ロング・ショットの(エンドロールの)感想

ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋(2019)

超超超良かったのだけど、人生ベスト級に好きになってしまったのでおいそれと感想を書けない。

なので、とんでもなく素晴らしかったエンドロール直前の流れについてだけ絞って書きます。だいたいこんな感じ。

本編が大団円を迎えた後、後日談的にインタビュー(風の)映像が流れる。
インタビュー内ではセスローゲンがずっとおちょけていて、それが行きすぎる度にシャーリーズセロンが彼を嗜める。
(ここでちょくちょく挟まれる同一画角でのカット編集から"カットされた部分でセスローゲンがマジでダメなこと言っちゃったんだろうな"感が出ていて良い)

インタビューも終わりに近づいたあたりで2人は居住まいを正して締めのセリフを言う。

"He is my mister." 
"I'm her mister. And she is my President."

この映画を総括するようなセリフの後で互いに見つめ合う2人。
裏で小さく流れていた主題歌のボリュームが上がり、完璧なタイミングでエンドロールに突入!
そしてスタッフの名前とともに金色に弾ける花火!花火!花火!


はい、号泣。いや、絶頂。
エンドロールへの入り方としては斬新なものではないし、むしろ良くある王道パターンのうちの一つだと思う。(画面正面に向かって2人が並ぶ似たパターンの映画には「ナイスガイズ!」とかがある)
ただ人間という生き物は適切なタイミングで適切な音を鳴らし、適切に物語を閉じると否応なく泣いてしまうものなのだ。そこで演出の新奇性やらを審査する余裕なんてない。
とにかく、タイトルの出し方とエンドロールへの入り方で映画の8割を判断するような人間にとっては落涙ものの締め方だった。

主題歌の「Dancing On My Own」も超良かった。
なんで失恋の曲が流れるんだろって一瞬思ったけど、直ぐに子供時代のセスローゲンを歌った曲なのだと気付いた。
そしてこの映画本編とこの曲の中で2人の性別が入れ替わっていることからも成る程この映画のヒロインは間違いなくセスローゲンだったのだと納得できた。

Dancing On My Own
Robyn版(映画で使われたのはこっち)

カルムスコット版

どっちも良いけどカルムスコット版はこの映画に当てるにはだいぶ悲劇的すぎる。この曲だと失恋した主人公は一生立ち直れないんじゃないのか。
主題歌として使うならやっぱりRobynの力強い歌声で大正解だったと思う。

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