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【映画 超ショート時評】透明人間

 エリザベス・モスが監視カメラの張り巡らされた家から逃げ出すオープニングは、この映画の主題が「視られること」であることを告げ、無人のショットが招き入れるフレーム外の不穏な視線は次第にミソジニー的な暴力へと転化していく。
 不可視の視線に絡めとられたエリザベス・モスは、極限までその身を曝すことによって対峙する透明人間を可視化し、視られる者から視る者へと転換した彼女のバストショットは、不可視の魔力を飲み込んだ無敵の表情となり、彼女自身を束縛の外へと解放する!

2020年製作/122分/PG12/アメリカ
原題:The Invisible Man
監督:リー・ワネル

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