我々はかつて、結構仲良く喧嘩してたと思う。

でも、ある日から喧嘩をしなくなった。
必要業務のみを話す日々が続いた。

ある日、飲みの場にてアルコールの勢いもありジェリーは久し振りに噛みついた。
ところが、
「トムはネズミが猫にかみつくとはどういうことだ!
噛みつくなら猫になってからにしろ!」
と言った。
”そんなの無理だ”と反論すると、ならばいなくなれ、と。

ジェリーはその言葉を励ましと受け取った。
遊び相手としては弱くつまらなかったんだろう、と。
もっと強くなろうと心に決めた。

それでも、決心はしたものの強くなる方法が見当たらない。
当面、生きていくだけの為に、今までと変わらない生活を送った。

しかし、喧嘩もしない家の中は生きていくにはつまらなさすぎた。
だんだんと愚痴が多くなり、「いつか出ていく、いつか出ていく」と
他のネズミに風潮するようになった。

それを聞いたトムは
「他のネズミの迷惑になる、早く出ていけ」
と再び言った。

その時、ジェリーはハッと気付いた。
今の自分は生きていくためだけに生きていること。
生まれてきた意味がない事を。
しかも、大切なネズミ仲間へ自分の不満をぶつけてしまっていたこと。

”いつか”ではなく、”今”出ていかねばならない事を。



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去年12月に前職の事を思い、書き残してたメモがあったので書いてみた。

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