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アメリカをギャフンと言わせた「史上最強のMade in Japan」堀口恭司

メイウェザーがビックネームすぎて霞んでしまったカードでしたが、実はセミファイナルの初代RIZINバンタム級タイトルマッチの方も奇跡的なカードだった。

UFCに次ぐMMA団体、Bellator MMAから現役バンタム級王者ダリオン・コールドウェルが参戦。RIZINバンタム級GP王者の堀口と対戦した。

ダリオン・コールドウェルはこれまでで最強バンタム級選手

堀口以外のRIZIN参戦ファイターでは、間違いなく過去最強のバンタム級の選手だ。堀口自身もフライ級から日本ではバンタム級に階級を上げているので、純粋にバンタム級で戦ってきた選手としては過去最強なのは間違いない。

ダリオンは堀口よりも17センチ高く、61kg契約でも試合当日は体格を生かして一気に体重を戻して、70キロ近くあったんじゃないでしょうか。前日の公開計量の時点でものすごい身長差だった。

リングに二人が揃ってみると、とにかくダリオンは大きかった。本来はフェザー級もしくはライト級の選手でしょう。計画的にウェイトをコントールしてるあたりさすがオールアメリカンをとるだけのファイターです。

アマレス選手はウェイトコントールがうまい印象があるので、プロに転向しても計画的に落として来てるんでしょう。

ここのところオーバーウェイトが目立つ中、これだけの体格で体重を61kgまで落としてくるのは流石です。

予想を上回る超高速タックル

堀口はレスラータイプの選手が苦手と言われていたので、何度かテイクダウンをとられるとは予想していましたが、試合が始まってみると開始早々にテイクダウンをとられてしまいました。ダリオンは、超低空の超高速タックルを仕掛けてテイクダウン。リーチの長さを活かし、一気に足首をとって倒した。最初のテイクダウンで得意のリアネイキドチョーク(裸絞)を狙ってたようですが、ガードが固くアームバー(腕がらみ)に移行。ここを凌いだ堀口ですが、続けてテイクダウンをとられてしまいます。

堀口以外のRIZINバンタム級の選手であれば、早い時間にテイクダウンされてあっさり極められてしまったでしょう。

逆に最初のテイクダウン以降は、抑え込むのが精一杯といった感じで判定狙いかな?と思いました。ただ足首をとるタックルだったので、堀口は尻もちを着いた感じで完全に倒されているわけではなかったので、判定のポイントがどうなるのか怪しい。

堀口を救ったのはやはり「空手」

判定になったときにポイントが負けてそうな試合展開だったので、堀口も抑え込まれながらもボディーにパンチを入れながら削った。テイクダウンを凌いだ後のスタンドでの攻防で一気に試合展開が変わったと。

最初に書いたようにダリオンの方が圧倒的に体が大きいが、テイクダウンを凌いだあとのスタンド勝負での前蹴りでダリオンは倒されてしまった。小さい選手が大きい選手を蹴りで押し倒すというのは、それだけ削られているということ。

それまでのテイクダウンでのスタミナ消費もあったと思うが、最高のタイミングで腹部に前蹴りが入ったと思う。

試合の展開が変わったあとの最終ラウンドでダリオンは勝負にでたつもりでテイクダウンを仕掛けたが、削られすぎていたのかテイクダウンするのがやっとで、抑え込むポジションがゆるくなっていた首を獲ってフロントチョークで決着。

苦しいときほどやってきたことが出るんでしょうけど、幼い頃から鍛錬してきた空手が堀口を救った試合だった。

バンタム級メジャーMMAタイトルニ冠王の可能性

DJとやってほしいという声が多く見られるけれど、UFCはフライ級廃止で世界基準のMMAの最軽量級はバンタム級になってしまうし、堀口もバンタム級の選手なので、階級が合わないONEと絡むことはないでしょう。

もしDJとやっても堀口はあっさり勝つと思う。

話しを戻すが、ダリオンがBellator MMAのタイトルを持ったままRIZINのタイトルに挑んで失敗。今度は、RIZIN初代バンタム級王者の堀口がBellatorの円形ケージでBellator MMAバンタム級タイトルマッチがリマッチとして組まれることになる。ダリオンの契約にリマッチ権が含まれていたので、試合後に直ぐに行使することを宣言している。

Bellatorでは、タイトルマッチは5分5ラウンドですが、RIZINは5分3ラウンド。それでもスタミナ切れしていたので、Bellatorにいったらもっと堀口が有利かもしれません。ケージファイトもUFCで慣れているし、広くなった分タックルから逃げやすい。

リマッチも堀口が勝てば、UFC以外のメジャーMMAタイトル二冠王という偉業も成し遂げる。史上最強のMade in Japanはまだまだ夢を見させてくれそうだ。

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