紙の本を出版してもらうことの意味

誰も読んでいないであろう時間帯に少し。

自分の本を出す、というのは誰しも一度は憧れることではないでしょうか。

著者名に自分の名前が載り、書店に並び、Amazonで販売され、好意的なレビューが書かれ、発売時にはイベントが開かれ、本を手に持ったお客さんが自分の前に列になり、興奮しながらおぼえたてのサインを書く。最高の気分です。シビれます。

この経験、僕もしました。

実は僕も本を出しています。もう6年前ですが。

しかも、なぜかレシピ本だったりします。


ナショナルデパートの「四季のカンパーニュ」とライ麦のパン

編集プロダクションの方が企画を立ててくださって、それが出版社に通って僕のレシピ本の出版となったのですが、その時に感じた「紙の本を出版してもらうことの意味」について少し。


他人の手によって作られることに意味がある

とはいっても中身のコンテンツ部分の振り出し元は自分なのですが、コンテンツ部分以外のその他すべては自分以外の他人の仕事になります。一冊が書店に並ぶまでには何人もの手を経て完成されるのです。

当たり前ですが、本は一人では作れません。小説家なら文章は自分で書くのでしょうが、僕の場合はレシピ本なので文章はすべて編集者の方が担当してくれましたし、写真もブログのようにセルフではありません、プロのフォトグラファーがスタジオで撮影してくれます。装丁などのデザインもデザイン事務所のデザイナーさんの仕事です。

ブログだと、サイトのデザインから文章も写真も自分で、という感じでしょうけど、一冊の本を出すまでには、編集者、フォトグラファー、デザイナー、出版社担当者、などなど、すべての作業がたくさんの人の手にゆだねられます。

この工程を、もしかしたら古い効率の悪いことだと思う人もいるかもしれません。いただける印税の金額よりもブログの広告収入のほうがはるかに高いのも事実です。

でも、自分のコンテンツが多くの他人の手によって本という実体あるものに作り上げられ、書店やAmazonに並ぶプロセスは、ブログなどのセルフプロデュースでは得られない特別な体験でした。

紙の本を出す意味、それは、自分のコンテンツを他人がどのように捉えているか、それを客観的に感じることが出来る体験に意味があると感じました。


本を出すチャンスがあったらすぐに乗れ

最近はSNSなどでフォロワーが増えてきて、影響力があり、文章力もあるとすぐに出版社から書籍化の話が来ると思います。出版社としては、ある程度の部数が捌けそうな人に本を出してもらうことで、昨今言われている出版不況でも売れる本を出す。という流れはありますね。

専門職としての長い経験や、他にない特別な才能が無くても、SNSでの影響力があれば本が出せる時代です。

ブログやSNSで火がついて書籍化の話が来たらすぐに飛びついたほうが良いと思います。他では得られない経験があなたを待っています。


電子書籍は簡単だけど紙の本には及ばない

過去に、僕はTSUTAYAのwebサービスの電子書籍で絵本を発売しましたが、全く売れませんでした。数百円も売れていなかったのではないでしょうか。電子書籍とはそういう死屍累々の上に成り立っているわけです。

セミナーなどで自分の著書をkindleで出版しましょうみたいなのがあるみたいですが、電子書籍で無理くり「自分の本を出す」というのと、いろんな人の手が関わって自分のコンテンツが著書として出版されるというのでは、まったく意味が違うと思っています。


たくさんの人が自分のコンテンツを世に出して売れるようにしようと努力してくれる、自分もそれに応えるためにより良いコンテンツを提供するよう努力する。この古臭くて非効率的な「紙の本の出版」には、自分以外の人が自分のために仕事をしてくれるという心の通いがあります。

この、心の通いこそが、紙の本を出版してもらうことの意味なのではないかと感じています。

僕の本です
ナショナルデパートの「四季のカンパーニュ」とライ麦のパン


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