クラノ・テキニマスセ(仲根工機)

京セラコンタックスのジャーマンプラナー50mmというのは本当に夢のあるレンズでした。 …

クラノ・テキニマスセ(仲根工機)

京セラコンタックスのジャーマンプラナー50mmというのは本当に夢のあるレンズでした。 あのコンタックスを手放してから10年がたちました。バースイヤーライカM3も、宮崎さんのレンズも。 いい体験をさせていただきました。今はiPhoneだけです笑 というわけで、よろしくです

最近の記事

さて少し真面目に書くか!

    • スケッチ 3/27

       どういうわけか、今朝は私が私をとり戻しているらしい。こんな状態はベータが私に融合してから久しぶりだ。ベータの力で、私とベータは粒子レベルで時間をかけて融合した。私であったものはベータであったものという二者を隔てていたものが崩れ、私でもベータでもない何かになっていたはず。赤いペンキと青いペンキが一定の時間をかけて混じり合い紫のペンキになるというアレだ。ベータは、私と彼を私と彼に保っていた粒子の繋がりを解きまぜこぜにした。いうまでもなくこの融合は不可逆だ。それなのに今朝、私は私

      • 佐倉在住の自動執筆人間が、早朝からそのただれた肛門から短編小説をひり出している。ここんとこ便秘が続いていたので久々の収穫。今回は十代の男子が主人公の切ない恋愛小説だ。ひりたての小説を読みながら、彼は自分がもう長くはないなと思った。いい気持ちで便所から出ようとしたがトイペが切れてて

        • ブルナック・ヴァルハードのケツの穴 せまいくらいふかいくさい つっこんだ私の頭とけていく どろどろどろどろとけていく くるしいけれどとてもえろい ブルナック・ヴァルハードのケツの穴 えろいえろいえろいえろい お手紙届いて大爆発 まちのおとなにくそがとぶ 焼けたくそがとびちって

        さて少し真面目に書くか!

        • 佐倉在住の自動執筆人間が、早朝からそのただれた肛門から短編小説をひり出している。ここんとこ便秘が続いていたので久々の収穫。今回は十代の男子が主人公の切ない恋愛小説だ。ひりたての小説を読みながら、彼は自分がもう長くはないなと思った。いい気持ちで便所から出ようとしたがトイペが切れてて

        • ブルナック・ヴァルハードのケツの穴 せまいくらいふかいくさい つっこんだ私の頭とけていく どろどろどろどろとけていく くるしいけれどとてもえろい ブルナック・ヴァルハードのケツの穴 えろいえろいえろいえろい お手紙届いて大爆発 まちのおとなにくそがとぶ 焼けたくそがとびちって

          銀座線

           昨夜「消去」されたのはDJ・ハンプトン。大学は大騒ぎだが、世界に影響はない。一昨日ホイアンの繁華街で拾った細身で青白い顔の少年にギンザミツコシで服を買い与え、マンダリントーキョーのレストランでディナーを愉しんでいる。  歳のせいかすっかり少食になった俺に、コースは過剰だ。左手でメインの皿を押し出すと、少年は遠慮なく喰らいつく。フォアグラと仔牛が纏っていた無花果のソースが彼の薄情そうな唇を濡らす。紫に染まった唇のやわらかな触感を想像し、少年を徹底的に破壊する妄想のなか私は充分

          断片整理 20240126

           北側に向いた窓ガラスを通過して、例の小さな白い奴らが侵入してくる。部屋に入るなり一辺五ミリメートル程度の大きさの立方体に成長し薄いグリーンの光を放ちながら「ぶーん」という小さな音を立てて翔び回るのだ。国連は、奴らを〈やごりん〉と呼んでいて、世界中の「現実」に居住している人々に対し  ベッドに寝ている顔の周りを蚊のように煩わしいのでパチンと叩き殺してやりたくなるのだが、ひとつ叩けばそれが十くらいの個体に分裂して増殖することが解ってるので、しばらくは放っておくしかない。  呟く

          断片整理 20240121

          銀座線  昨夜「消去」されたのはDJ・ハンプトン。大学は大騒ぎだが、世界に影響はない。一昨日ホイアンの繁華街で拾った細身で青白い顔の少年にギンザミツコシで服を買い与え、マンダリントーキョーのレストランでディナーを愉しんでいる。  歳のせいかすっかり少食になった俺に、コースは過剰だ。左手でメインの皿を押し出すと、少年は遠慮なく喰らいつく。フォアグラと仔牛が纏っていた無花果のソースが彼の薄情そうな唇を濡らす。紫に染まった唇のやわらかな触感を想像し、少年を徹底的に破壊する妄想のな

          あと、十年余りの人生は ノーガードで行くことにした。 やっと気づいたよ、東谷。 きみは偉大だった。

          あと、十年余りの人生は ノーガードで行くことにした。 やっと気づいたよ、東谷。 きみは偉大だった。

          くだらない朝

           いつから、こんな調子になってしまったのかわからん。  確かに最初の数年は凄かった。大先輩の大石さんがひとりで闘っていたから。あの頃の大石さんのガッツは、週末に徹夜でマージャン卓を囲む教育委員会の中堅職員みたいにねちっこい粘りがあったから、善彦も津村も彼の勢いの渦が自分自身を複製しながら巨大な怪物曲線を描くかのように一緒になってガッツを振りまいていたな。あまりに勢いがあり過ぎて、心配になっちゃうくらいだったぜ。 「フナイ。お前が大石さんよりも才能があると思い込んでいるのミエ

          ローマ字打ちとか、あり得ん派

          仕事の都合でローマ字入力の速度を上げなくてはならなくなった。派遣会社がそういうテストを受けさせるのだ。カナ入力ではテストが受けられないという。 どう考えたって効率的ではない。 もちろん、ローマ字入力もマスターしている。カナ入力の欠点は高速で文章を打つときにシフトが効かないときがあることくらいで、ほぼ考えるスピードで入力できるという大きなメリットがあるからそんなのは気にならない。 というわけで、この文章は、ローマ字入力で書いている。 だいぶ時間がかかっているが、まあ慣れれば少し

          ローマ字打ちとか、あり得ん派

          Audibleでホロヴィッツ三昧

           というわけで、さっき『ヨルガオ殺人事件』の下巻をさっき聴き終わった。Audible生活もすっかり板についてきて、通勤の電車、帰ってから仕事しながらなどながら読書(聴書)すっかり生活の中に溶け込んでいる。サブスクで利用し始めてから2ヶ月目くらいになるのだが、まず最初に、『三体』三部作を一度は単行本で読み通していたのだが、聴き通した。  その後、『プロジェクト・ヘイルメアリー』上下。このあたりで、Audible読書の何より楽ちんなこと、耳から入ることで目で読むのとは違って変に記

          屋上パーコ

          1  誰もいない屋上から眺める街は、徹夜明けの網膜の上に薄桃色に染まる。   錆びついた鋼鉄の手すりの上にすらりとした姿勢で立つクリアは、軽く両手を合わせ片足立ちになったまま瞑想の真似事をしている。両手を翼にして飛び降りるほどナルシストではない。むしろ肉体の死は物語ではなくひどく凡庸なものだってことをクリアは知っている。  少し冷たい風がオレンジ色のストレートヘアを揺らすが、それを心地よいと感じる余裕もいまのところはない。限界まで自分を追い込んだ後の気怠い気分は、いつも

          彼振動カットバック'83        クラノ・テキニマスセ

             1  ドバシ弘道は、月ラコ三世の幼少期から六百年後の転生まで見守り続けた。子安三丁目のセブンイレブン跡地に居座り真夜中まで腰痛と闘いながら。駐車場で安物のビールと合成ウイスキーを飲んで大騒ぎしている七人組のボイガーキッズらを蹴散らし、五百年前に拾ったホンダを全速力で躯った。城東の一般道に場面をずらしたまでは良かったが、まさかの水素切れ。新幹線の窓から一瞬だけ見えた気がした富士山のように、無駄に記憶に焼きついたボイガーキッズのひとりの少女の微笑みに、十数年間勉強机の抽

          彼振動カットバック'83        クラノ・テキニマスセ

          文舵練習問題 第6章 人称と時制

          〈練習問題⑥〉老女 時間がかかりすぎた。あまりいいできではなないし、時制と人称をひっくり返して書く二作品目もできていない。後半は明らかに手が抜けている。いろいろ反省してます。 【本文】  iPhoneの画面に白いヒビが入ってるように見え、あら、どこかにぶつけたのかしら、とちょっと気がへこんだ。ルーペを取り出してよく見ると、なんのことないシゲルの毛が一本張り付いていたのだった。キジトラなのにこんな白く光る毛があるなんてね。ふっと息を吹きかけると、飛んでいった。冬毛に生え変わ

          文舵練習問題 第6章 人称と時制

          くすぐったいと彼女は言い

           神様は人殺し以外なら許してくれるもんだって、パパが昔言ってた。だから大丈夫。〈緑脈〉が根茎を張るミシミシという音を聞きながら、私は祈るように繰り返す。大丈夫、大丈夫だよ。リリコの呼吸は浅くなり、心拍も弱々しくなっている。〈緑脈〉は、メロンパンみたいな質感の瘡蓋状になって増殖し、彼女の痩せた体を覆っていく。発光生物のように薄暗い光を放ち始めた彼女を眺めながら、もし、このまま目覚めなかったらすぐに後を追うから待っててね、と私は呟く。  リビングに置きっぱなしのタブレットからは、

          くすぐったいと彼女は言い

          文舵練習問題 第5章

          練習問題① 簡潔性 ・形容詞も副詞もかわずに何かを描写する語りの文章を書く ・会話はなし 久しぶりになってしまいましたが、「文舵」の再開なのです。形容詞と副詞に頼ってなんぼで書いてきたから、辛い。 【719w】  鏑木は失禁した。拷問には耐えたが、膀胱が脆弱だった。水道水十リットルを、鏑木のケツにぶちこんだ矢島は、笑っている。大声だ。リーダーミソ美もご満悦。俺は、鏑木に同情した。パンツ濡らして、可哀想。本部の場所が知れたのだから、生かすことはない。殺しもしない。ドロン