げんいん
あの彼女の感謝、あの彼女の謙虚さ、あの彼の
郷土愛、そうしたものがひけらかされているとき、
あの人たちにはともだちがいるんだって思った。
欲望の対象を盗まれている感じがして、
惨めな気持ち、たいせつにあつかわれていない感じが
さみしさや憎しみを惹起した、というわけじゃないんだ、
と君は思う。そうではなくて、欲望の原因が盗まれて
いるのだと。雨は不規則に跳ねるから、好きだよ。
曇りは雲の白い部分と灰色の部分のまじりあいがいいよ。
快活さは死ねっていうと死ぬからそんなに敵じゃない。
悼むことをやめ、ともにあらねばならない。
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