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ももこ先生の願い

「さーお友だちのみんな! 今日はクリスマスイブですよ! 元気にお歌を歌いましょう」 「はーい」 ♪じんぐっべーじんぐべーくりすーますー♪  園児たちの可愛い歌声が教室に響く。  私が勤める保育園はシーズンごとにイベントが開催されるが、中でもクリスマスは盛大だ。  園児たちの父兄も参加し、歌や踊りなどの出し物が披露される。それと園児たちのサンタさんへのお願いもとても微笑ましい。リカちゃん人形が欲しいとか普通に子どもっぽいことを書いている子もいれば、ポルシェが欲しいとか、○○くん

    • 骨になってもハートは残るぜ!

      チバユウスケが亡くなった。 今年芸能人の訃報がたくさんあったけど、自分的には間違いなく一番ショックでした。いや今年に限らず一番ショックでした。 アベフトシが亡くなったのがうちの娘のbirthdayの1日前だったけどチバユウスケが亡くなったのが俺のbirthdayの1日前、11月26日でした。 自分の世代は中学高校の頃がバンドブームど真ん中だったんだけど、ちょうど90年代に入ったあたりからMTVとかスペースシャワーTVとかが家で観られるようになってさらに色んなバンドが出てきた

      • オカルトにはニュートラル。

        皆様こんにちは。ヒデキングです。 いつもSSとか読んで頂いていらっしゃる方、ありがとうございます。 えっと今日は久しぶりの随筆です。お付き合いお願いいたします。 ちょっと自分でもまだ整理がついていない出来事なので、散らかった文章になるかもしれません。 今年、八月にとても悲しい出来事がございました。 だいぶ端折りますが、かれこれ10年来ともに仕事をしてきた仲間(同い年)が俺と二人で現場で作業していた際、俺の目の前で事故で亡くなったんです。 お盆休みの前だったので今年はず

        • グッドボタンは励みになります。

          「はい、という訳で始まりました。島田正平のお怪談チャンネル。司会の島田正平です。今日のゲストはなんと! 犯罪撲滅系動画で今話題のこの方に来て頂きました」 「はいどうも、こんにちは。ヒデキングチャンネルのヒデキングです。よろしくお願いします」 「いやーついに。この番組に来て頂く事が叶いました。知ってる人も多いかとは思いますが、ヒデキングさんは痴漢とか盗撮を捕まえたり、詐欺案件に突撃取材をされている方です。詳しくは詳細欄にリンク貼っておきますのでよかったらチェックお願いします」「

        ももこ先生の願い

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        • 気まぐれエッセイ
          8本
        • 裏切りSeries
          3本
        • 成人玩具009~こけしマンの憂鬱
          10本

        記事

          #彼女の葬式なう

          「はい、という訳で今日はこれから彼女のお葬式です」俺はスマホに向かってつぶやいた。    あれはバレンタインの数日前の事だった。 以前自分がネットに投稿した、回転ずし店で割り箸を口に入れて唾でべとべとにして戻す。という動画があまり伸びなかったので、俺は派遣先の食品加工工場で次のネタを考えていた。  クリエイティブなのにボーっとしているように見えたのか、先輩からめちゃくちゃ怒鳴られた。チョーむかつく。あ、閃いた。次のネタ。 翌日、後輩にスマホと千円札を手渡し、自分を撮影するよう

          #彼女の葬式なう

          恋人は三田九郎師

           ああ、あの人の話ですね。いいですよ。私が知っていることはお話します。と、向かいに座る初老の女性、新井由美子は語り始めた。  昔はね、あの人は本当に奇麗でお洒落でそれは近所のみんなの憧れだったのよ。ファッション誌から出てきたような、仕事できるOLみたいな感じで自信があふれていたのよね。  私、大学の時に実家出て一人暮らししていたんだけど、何年目かの年末のお休みで帰省した時に、彼女と道端でばったり会ったら、なんかもう急激に老けたというかヤツれたというか、別人になっていたのよ。

          恋人は三田九郎師

          ブロードウェイミュージカル ジャニスについて

          先週の金曜日、ブロードウェイミュージカル・ジャニス。千秋楽を観に行ってきました。素晴らしいショーでした。本当にあの場にいられて良かったです。 主演ジャニスジョップリン役を務めたアイナジエンドの元々ファンで、ジャニスはそれこそ高校生くらいの頃からずっと好きだったので、公演が決まってからずっと楽しみにしていました。 以前、東京スカパラダイスオーケストラのライブ映像を観た時に、BiSHがカナリヤ鳴く空を歌っていたのですが、元々ミッシェルガンエレファントが好きでチバユウスケの大ファン

          ブロードウェイミュージカル ジャニスについて

          ショートショート書く時の参考に。ならないか

          皆様お疲れ様です。ヒデキングです。 ワタクシ、趣味でショートショートを書いている関係で、ツイッターやnoteなどで同じくアマチュアの方の作品をたびたび読ませて頂いております。 面白いものや個人的には刺さらなかったものなど沢山ありますが、自分の書き方をここで解説させて頂きたいと思います。あくまで素人の、個人の見解なので、共感できない方はスルー願います。 ワタクシが書いているショートショートは、A4一ページに三段で収まるようにしているので、だいたい1,500文字くらいとかかな。こ

          ショートショート書く時の参考に。ならないか

          永遠、タイムパラドックス

           マーティは、恋人ジェニファーと庭でBBQをしていた。(ジェニファーは2のエリザベス・シューのイメージでお願いします)  マーティのTOYOTAピックアップを洗車しているビフが視界に入る。 「おいコラ、ビフ! お前ワックスは二回って言いてるだろうが! それとサンドイッチのトマトは二枚って言ってるだろうが!」 「マーティぼっちゃん、これから二回目のワックスを掛けるところなんです、ええ」 「嘘ばっかり吐きやがって! もういいわ」  ビフが視界に入るとイライラする。いや、イライラし

          永遠、タイムパラドックス

          「分母」が重要という話

           私ヒデキング、今年あと数ヶ月で49歳になります。前にもどこかで書いたと思いますが、私の父は47歳で亡くなっているので、自分自身この歳まで元気でいられるとは思ってもいませんでした。でも実際この歳になると中身はガキの頃と大差ない気がしますよね。  で、若いころから周りのおじさんたちに良く言われていて、実際おじさんになってみて実感するのは、一年が早え!って事です。  これ、最近になって思うけど、要するに年齢という「分母」が増えていくからに他ならないと思うんですよね。  5歳の一年

          「分母」が重要という話

          七夕は彼に逢いたい。

           私の願いは一つ。亡くなった彼氏に逢いたい。  日菜子と彼が付き合い始めたのは大学一年生の七夕だった。  大学のサークル主催のイベントで一緒になったのがきっかけだった。七夕の日に彼から告白され、付き合うようになったのだ。  付き合ってから二年経った、奇しくも七夕の日、彼はバイクでサーフィンに行った帰りにトラックに巻き込まれ、帰らぬ人となった。  あれから七年が経つ。 言い寄ってくる男性もいたが、結局誰とも付き合うには至らず、今年もまた彼の命日を一人で過ごしているのだった。  

          七夕は彼に逢いたい。

          鰻は神からの贈り物。

           あ。バッグを開けると財布が無い。  落としたか、はたまた掏られたか。 困る。これは切実に困る。  佐藤は今日、帰省することになっていた。 佐藤の経営する飲食店が、新型コロナウイルス蔓延による影響で資金繰りに行き詰まり、倒産したのは去年の暮れのこと。 自己破産が認められた今は、日雇いでガードマン等のアルバイトをしている。 最初は慣れない仕事で肉体的には大変ではあったが、自己破産前に比べると精神的にはだいぶ楽になった。 毎日毎日金策に明け暮れ、最終的には怪しいノンバンクにも手を

          鰻は神からの贈り物。

          キャバクラ嬢殺人事件

           気が付くと両手を後ろで縛られていた。朦朧とする視界のなかに男の顔が浮かびあがった。 「ひっ」私は小さく悲鳴をあげる。私も男も衣服は何もつけていなかった。 「目が覚めたかな。さらちゃん」 「ちょっと、何したのよ!」私が声をあげると男は答える。 「何もしてないよ。今はまだ……」  やばい、目がイッてる。  男の名前は山田。私が働いているキャバクラにずっと指名オールで通っていたのだが、最近急に顔を見せなくなった。店長に聞いたら会社の金に手をつけたのがバレたらしい。 「お前、俺の彼

          キャバクラ嬢殺人事件

          今、うちの自宅に足場を建てて塗り替え工事をやっているのですが、あ、ちなみに私の勤める会社はそっちの関係なのでうちの職人さんにやってもらっております。 先日、現場廻りから早めに自宅に戻って来られたので、足場の下からペンキ屋さんの仕事を見ていたところ、私のもとへ小学3年生くらいの男の子が話しかけてきました。少しぽっちゃり。それはええ。 「あの、そこで子猫が死んでて、たぶん車に撥ねられたかカラスにやられたかだと思うんですけど。ちょっと見てもらえませんか」 おっと、それは大変。私は

          波平、夜に駆ける。

          「沈むーよーに溶けていくよーに♪」  波平はルンルン気分で鼻歌を歌いながら家の中でスキップしていた。  かねてより希望していた、ある団体への加盟が許可され、今日はその活動日でウキウキしていたのである。 「おい、カツオ、いるのか? 開けるぞ」  波平がドアを開けるとカツオがベッドから飛び起きた。カツオの横で寝ていた女性が、キャッと声を上げ毛布で胸を隠す。 「コラじじい! ドア開けるときはノックしろっつってんだろうが!」 「なんだと! 親に向かってなんという……」

          波平、夜に駆ける。

          カツオのハロウィン

          「おーい、いその! いるのか! 入るぞ」  中島がいきなりドアを開け、土足のままずかずかと部屋に入ってくる。 「お前なんで電話出ないんだよ。今日貸した金返すって言ってたろうが」 「ご、ごめん。まだ仕事見つかってなくて……」 「そんなん知るかよ。ケータイ止められたら職探しも出来ないって言うから貸してやったんだろうが! 早く返せよ十万」 「なかなかいい仕事が無くて。才能を生かしたいというかなんというか……」 「バカかよ、お前! いい加減目を覚ませよ! ガキの頃は面白いやつだったの

          カツオのハロウィン