元嫁が先週亡くなった 
元嫁としてはどーでもいいが、娘の母親

もう半年以上、ステージ4bのガンだと聞いていた
元嫁としてはどーでもいいが、娘の母親

この半年間、最後に会わんでエエのかと問い続けた
元嫁としてはどーでもいいが、娘の母親

それでも構わんと言う
会うのは次回で構わんと娘は言う
それはそれで構わんと父親は言う

言わずもがな、「次回」とは来世の事
それもまた良いな、と父は思う

そして、先週その時は訪れる

なるほど、こんな感じかとひとり思う

さて、娘はどうか?

「実際」どうかね?
と、問う

色々考えた…という言葉から切り出す

「色々考えた 
何かが欠損した感じがした
だか、よく考えると何も変わらない
私の生活は何も変わらない
これからも変わらない
私自身も変わらない
何一つ変わらない
だが、何かが欠損した
これは何か?」

問題提起をしつつ続けた

「私が知らない私を知る人間がいなくなったこと
これが、自分の一部を失った感覚になった
もう2度と取り出せない
もう2度と聞くことができない
それがなくなったことによる喪失感があるのではないか」
と。

 少ない沈黙の後、こう言った

「昨日の小ネギと同じだね
認知さえしなければ、認識は変わらず、何一つ生活を変えることなく過ごせた
だが、認知する事で認識が変わり、私自身も変化してしまった
物質が変わらずとも変わってしまうのは、非常に興味深い現象だな」

小ネギのクダリで、こう繋がると思わなかったでしょ🤣

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