#67 ソーシャルディスタンスは不要なのか?Part.2

今日は先日のTVタックルで議論になっていた、「ソーシャルディスタンスは不要」「経済を回すべき」という京大ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸先生の主張と、臨床医の三鴨廣繁先生と議論の続きを書きたいと思います。

この2人の議論の中で、特に噛み合っていないなと感じたのが宮沢先生の以下の主張です(それ以前のやり取りはこちら)。

・どのような対策をしたとしても感染者をゼロにすることはできない。したがって、お互いがマスクをして感染リスクを下げた上で経済を通常に戻すべき。

 → 宮沢先生の言うように感染者をゼロにすることは不可能なので、その主張は至極真っ当な意見かと思います。ただし前回の記事でも述べたように、マスクをつけない人がいたり、四六時中マスクをつけているわけでもないことを考えると、感染対策と経済を回すことのバランスをどう取るか、というのはとても難しいところです。

一方、三鴨医師の主張は、コロナ感染者を1人も出さないべきで、コロナ関連の重症者、死者数を減らすためにはマスクはもちろんソーシャルディスタンスも必要、というスタンスでした。

三鴨医師は臨床医であることから、目の前にある患者さんを助けること、患者さんを1人でも減らすことを使命とすることから言えば、こちらも至極真っ当な意見かと思います。

一時は医療崩壊の危機が叫ばれる中、また、自身の感染リスクや誹謗中傷等、患者さんだけでなく医療従事者にも極めて大きな負荷がかかっていた(いる)だろうと推察します。

医療従事者の方々には改めて感謝申し上げたいと思います。

上記の発言は、このような“想い”からの発言であることは想像に難くないですが、冷静に考えるとコロナ感染者を1人も出さないことを目指すのは無理がありますし、そのために経済をはじめ、あらゆることを犠牲にして良いということにはなりません。

宮沢先生が頭ごなしに否定したり、人の話を遮って自分の主張をまくし立てるようなところが散見され、三鴨先生も感情的な議論に乗せられてしまっていたので、きちんと考えての意見ではなかったような気はしますが・・・(三鴨先生、普段はめちゃくちゃ冷静で穏やかな先生です)。

宮沢先生も的を射た主張をしている面が多々あったので、もっと冷静な議論をしていただきたかったですし、どなたかが間に立って、一般消費者にも分かりやすいように整理してくれる人がいると良いと感じました。

立場の違い

色々と書きましたが、今回の議論が噛み合わなかった原因は、立場の違いによるものと思います。

ウイルス学者、科学者として視点で、感染者や死者が“多少”出ても、経済が死んで自殺者が増えることも考えて総合的に判断すべきと言う、医療現場とは少し遠い立ち位置にいる宮沢先生と、目の前のコロナ患者さんと日々向き合ってきて、患者さんを救いたい一心で日々努力されている臨床医の三鴨先生の立場。

どちらも真剣に考えており、どちらが正しくてどちらが間違っていると言うわけではありませんが、どこまでいっても平行線という感じでした。

こういった立場の違う意見をまとめて政策を決めなければならないため、政治家の皆さんも相当大変だろうな、と思う次第です。

時間的猶予もない中で練られてきた様々な政策等を叩くのは簡単ですが、あまりバッシングせずに、まずは自分ができることを粛々とやって日々過ごしていきたいと改めて思います。正解は誰も知らないわけですし。

さて、次回は、最近コロナ感染者が増えてきているけれど、重症者数や死者数の推移や、医療機関の逼迫状況ってどうなっているの?ってことを調べられるサイトをいくつかご紹介して、このシリーズを終わりにしたいと思います。


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それではまた!

<了>

#TVタックル #コロナ #ソーシャルディスタンス #マスク #経済

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