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April in Paris

私、中途半端な人間です。スタンダードの名曲をアルファベット順に、プレイヤー別に投稿していこう、一日おきにときめてから三日坊主。心機一転です。秋も駆け足で過ぎて行きカレンダーも後2枚。暑かった残暑もようやくおわり、厳しい寒さの到来。はやく、はやく、春がきて!とまた耐える季節に。パリは行ったことないけどこの歌聞いてパリの春って素敵だろうなあと想像してしまう。

まずは本家本元カウント・ベイシーから。個人的な感想ですがビックバンドはなんかゴージャスでダンサブルで気分がウキウキする。歌詞の「なんか今年の春はウキウキする」という内容にぴったり。いったん終わったかと思わして「once more once」とアナウンスしてエンディングをもう一度、なんとおしゃれなアレンジ。

ちょっと話は変わりますが、私の大好きな日本が誇るベーシスト権上康志さん。私は2022年、偶然神戸で2度ステージを見ることができた。あの精密機械のように動く指、でも人間みがあり安定感溢れるプレイは感動した。今年10月よりニューヨークから帰国され西日本拠点に精力的に活動されています。さて演奏はピアノとベースが対話しお互いの不足を補い、お互いの良いところも支えより良いものにしている見事としか言いようがない。お互いの違いを認識する。今国際紛争が各地域で勃発しているがこの演奏のように調和し平和がくればな。(四国ツアーはどれか行きたいなあ。)

この曲を初めて聞いたとき、あまりの美しさに感涙した。32年前、ちょうど社会人になって社会、仕事の厳しさに自信をなくしかけた時たまたまレンタルレコード屋で珍しくジャズが流れ、突然この曲が耳に飛び込んできた。サラボーンの声、ピアノ、クリフォードブラウンのトランペット。砂漠に流れる水のように乾いた心に染み渡り硬直した心を軟化させた。美しいものは自分の葛藤、悩み、絶望から平安、喜び、希望へと昇華するもんだなあと生意気ながら思った。

 コロナ禍はミュージシャンにとって大変な3年だったと思う。なんせ集まって演奏できる会場がない。ビジネスもそうだが自宅で仕事ということになるが、ミュージシャンはそうもいかない。そこで出てきたリモートは画期的だったのでは。たまたま日本、フランスのミュージシャン日本のミュージシャンが自宅からリモートでセッションするという。音で繋がる。TOKUさんは2000年から活動している日本唯一のフリューゲルホルン兼ヴォーカル。あまり聞きなれない楽器だ。

Sarah Lancmanさらサンクマンは地元の歌をまるでコロナを払拭するかの気迫が感じられる。

Thad Jones。このジャケット見た特、いかつい人そうだと思った。でもベイシーのこの曲すごく丁寧により愛情溢れる演奏が感じられる。古巣カンウトベイシー楽団から独立し、最後晩年はデンマークからアメリカに帰ってカウントベイシー楽団のリーダーで亡きベイシーの意志を継ぐところみたら本当にベイシーが好きだったと思う。こういう師を思う人は好き。

来年こそは素晴らしい春でありますように。

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