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ChatGPTを使った海外の革新的サービス7選

ChatGPTはもう試しましたか?バリバリ業務に活用している方も入れば、セキュリティ面や生成された回答の信憑性への懸念から控えている方など様々かも知れません。

ChatGPT関連でニュースのヘッドラインを飾るのは『ChatGPTに●●を聞いてみると・・・』のような“お遊び”系の記事が多い印象ですが、SEO対策への転用など、テキスト生成や編集技術を活用したサービスも誕生しています。

しかしこの手のサービスでよくあるように、このChatGPTは既に海外で様々な活用がなされています。普段使い、特に無料版はシンプルなテキスト生成系AIですが驚くべき用途の事例があります。「その手があったか!」なアイデアでこの最先端AIを活用しているんです。

という訳で本稿では、海外(英語圏)で開発・リリースされているChatGPTを使った面白いサービスを7つ紹介したいと思います!

1,Replika(AIフレンド)

▲Replikaのキービジュアル(参照:https://replika.com/)

サンフランシスコの企業Luka, Inc.社が提供するチャットbotアプリ。単にお喋りを楽しむだけのサービスではなく、アプリ上でユーザー・AIそれぞれのアバターを作成しまるで本物の人間と時間を過ごしているような感覚を味わえるまったく新しいタイプのAIチャットbotで、アプリストアでは“World’s first AI friend”と銘打たれています。

このbotに導入されているのがChatGPT。2023年5月現在iOS、Android、Oculus版がリリースされています。アバターの切り返しは非常に生々しくリアルで、アバターの見た目はもちろんアバターと過ごす「部屋」のカスタマイズまで出来るなど拡張性の高いサービスです。

最近はライブ配信アプリの広告で「寂しくない?お話ししようよ〜」みたいな映像が流れてきますが、この市場にAIが食い込んでくるのも遠くないかも知れません。

2,Virtual Speech(オンライン研修)

▲Virtual Speech(参照:https://virtualspeech.com/)

ロンドンの同名企業が開発したオンライン研修サービス。プレゼンや商談、リーダーシップスキルといったビジネスで求められるコミュニケーションスキルを完全オンラインで習得出来るという、一見一般的なe-Learningサービスです。

こちらがどうChatGPTを使っているかというと、何とChatGPTをアバター化し、実際に学習者とのコミュニケーションをロールプレイングで体験出来るというコースを開設。イメージがつかない方は以下の動画を見てみてください。

このコースでは商談、カスタマーサービスなど25種類以上のシナリオでChatGPTとのロールプレイングを体験出来るとされています。また仕組みは公開されていませんが、リアルタイムで内容をフィードバックする機能も実装されているようです。個人的には英会話学習で実装されたら凄いことになるんじゃないかと思いました(・_・;

3,Snapchat(チャットボット)

▲Snapchatの新機能“My AI”(参照:https://newsroom.snap.com/ja-JP/say-hi-to-my-ai)

2023年2月時点で全世界のMAU7.5億人を誇るアプリSnapChat。これまで紹介してきたサービスに比べると老舗に入りますが、同月有料ユーザー向けに“My AI”と名付けられたAIチャットbot機能を実装することを発表しました。このチャットbotがChatGPTで出力されていることも明らかになっています。

具体的には、ディナーのアイデアや親友へのプレゼント候補のリストアップ、週末の過ごし方のレコメンドといった使い方が出来るとされています。一方オリジナルのChatGPTのような検索機能は無いとのこと。Snapchatはコミュニケーションアプリなので、あくまで『ユーザー同士のコミュニケーションを促進する機能』に注力しているのかも知れません。

ちなみにSnapchat社のリリースではお題に応じた「俳句(haiku)」も詠めるぞ!と書かれているのですが、少し界隈で話題になったようにChatGPTの俳句の完成度は・・・という感じなので、あくまで英語。圏の方が楽しむものとしての”haiku”に限定されると思った方が良さそうです(今のところは)

4,be my eyes(画像のテキスト化→音声読み上げ)

▲be my eyes上で洋服の画像情報を文字起こししている場面(参照:https://www.bemyeyes.com/ 内の紹介動画より)

be my eyesはデンマークのアプリで、視覚障害者向けのオンラインボランティアプラットフォームとも言えるサービスです。

基本的にはユーザー(視覚障害者)とボランティアをビデオ通話で繋ぎ、ユーザーの日々の暮らしで発生する不都合や困難をボランティアが解決するというプラットフォームです。ここまでの流れでお気づきかも知れませんが、be my eyesがChatGPTを活用しているのはこのボランティアをChatGPTにリプレイスするという部分。厳密にはChatGPTと言うよりGPT-4を使っています。

GPT-4には画像の情報を文字起こしする機能が実装されています。この機能を使い、ユーザーがスマホで物を撮影→アプリ上でオブジェクトの概要を文字起こし→文字を音声で読み上げるという一連の流れをワンストップで実現。

例えば服を撮影して送信すると色や形を読み上げてくれます。また植物を撮影すれば種類を回答し、更には外国語の入った商品を撮影すると英語に翻訳・・・とまさにChatGPTの画像認識技術をフル活用したバーチャルボランティアとしてGPT-4が実装されているのです。

もちろん人間のボランティアに取って代わるレベルではありませんが、恐らく都度ビデオで繋げるまでもない、日々の細かいニーズにはある程度対応出来るのではないでしょうか。

5,Dandy(レビューへの自動返信)

▲Dandy社の自動返信を解説した画像(参照:https://getdandy.com/automated-review-reply/)

ChatGPTはチャットbotなので、真っ先にビジネスへのインテグレーションが思い浮かびそうな分野の一つはCSですね。

この分野では既にChatGPTを使った様々なサービスがリリースされていますが、個人的におおっと思ったのがレピュテーション・マネジメントエージェンシーであるアメリカのDandy社。「レピュテーション・マネジメント」はあまり聞かない言葉かも知れませんが、要するに企業やサービスに関する評判(レビュー)を改善する取り組みのことです。

Dandy社が今年3月にリリースしたのは、レピュテーション・マネジメントの一つであるネット上のレビューに対し、ChatGPTと自社AIを使って自動返信するという機能です。具体的には、Googleマイビジネスをはじめとしたオンライン上のレビュー(3月段階では「星4つと5つのレビュー」)へ自動的に返信することが出来るそうで、その内容もローカルSEOを考慮した文面になるとされています!ChatGPT、SEO対策には他のサービスをワンクッション置かなければならないイメージがあるのでこれは嬉しいですね。

星4つと5つのみ、ということは現段階では肯定的なレビューへの簡単な返信に限られるのかも知れません。ただGPTが更に進化すれば否定的なレビューへの複雑な返信が出来るようになるのも時間の問題ですね。

6,アップステージ(OCR処理とのインテグレーション)

アップステージ社は韓国のソフトウェア企業で、主にAIソリューションを提供している会社です。同社が提供しているソフトウェアにGPT-4を導入した“AskUP Biz”のベータ版が最近リリースされました。

▲“AskUP DOC”のキャプチャ(参照:https://ja.upstage.ai/askup/doc0.)

“AskUP Biz”では大きく3種類のソフトが提供されており、

文書データをアップロードするだけで要約・検索・AIとの自然な「質疑応答」(つまりチャット)といった様々な情報取得の効率化が出来る“AskUp DOC”、Webサイトを訪問したユーザーとの自然かつ確実なコミュニケーションを実現するチャットbot“AskUp Web”、そしてSlack上でGPT-4を活用出来る“AskUp Slack”がそれぞれラインナップに並んでいます。

チャットbotへの活用や社内コミュニケーションツールとの連携は容易に想像がつきますが、文書管理や運用と連携させるのは画期的ですね。地味ですがあるとかなり便利なのではないでしょうか。

7,GPTZero(AI生成テキストチェッカー)

最後は企業ではないのですが、ChatGPTを使ったソフトウェアなので紹介しておきます。

GPTZeroは、テキストが人間によるものなのか、それともAI(=ChatGPT以外も含む)によって生成されたものかを判別することができるWebサービスです。作ったのは何と弱冠22才のプリンストン大学の学生(元Microsoft社のインターンだった模様)。同大学の学生による研究に基づいた手法で構築されています。

GPTZeroは無料で公開されており、会員登録をせずとも無料で利用することが出来ます。使い方はシンプルにテキストをコピペして“GET RESULT”を押すだけ。何とこのサービス、日本語のテキストでもいけます(テキストは最低250文字以上必要)。

実際に試してみましょう。
まずは本稿の冒頭テキストを適当にコピペし判定してもらいました。

すると「文章全体が人間に書かれているようです」とおっきく表示されました!ちなみにこの“likely”がポイントで、AIかどうかの判別は「完璧」ではないと言われています。が、概ね高い精度を誇っているようです。

続いてChatGPTで生成したテキストを入れてみます。

今回は「縄文時代について300文字で教えて」と聞いて生成された回答文をGPTZeroに入力してみました。すると・・・

「AIが書いたっぽい」と表示されました!

開発者は当面、このサービスを教育向けに公開すると表明しています。先日も東大がChatGPTについて声明を発表するなど、教育業界でもどう向き合うかが問われている昨今ですが、こういうソフトがあれば学生の間でAIに丸々レポートを書かせようとする動きは減るかも知れません笑。

テキスト利用だけじゃない!ChatGPTを使ったサービス

いかがでしたでしょうか。ChatGPT=チャットやテキスト周りで使うイメージが依然強いものの、アイデア次第では実に様々な応用が出来ることが分かりましたね。

紹介したサービスはいずれもスモールスタートなので、使えるシーンや機能は既存の者に比べると限定的です。しかし時間の問題でしょう。

ChatGPTをいまいち仕事で活かす方法が分からなかった方は、是非本稿をヒントに色々試してみてください。ここに紹介しなかったツール以外でも無料で使えるものが沢山ありますから、もしかしたら日々のルーティーンが劇的に変わるかも知れませんよ。

参照サイト


https://haiku.kaigonokaeru.info/entry/2023/02/27/141209
https://newsroom.snap.com/ja-JP/say-hi-to-my-ai
https://ja.upstage.ai/askup/doc
https://www.bemyeyes.com/
https://finance.yahoo.com/news/chat-gpt-ai-powered-automated-220900085.html
https://virtualspeech.com/
https://www.digitaltrends.com/computing/gptzero-how-to-detect-chatgpt-plagiarism/
https://replika.com/
https://www.todaishimbun.org/chatgpt_20230409/
https://ja.upstage.ai/askup/doc
https://www.analyticsinsight.net/top-10-start-ups-powered-by-gpt-3-that-you-should-know-in-2023/
https://getdandy.com/automated-review-reply/

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