マガジンのカバー画像

ことば

16
ことば 言葉 signifiant
運営しているクリエイター

記事一覧

俳句短歌・夏(2017)

俳句短歌・夏(2017)

TwitterにポストしたものをまとめるにはTwitterのモーメントがよいのでしょうけれど、noteでだけフォロー関係にあるひともいるので、ご紹介がてらつーかなんつーか。

【追記】『俳句』9月号分を追加しました。(2017.08.25)

おまけ。

エゴサしてたら、1年前の「俳句ポスト」の月曜日のコーナーで2位に入っていたのを発見した。

ああ、今気づいたけど、「女を刺」して、「濡れたる髪が

もっとみる
マイ本棚でまとめるマイ人生

マイ本棚でまとめるマイ人生

――今日は「マイ本棚で振り返る半生」という企画でお話をお伺いしようと思っていたのですが、あなたの提案で「マイ本棚でまとめるマイ人生」というタイトルに変更されました。この意図についてまず聞かせてください。

Hideo Saito(以下斉藤) 「振り返る」に値するような「半生」など僕は送っていないのです。言い換えれば、僕には人生と呼べるようなものがない、ということです。「半生」という言い方には、「こ

もっとみる
感情とチャネル

感情とチャネル

さいきんなんとなく立ち読みしていた雑誌で、作家の羽田圭介が「表現のプロを目指す人はSNSなどの自分から発信できるアカウントをすべて削除すべきだ、すぐに」(大意)というようなことをエッセイで書いていた。

まあ、言わんとすることは分かる。彼の言いたいことは、(1)創作意欲を維持するには溜め込んで発酵させることが必要だ、(2)創作意欲は大抵の場合、代替可能だ、という二点に集約されるのかな。

でもなあ

もっとみる

【朗読会のお知らせ】長田弘の詩と朗読

ふくしま現代朗読会第3回。出演予定です。生きていればですが――そんなに先のことは自分にはわかりませんが……出演するとすれば、長田弘『言葉殺人事件』(1977年)から数篇読みます。

今年は長田弘の詩を読みます。

2016年10月2日(日)13:30~@ホテルハマツ1階ロビー。れいによって無料です。

ホテルハマツに駐車場がありますが、毎回、混んで駐車できないケースが多発していますので、早めに来ら

もっとみる

ネットプリント句集『Creatine(クレアチン)』7/6迄

ネットプリント句集『Creatine(クレアチン)』を発行しました。

有季定型、俳句、28句。

A3・白黒でプリントアウトして、折って、切って、折ります。↑のようなA6サイズの小冊子になります(折り方が雑)。8ページ。

↑こんな感じに。

印刷の仕方
コンビニに行きます。

マルチコピー機に20円入れます(セブンはnanacoが使えるはず)。

【セブン-イレブンのばあい】

(1)「プリン

もっとみる
00:00 | 00:00

【朗読】立原道造「春が来たなら」
*BGMあり。
*朗読のテキストは岩波文庫版『立原道造詩集』に準拠しています。

春が来たなら 花が咲いたら
木のかげに小さな椅子に腰かけて
ずつと遠くを見てくらさう
そしてとしよりになるだらう
僕は何もかもわかつたやうに
灰の色をした靄のしめりの向うの方に
小さなやさしい笑顔を送らう
僕は余計な歌はもう歌はない
手をのばしたらそつと花に触れるだらう

春が来たな

もっとみる
00:00 | 00:00

*今回BGMを入れてみました。邪魔ですか(´・ω・`)BGM無し版がご希望の際はお知らせください(笑)
*朗読のテキストは岩波文庫版『立原道造詩集』に準拠しています。

消えた言葉は追ふのはよさう
消えた言葉は私のものだ
どこに どこに やさしい言葉

消えた言葉は空にゐる
一日 雲とうたつてゐるのは
どこに どこに 私の言葉

さがしに行つた人たちと
耳をすますなら 私は行かう
消えた言葉は私の

もっとみる
00:00 | 00:00

*朗読のテキストは岩波文庫版『立原道造詩集』に準拠しています。

風の話

そんなことを言ふのはをかしかつた
僕らは まじめな顔で言ひあつてゐた
風が見えないことを

最初の子供は 風が埃のそばにばかり見えることを言つた
誰にもその考へは気にいらなかつた

次の子供は 風が枝のそばにばかり見えることを言つた
その子は木のぼりを考へた 葉がそよいだ

僕らはみんなで言ひあつた
そしてたうとう最後の子

もっとみる
00:00 | 00:00

*朗読のテキストは岩波文庫版『立原道造詩集』に準拠しています。

かなしいまでにとほくを見て
眼よ おまへは泪をひたかくしてゐた

明るい雲の流れる街に
ボロの軒下を拾つて歩き
おまへはひとをさがしあぐんだ
つれなかつたひとを

耳よ おまへのなかに老いたかなしみが
潮騒をうたひ とほい靄の夜をささやいた

夕暮れて 夕暮れは汚れた城のやう
荒れた草生にひとを待つてゐた
おまへは 来ないひとを

もっとみる
00:00 | 00:00

*朗読のテキストは岩波文庫版『立原道造詩集』に準拠しています。

鉛筆のマドリガル

夕方くらくて町で人かげを見た 僕はまちがへた
長いこと お前がここで待つてゐたと ほんとだらうか。

僕の口ぐせによると
僕はいつでも困つてゐた
そんな筈はないんだが
(からつぽの帽子を机にのせて
僕はしばらくぼんやりしてゐる)
窓はすばらしい天気だつたが
もし僕がそこへ出て行くなら
あの青空はきれいすぎるだら

もっとみる