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【映画100選 超ショートレビュー 第13回】黒い罠(1958)

 時限爆弾を操作する手のクローズアップから縦の構図の望遠ショットを挟んでの横移動の後、俯瞰ショットとトラックバックにより車を追いかけながら1組の夫婦と交差させ、車が過ぎ去った後の彼らのキスシーンでの爆発音までの映画史に残る神憑り的な冒頭の長回し。
 シャープなカッティング・イン・アクションとビートを刻むジャズがこの映画のドライブ感を半端ないものにし、仰角のクローズアップが画面を占拠するオーソン・ウェルズの圧倒的な存在感を悪魔的に輝かせ、ローキー照明の陰影の深さがその凄みを際立たせる!

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1958年製作/96分/アメリカ
監督:オーソン・ウェルズ
原題:Touch of Evil
日本初公開:1958年7月5日


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