パトロン21

無料塾の挑戦|第7章-3|皐月秀起

4/19発売予定の出版費用を捻出すべく、クラウドファンディングをやっています。応援のみなら1000円、書籍1冊付きで2000円からとなっています。応援いただければ、幸いです!

無料塾が描く未来

ここ数年であらゆるサービスが無料になっています。数多くの例がありますが、代表例はスマホです。カメラ・ビデオ録画・カレンダー・手帳・アラーム・地図・ナビゲーションなど、たくさんの機能が入っています。アプリを入れれば、機能の数は無限です。一方、スマホ台頭の余波で、コンパクトデジタルカメラの売上は激減しています。私も、家にはありますがほとんど使わなくなりました。スマホですべて事足りるからです。では、カメラ全体が売れないかというとそんなことはなく、一眼レフカメラやミラーレスカメラなど特徴のあるカメラは、まだまだ売れています。私も先日一眼レフカメラを購入しました。

さらには、無料までには至っていないものの、シェアリングエコノミーも随分と身近になってきました。高額な自動車を買わなくても、カーシェアを使えば安価に利用できます。旅行などで宿泊をする際に、民泊などをうまく使えば、これも安価に泊まることができます。

「学習支援・塾」も徐々にこの方向に向かっていると感じています。世の中のさまざまなモノやサービスが無料に近づいていますが、一眼レフカメラのような特徴があれば、まだまだ売れます。塾も同じで、難関校の受験に対応した進学塾や、子どもに一人ひとりに懇切丁寧に向き合う個人塾などは、いつまでも評価され続けます。

私たちのような無料塾は、「子どもたちに教えたい」という学生たちの能力を、子どもたちにシェアしている側面もあります。将来にプラスになる経験をしているという意味では、ボランティアという一方通行ではなく、学生と子どもたちは双方向、WIn-Winの関係でもあるといえます。

無料塾がもっともっと認知され、利用する生徒さんが増えれば、貧困の連鎖から抜け出す子が増え、望む職業につき、自己肯定感が増すことでしょう。稼ぎがあれば、税金を納めることにより、社会に貢献できるようになります。生活保護や各種補助金など、社会保障費の削減にもつながります。家計に占める教育コストも減らすことができるので、塾代を節約できた分、働いているお母さんは勤務時間を減らし、子どもと一緒に過ごす時間が増やせるという好循環になります。

市役所などの自治体は、各種書類の発行や認可・本当に困っている人のケア・震災など緊急事態の対応などに集中し、NPO法人などが地域で活動している機能についてはどんどん任せるべきです。子どもの教育については、江戸時代の寺子屋や薩摩の郷中(ごじゅう)教育のように、先輩が後輩を教え、後輩が先輩になればまた後輩に教え、切れ目のない教育が続く仕組みが作れます。

できる人ができることを行う。そんな社会を想像しています。

無料塾はなくなったほうがいい

これは自分たちの活動の「自己否定」につながりかねませんが、「有料塾に行けるか行けないかで、将来が大きく変わる」という世の不条理があるから、私たちのような無料塾が存在しています。裏を返せば、そういう「世の不条理」がなくなれば、無料塾の必要はなくなります。有料塾に頼らなくても、学校の勉強が理解できる。進学もできる。学校の勉強がどうしても分からない子は、私たちのようなボランティアではなく、国や地方など行政が運営している公的スペースで自由に学べる。

もちろん無料なので、家計に負担はかからず、家庭の経済差によって学びの機会に差が出ることがなくなる。こういう世の中になれば、私たちの運営する無料塾はその役目を終えることになります。

ぜひ、そのような世の中になればいいと思っていますが、そのような世の中になるまで私たちは無料塾の活動を続けます。

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1月7日から続けてきました、「無料塾の挑戦~子どもたちに学びの場を」の全文公開も今日で終了です。

これまで私の駄文をお読みいただき、本当にありがとうございました。

昨日最終校了となり、いよいよ印刷作業に入ります。

4月19日の発売は予定通りです。

このnoteでの全文公開は文字テキストだけでしたが、書籍は挿絵や写真などがふんだんに入ります。カバー表紙や帯もとてもいい感じに仕上がっています。実物をお楽しみいただけたらと思います。

今回の出版は1000部のみで、ほとんどの書籍は関西の書店で売り出されます。お近くの書店には並ばない可能性が大ですので、もしお読みになりたい方は現在絶賛公開中のクラウドファンディングでお申し込み頂ければ、私が確実にお届けします。ぜひお申し込みください。

これまでありがとうございました!

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