだものね。しかも任務から帰ったら、今度こそ中忍に取り立ててくださるそうだから、今より少しはいい暮らしができるようになるわ」
子どもB「うわーい、でもお父ちゃん約束のでんでん太鼓、ちゃんと買ってきてくれるかなあ」

そして殺した忍者の懐にはでんでん太鼓が…涙。

一瞬しか登場しない名もない忍者の家族のシーンは1コマで描かれています。たった1コマだけだしこのエピソードは無くてもいいのでは、と思われるかもしれませんが、(上述したガンモのエピソードなどもそうですが)こういう脇キャラクターのエピソードの積み重ねが、読者が忍者世界の厳しさを知る大事な要素になっているんです。

こういう本編に直接関係無さそうなエピソードや解説を本編に散りばめるところはRPG的だなと思っていたら、相原先生がシナリオ、ゲームデザイン、キャラクターデザインを担当したスーパーファミコン用RPGソフト「イデアの日」に繋がっていったのでは!とふと気付いて発売日を確認すると「イデアの日」は「ムジナ」の連載中(2,3巻が発売された頃)に発売されていました。さらに相原先生のお子様 相原民人(あいはらたみと)さんが産まれたのは「ムジナ」の連載が始まった1992年です。ということはこんな名作を毎週雑誌に連載しながら、子育て、ゲーム開発もしていたのではないかと考えられます。相原先生、鉄人的…。

1994年7月 ムジナ3巻発売
1994年3月 イデアの日発売
1994年1月 ムジナ2巻発売
1993年5月 ムジナ1巻発売
1992年7月 ムジナ連載開始
1992年 お子様誕生(月日は分からないので連載開始後かもしれない)

これだけお気に入りなのに「ムジナ」をオススメできなかったワケ

矛盾しますが、薦められませんでした。

(1)単行本を買いたくても買えなかった。
(注)今は買えます!

私が「ムジナ」を知ってすぐに本屋に駆け込んだのですが、ときすでに遅く書店には並んでおらず、新品で全巻を購入する事はできませんでした。

どうしても買って読みたかったのですが泣く泣くあきらめてマンガ喫茶へ通って読みました。

購入をあきらめて数年が過ぎた2012年2月に「ムジナスペシャル」というタイトルで日本文芸社よりコンビニコミックとして発売開始されました(日本文芸社様、本当にありがとうございました!)
どこのコンビニでも買えるのだろうと思っていたのですが、発売日に近所のコンビニを数件回っても無く、入荷が遅れてるのではと思いその後何日か回っても無く、有力情報も無く。途方に暮れていたところ楽天ブックスで販売していることを見つけてようやく購入できました。

なぜか最終巻は楽天ブックスではなく別の通販サイトで注文したのですが、いつまでも発送されず2週間後に「商品確保されませんでした」とのメールが…。楽天ブックスでも既に売り切れ。急いで近所のコンビニを探し回ったのはいい思い出です(買えました)。

苦労して入手した「ムジナスペシャル」ですが売り切れると入手できなかった(おそらく雑誌のような扱い)ので、再び「ムジナ」を購入できない状態が続いてしまいます。

ですが!2014年9月には小学館より待望の電子書籍が発売されました!
ようやくいつでも誰でも購入できる状態になりました(小学館様、ありがとうございます!)。

電子書籍が出たときは嬉しすぎて、即全巻まとめ買いしました。

(2)とにかくエログロシーンが多すぎる

長編作品なので忘れがちなのですが、「ムジナ」はギャグマンガ家 相原コージ先生の作品です。ですのでエロシーンが随所に出てくるのは当然なわけですが(相原先生の作品未読の方、疑問には思わずそういうものと思って下さい!)、忍者マンガゆえ殺人シーンも多く、目をそらしてしまうほどのエロいシーン、グロいシーンが頻出します。ですが、読み進めると厳しい忍者社会を描く「ムジナ」にはエログロシーンは欠かせないことが分かるので苦手でもしばらく我慢して読み進めて下さい!ストーリーに引き込まれてエログロシーンにはすぐに慣れると思います。(注)個人的な意見です…。

という理由で薦めづらかったのですが、名作なのでやはり多くの方に読んでいただきたいです。

電子書籍の販売サイトでは試し読みができるので、冒頭部分だけでもまずは読んでみて下さい!紙書籍と違って値下がりすることもあるので、買いやすいです!是非!
※関係者ではありません!PR記事でもありません!

今「ムジナ」を読む方法

現在「ムジナ」を読むことができる方法は2種類(+1種類)あります。

(1)電子書籍
残念ながら現在は紙書籍は購入できませんが、小学館から電子書籍が出版されています。
小学館のサイトで電子書籍を購入できるサイトを確認できて、全巻の冒頭11ページ(1巻は31ページ)分を試し読みできます。
ヤングサンデーコミックス | ムジナ | 相原コージ
※リンク先は小学館のサイトです。

また、小学館eコミックストアでは1話ずつの購入が可能です。1話40円(税別)。
ムジナ | 小学館eコミックストア
リンク先は小学館eコミックストアのサイトです。

(2)オンデマンド印刷
コミックパークにて、注文を受けたコミックスを印刷/製本して、紙書籍の状態で送られてきます。各巻990円(税込)です。
ムジナ全9巻 相原コージ | コミックパーク
※リンク先はコミックパーク(運営はコンテンツワークス株式会社)のサイトです。

オンデマンド印刷できることはこのnoteを書いてるときに知りました。利用したことも無く詳細は分かりません。

(3)復刊リクエスト
復刊ドットコムでは「ムジナ」コミックス(紙書籍)の復刊リクエストを受け付けています。
ムジナ 復刊リクエスト投票ページ
※リンク先は復刊ドットコムのサイトです。

(資料1)コミックスタイトル、発売日一覧

2014年9月22日 電子書籍版ムジナ1~9巻
2012年5月26日 ムジナスペシャル 根切りの巻
2012年4月26日 ムジナスペシャル 革命の巻
2012年3月26日 ムジナスペシャル 百鬼衆の巻
2012年2月27日 ムジナスペシャル 卍衆の巻
1997年8月5日 ムジナ9 臨兵闘者皆陣裂在前りんぴょうとうしゃかいじんれつざいぜん の巻
1997年3月5日 ムジナ8 戦国忍者地獄絵図 せんごくにんじゃじごくえずの巻
1996年8月5日 ムジナ7 頓痴気跳梁跋扈とんちきちょうりょうばっこの巻
1996年2月5日 ムジナ6 南無阿弥陀仏なむあみだぶつ の巻
1995年7月5日 ムジナ5 血盟革命軍けつめいかくめいぐん の巻
1995年1月5日 ムジナ4 同盟罷業どうめいひぎょうの巻
1994年7月5日 ムジナ3 観世音かんぜおん の巻
1994年1月5日 ムジナ2 百鬼ひゃっき の巻
1993年5月5日 ムジナ1 まんじの巻
1992年7月 週刊ヤングサンデーにて連載開始
※ムジナ全9巻は小学館より、ムジナスペシャル全4巻は日本文芸社より発行。

ヤングサンデーコミックスの各巻のタイトルの文字数と巻数が同じになってます。
ちなみに、9巻のタイトルは「りんぴょうとうしゃかいじんれつざいぜん」、7巻は「とんちきちょうりょうばっこ」、4巻は「どうめいひぎょう」と読みます。
(追記)noteのルビ機能でふりがなをつけました。

各巻のタイトルもストーリーと同様にはじめに構想していたのなら凄すぎます、相原先生!

(資料2)実験シリーズ一覧

「ムジナ」の各話ごとに、テーマ(しばり)に沿った描き方する漫画表現の実験が行なわれています。ストーリーとは直接関係ないですが、合わせて読むと面白さ倍増です。

実験シリーズ
第三章 巻の六 亀(2巻)から巻の二十八 躑躅(4巻) で読めます。

その1 構図に凝ってみる
その2 擬音・描き文字に凝ってみる
その3 コマ割りに凝ってみる
その4 オリジナルの効果バックで勝負
その5 様々なデータを入れ込んでみる
その6 普通なら大きくすべきコマを小さく、小さくすべきコマを大きくしてみる
その7 筆で描いてみる
その8 全てのペン入れをアシスタント(北野龍美)に任せ、先生(相原コージ)はキャラクターの目だけ描いてみる
その9 漫画記号の復活
その10 余談を入れてみる
その11 デフォルメを効かせてみる
その12 フキダシに凝ってみる
その13 コピー機を新調して嬉しいので、その機能をフル活用して漫画を構成してみる
その14 今回の実験は「もったいつけてみる」でした。
その15 マチガイを捜してください
その16 普通、ストーリーとは関係ないので描かれない、いろんな生物を含めて描いてみる
その17 ツッコミを入れてみる
その18 講談調で描いてみる
その19 全てのコマ背景を入れてみる
その20 同時刻帯における、それぞれ異なるシーンをシンクロさせてみる
その21 この章もいよいよ大円団を迎えるので、物語上では既に通り過ぎた事柄の、その後までフォローして描いてみる
その22 漫画にもBGMをつけてみる
その23 そこで聴こえる音を入れ込んでみる

(資料3)いきなりの実験シリーズ一覧

いきなりの実験シリーズ
第五章 巻の七 追っ手(7巻)で読めます。

擬音を漢字で描いてみる

名前の通り突然始まりますが、「いきなりの実験シリーズ」はこれひとつだけでした。

(資料4)新・実験シリーズ一覧

新・実験シリーズ
第六章 巻の二 梟(8巻)から巻の三十二 落涙(9巻)で読めます。

1 映画として描いてみる

1コマ目は小学館のマークが出てくるのですが、「ムジナスペシャル」は日本文芸社から出版されたため描き替えられたそうです(気付かなかった、何に描き換わったんだろう…)。

2 夜を夜として暗く描いてみる
3 動線・スピード線・集中線を使わずに描いてみる
4 秘密。

実験の内容は未だに分かりません…。

5 超ドアップで描いてみる
6 ワク線に凝ってみる
7 性器を擬動物化してみる
8 無声映画風に描いてみる
9 フキダシのこの部分なしで描いてみる
10 ホワイトを使わずに描いてみる
11 人間の皮膚の部分をベタでつぶしてみる
12 漫符を文字で代用してみる。
13 コマとコマの間隔を一定じゃなくしてみる
14 サブリミナルテクニックを使ってみる
15 象徴表現の多様
16 霊ごと描いてみる
17 随所で思い出をフラッシュバックさせてみる
18 伊賀忍者に化けているムジナの着衣を透けさせてみる
19 スーパーカップ1.5。~いつも1.5倍の密度でお届けします~
20 スーパーカップミニ0.5。~前回の反動により、いつもの半分の密度でお送りします~
21 ちょっと「赤色エレジー」入り
22 お楽しみエロ仕掛け入り
23 死表現のあれこれ
24 文字の使い方を工夫してみる&トレペコピーテクニック
25 こんな見開きどうかしら
26 使用している道具を明示してみる
27 画のタッチを変えてみる
28 暗黒描写で、できるだけ暗さを出す
29 痛みを忘れずに
30 本文とは関係ないものを入れてみる
31 長いネームをいかに読ませるか

新・実験シリーズ31の次の回(第六章 巻の三十三 玉砕)には「実験シリーズなんかやってる場合じゃなくなってまいりました」と一文が添えられ、実験シリーズは終了しました。


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