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3Dオーディオ聴いてますか?AmazonMusicのちょっとマニアックなお話。

3Dでも今回は「音」の話。

※解説し始めたら前置きがめちゃくちゃ長くなってしまったので、本題をさっさと読みたい方は、目次から結論へ飛んでください…。
※Amazonへのリンクには一部アフェリエイトが含まれています。


音楽ストリーミングサービスとは

既に音楽ストリーミングサービスを使っているかたも多いと思いますが、代表的なものに以下のようなサービスがあります。
だいたいどれも月額1000円程度で提供されていて、毎日のように新しい曲をを聴くとか、家族で聴くような場合は、CDを買うより断然安いと思います。

  • AppleMusic

  • Spotify

  • YoutubeMusic

  • AmazonMusic(今回説明するサービス)

若い人はもうCDプレイヤーなんて見たこともないという方も増えているような気がしますし、今や音楽はストリーミングで聴くという人が当たり前になりつつあり、音にこだわる人向けにHDやらUltraHDといった、いわゆるハイレゾと呼ばれる高音質のデータで聴けますよってことを各社アピールしたりしていますが、サービス自体は各社どんぐりの背比べという感じはします。

AmazonMusicのお話

私はAmazonプライムを使っていることもあり、ひとまずAmazonMusicを使ってまして、数年前にハイレゾ音源も一律料金になったのを機に、ファミリープラン(年間16000円くらい)に加入して家族で楽しんでいます。懐かしい音楽から最新の曲まで、ありとあらゆる曲が聞けるので曲数にはとても満足しています。
※ちなみにファミリープランじゃないと、同じAmazonアカウントを使用した場合に違うデバイスでの同時再生(6台まで)が出来ません。


音なのに3Dってどういうこと?

さて本題に入りまして、音なのに3Dってなんやねん?という方もいらっしゃると思いますので、簡単に解説していきます。

実際に良く分かっていなくても、3D(立体音響)と呼ばれる音を既に体験している方も多くいらっしゃると思います。

分かりやすいのは、

  • 映画館

  • テーマパーク(ディズニーやユニバなど)

  • ゲーム

  • Blu-rayやDVD

などで、映像が流れるのに合わせて、BGMや効果音が前後左右から聞こえたりするものが、いわゆるサラウンドとか立体音響と呼ばれるものです。
もともとサラウンドを本格的に再生するには5.1chとか7.1chとか複数のスピーカーで再現する仕様がありますが、3Dオーディオ技術と合わせるとこれまた説明が非常に複雑になるので一旦割愛します。

DolbyAtmosと360RealityAudioについて

立体音響の技術として有名なものには、
Dolby(ドルビー)社の提供するDolbyAtmosがあります。※以下Atmos

ドルビーは映画館でも本編の前にロゴの映像が流れたりするので見たことがある方もいると思います。これを音楽でも使えるようにした技術がAmazonMusicでも使用されています。
この動画を見てみるとAtmosの立体音響がどのようなものかがよく分かると思います。
※イヤホンやヘッドホンだとより違いが分かりやすいです。

お次はSony360RealityAudioです※以下360
こちらも簡単に言ってしまえばドルビーと同じような立体音響技術です。

AmazonMusicにある音楽に限って言えば、今のところAtmosに比べて、360の方が、音の出ている場所が移動している感じなどがとても良く分かります。ライブやグループで歌っているような音源の場合、複数の場所から声が聞こえる感じや、声が出ている場所が移動するのが良く分かります。

これらは音が出る場所の位置情報を持ったデータを使用しているからで、
ステレオ(左右の情報しか持たない)の音源ではたとえハイレゾ音源であったとしても同じようには再現されません。

AmazonMusicではまだ全体の割合からすると360対応の音源は非常に少ないので、これからどんどん増えてくれることを期待しています。

ステレオか3Dか

ステレオは左右で音が安定して聞こえ、全体的に音に厚みもあり耳なじみはよいと思います。また、ステレオでも録音時の工夫や調整で十分立体感が感じられるようになっていますので、一概に全て3Dオーディオが良いとも言えません。

360では音の発生位置がとてもハッキリ分かるので、ライブ感はとても凄く、多人数で歌っている感じや楽器が鳴っている場所の差が感じ取れるのがとても面白いです。目を閉じて音の位置を意識すると更に楽しめます。
ただし、音の聞こえ方が複雑になるので、場合によっては聴き取りにくく感じたり、情報量が多いため長く聴いてると疲れる可能性もあります。

Atmosは個人的な感想だと、ステレオと360の中間みたいなイメージで、ステレオと比べると音のレイヤーが増えている感じ。
360のような音が移動しているような音作りは今のところされていないのかもしれません。360 のように色んなところから音が聞こえるみたいな感じではない印象です。

ここまで3Dオーディオのお話をしてきましたが、従来のステレオ音源と3Dオーディオは曲調などで聞き比べ、自分の好みを探るとより楽しめると思います。
個人的にはぜひ皆さんも3Dオーディオを意識的に聴いてもらえるといいなあと思います。


立体音響で聴きたいのに!問題いろいろ。

音楽を「どのデバイスで聴くのか」問題。

結論から言うとAmazonMusicに限って言えば、スマホが今のところ最適解です。AmazonMusicはどんなスマホでも普通のイヤホンで立体音響が楽しめるようになっています。

スマホで360のアイコンをタップするとデータの品質が表示されます。

AmazonMusicはアプリ内部ですべての音処理を行ってから出力しているようで、360、Atmos対応端末じゃなくても立体音響が再現されるようになっているそうです。
ただ、AmazonMusicではこれがまたややこしい問題を引き起こしているのですが、詳しいことはこちらに書かれていました。
AmazonMusicでAtmos使うなら端末側のAtmosの設定を切れということのようで…まじかいな。
理由を知りたいとか、3Dオーディオの音がなんかおかしい!という方は一読してみると良いかもしれません。
この記事にも書かれていますが、こういった情報に対してAmazonからは一切アナウンスが無いというのもどうかというところですね…。

ちなみに3Dオーディオは本来、対応した機器やヘッドホン等でないと再生できません。
例えばこんなやつです。PS5は本体も3Dオーディオに対応していますので、対応ヘッドセットと対応ゲームで立体音響をゲーム内でも楽しむことができます。

EchoStudioで立体音響を聴きたいのに!問題

Amazon EchoStudioとは

私はEchoStudioが発売されたタイミングで対応が発表だけされていた3Dオーディオに魅力を感じ、EchoStudioをまず1つ購入して使ってみたところ、大した場所も取らず配線も電源のみ。お手軽なのにこの価格とサイズで鳴るとは思えない音が鳴るので、ものすごく気に入りました。

EchoStudioの中身は複数のスピーカーで構成されている
※Amazon商品画像を引用

また、FireTVEchoStudioを2つ組み合わせるとホームシアターが組めるのにもまんまと釣られ、追加でもう一台購入し2台組み合わせて使っています。
1つでもかなりの音が鳴りますので、一人暮らしとかの場合はお隣に気を付けないとやばいです。
ネトフリなどでもDolbyAtmosに対応した映像であればサラウンドになります。

EchoStudioをステレオペアにした状態(ほんとは壁からもっと離したほうが良いです…)

Atmos対応の映画なんかでは壁がビリビリするくらい、ド迫力の低音が鳴りますし、高音も割れることなくきれいに鳴らしてくれます。
AmazonMusicを高音質で聴きたい!とか、FireTVでPrimeVideoやネトフリをよく見る方には本当におすすめです。

ただし、EchoStudioをサラウンド機器として考える場合は注意点もあります。あくまでもネットワーク接続が前提であり、一般的なサラウンド用スピーカーと違い、テレビやレコーダーに入る信号を通して音を鳴らすわけではないため、純粋なテレビ用のサラウンド機器にはならないので注意が必要です。

EchoStudioにも一応ミニピンと光入力が付いていますので外部入力はできますが、ゲームでも使いたいとか、テレビ機器と連動させたい場合は一般的なサラウンド対応スピーカーをお勧めします。こんなやつですね。

そもそもEchoStudioで3Dオーディオはどうやって聴くのか?

前置きがとてつもなく長くなりましたが、実は一番の問題はここからです…笑
Echoシリーズで音楽を聴くには、

  1. 曲名を言って話しかける

  2. スマホのAmazonMusicアプリからEchoStudioにキャスト
    (EchoStudio1台のみ)

  3. スマホのAmazonMusicアプリからペアにしたEchoStudioにキャスト
    (EchoStudio2台でステレオペア)

  4. スマホのAmazonMusicアプリでペアにしたホームシアターへキャスト
    (FireTVとEchoStudio2台でホームシアターを構成)

  5. ペアにしたFireTVのAmazonMusicアプリで再生する
    (FireTVとEchoStudio2台でホームシアターを構成)

の方法で音楽を再生することが出来ます。結構ややこしいですね。

キャストというのはスマホやタブレットからネットワークを経由して音楽をスピーカーに再生させることを言います。
そして、3Dオーディオ360)の再生に対応しているのは1、2,3番だけです。私の場合は基本的に5番の方法でFireTVのAmazonMusicアプリを使用してEchoStudioから音楽を再生していました。

FireTVとEchoStudioステレオペアでのホームシアター接続

この方法だと、DolbyAtmosのマークは出ますが、360マークが付かないんですよね。360の音源はUltraHDになります。要は5番の方法では3Dオーディオ360)は再生できませんということになります。

どゆこと?対応してないの?って感じで、調べてもAmazonさんは基本的にこの手の仕様の詳細をほとんど商品の説明に書いていないため詳細が分かりません。

ややこしいのはFireTVのAmazonMusicアプリ再生で、
現在はDolbyAtmosの音源はAtmosで再生されるんで、3Dオーディオって再生できるの出来ないの?と余計に混乱するわけですw

私はEchoStudioとの組み合わせにFireTV Cube(第2世代)を使用していますが、もともと端末性能としてはDolbyAtmosに対応しており、AtmosならAmazonMusicで再生できる状態へアップデートされました。
ちなみに結構長いことFireTVのAmazonMusicアプリではAtmosでの再生ができませんでした…。

2021年にAmazonに質問している方がいましたが、モデレーターの手元に再生環境がないので分かりませんという何とも中途半端な回答が書かれていたりします…。サポートではテストしてないんかい!みたいな。

診断画面で確認したFireTV Cube(第2世代)の再生可能な規格

結論

スマホから再生(キャスト)すべし!

上でも書いたように、スマホアプリでイヤホン(ヘッドホン)装着が最も簡単に3Dオーディオの醍醐味を味わうことが出来ます。

EchoStudioを使った場合の3Dオーディオ(360)再生について

スマホからのキャストなら(ホームシアター構成になっててもEchoStudioには360、Atmosどちらでもデータがストリームされて)3Dオーディオで再生されるからスマホからキャストしてね!ってことだと思います。
※()内は自分のデータストリームに対しての解釈です。

スマホからのキャストのイメージ

尚、360はアプリで対応出来なかったわ!アプリ修正してるからちょっと待っててなのか、今後出てくるであろう対応端末じゃないと無理なのか、そのあたりの説明は今のところ無さそうです。

3Dオーディオ部分の抜粋、これ以上でもこれ以下でもないですよというスタンス

スマホやタブレットからのキャストの場合はFireTVのMusicアプリは必要ないので、私は混乱を避けるためにFireTV CubeにインストールしてあるAmazonMusicアプリをアンインストールしました。
※AmazonMusicアプリを消さなくてもスマホからのキャストは可能です。

また、スマホからのキャストエラーが頻発したので、以下のキャストの自動接続をOFFにしたら安定しました。
オンオフはあまり関係ないかもしれません、不安定な時は不安定です…。
不安定な時はオンオフとか、キャッシュ消したり端末再起動してみるといいのかも。参考まで。

スマホのMusicアプリのキャスト自動接続設定

というわけでEchoStudioでは問題起きまくりのAmazonMusicですが、なんせ聴ける音楽がめちゃくちゃ多いのもあり、サービスとしては割と気に入ってます。ストリーミング界隈では非圧縮のロスレスオーディオなんかもAppleではいち早く始まっていたりしますし、AmazonMusicも今後どうなるのか楽しみですね。

3Dオーディオという新しい技術により、音楽を聴く楽しみがまた増えました。あとはAmazonMusicの各種アプリがもっと使いやすくなるといいかなあというところです。

長々と読んでいただいた方、ありがとうございました。


おまけ

パソコンで立体音響で聴きたいのに!問題。

Widowsのストアアプリは今のところ3Dオーディオに対応してない

PCで音楽が聴きたいので私にとっては重要な問題なのですが、残念ながら現時点ではPCのAmazonMusicアプリは残念ながら3Dオーディオに対応していません…。ひとまず現状はハイレゾ音源としてだけ楽しむのが良いかもしれませんが、強制的に立体音響を使う方法を試している方もいました。

Widowsストアアプリ
Windows版のAmazonMusicアプリでは、そもそも立体音響のフォーマットが出てきません。

強者はAndroidのエミュレーター(パソコン上でAndroid端末を疑似的に起動するアプリ)をインストールしてやってたりします。
検索すればいろんなのが出てきます。

メジャーなものを1つ試してみたのですが私のPCでは残念ながら音が出ませんでした…。
WindowsではAmazonアプリストアがAndroidのVM環境として正式に採用されていますが、利用者も少ないためか対応アプリも少なく、Amazon純正はkindleしかありません。早くAmazonMusicアプリもダウンロードできるようにして欲しいものです。

AmazonMusicはありません。

コラム(著作権法違反について)

Youtubeで見つけた違法アップロード偽立体音響動画

Dolby360のサンプル動画を調べていて見つけたのですが、Youtubeでは勝手にアーティストの曲を立体音響とかって書いてアップしている人が散見されます。そして、あれは立体音響でもなんでもなく、波形をエフェクトでゆがめているだけなので、上で説明したような立体音響とは全くの別物です。

例えばこんなのですが、音源を加工しているためYoutubeの自動検出にも引っかからないので悪質といえば悪質です。概要欄に動画は収益化していませんと書いてあったりしますが、勝手に音源を加工してアップしている時点でアウト、アニメの画像も勝手にサムネ等にも使っていて、ダブルでアウトです…。

著作権法違反は親告罪なので訴えられなければ大丈夫という事を言う方もいたりしますが、例えば自分や身内がものすごく苦労して作った野菜を知らないうちに勝手に持っていかれてタダで配られたらと考えたらどうでしょうか?

また、もし仮に訴えられた場合、数百万円単位の罰金になる可能性もありますし、実際に訴えられた例もあります。著作権法違反には気を付けましょう。

Youtubeの場合は、Musicライブラリにあるものや、投稿する時にアプリで選んで使う分にはJASRACの許可も取れているため大丈夫です。

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