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VSCOのサブスク会員が開始2年で200万人突破

写真加工&コミュニティアプリ「VSCO」の創業者兼CEOであるJoel Floryさんのインタビュー。サービスづくりに対する信念や、急成長中のサブスクリプションサービス「VSCO X」の状況など、Joelさんの言葉はどれも熱を持っていて素敵だったのでまとめてみた。
【速い】サブスク開始2年で会員200万人突破
【若い】課金ユーザの55%が25歳以下
【世界】課金ユーザの米国:米国外比率=40:60
【熱い】ブレないポリシーと世界観

僕はこれまでVSCO(読み:ヴィスコ)の無料機能を使って写真加工をするだけのライトユーザーで、正直なところ、VSCOの成り立ちやどういった人たちがどういう気持ちを持って運営しているのかについてはよく知らなかった。ただいつも強く感じていたのは、アプリの高い完成度と、その圧倒的にクリエイティブな世界観。ちょっと触っているだけで素敵な気分になる。

このインタビューは2018年11月にポルトガルで開催されたWeb Summitの会場で行われた約7分間の短いものだけど、印象的な数字もあり、共感するところも多かったので初めてnoteに共有してみることにした。

VSCOのユーザー層

・全ユーザの75%が25歳以下(Gen Z中心)
・課金ユーザの55%が25歳以下
・全ユーザの米国:米国外比率=20:80
・課金ユーザの米国:米国外比率=40:60

ちなみにGen Z(読み:ジェンズィー)とは、米語の「Generation Z(Z世代)」のことで、1990年代半ばから2000年代半ば生まれの世代を指す。「Generation Y(ミレニアル世代)」の次の世代の総称。

有料定額課金(サブスクリプション)「VSCO X」の状況

・2017年1Qにサブスクを開始(会費$20/年)
・1年後の2018年1Qに100万人を突破
・2年後の2018年4Qに200万人を突破
・課金ユーザの55%が25歳以下
・課金ユーザの米国:米国外比率=40:60
・SpotifyやSlackよりも速い、恐らく業界最速のサブスク成長率
・サブスクが提供している価値:"How to fall in love with your creativity"
・サブスクの内容:写真に関するチュートリアルや特別フィルターを毎月提供している

驚異的なスピードで成長中のVSCO Xの数字を知ると順風満帆な印象を受けるが、同社はこれまでに様々な課金方法にトライしているとのこと。2011年に創業した同社の課金の歴史は、デスクトップ向けの有料プラグインからスタート。その後、有料アプリ▶無料アプリ+アプリ内追加課金▶そして2017年からのサブスクという流れ。

会社について

・本社は米国カリフォルニア州のオークランド
・2011年創業
・2014年以来、累計$70M調達(80億円くらい)
・損益分岐点を超えた(=利益が出始めている)
・2017年にはNYオフィスを閉めてリストラしたりと苦労してきた
・現在は130人体制
・2018年初頭に元Nike社のブランドディレクターを初めてのCMO(Chief Marketing Officerとして採用
・Facebook社のgrowthチームの元マネージャーをVP of Productとして採用

信念やスタンス等について語るJoelさんの熱い言葉

・VSCOはconsumer driven
・VSCO has always been about creators
・Do it right, that alignment of your mission to your business model=自分たちのミッションに沿ったビジネスモデルを展開すべき、それを正しくやるべき
・VSCOはDay1からグローバル
・Day1からユーザがお金を払う価値のあるものを提供している
・Day1からユーザと直接やり取りする形(直接課金する)でやってきている
・AppleやGoogleのおかげでサブスクを提供しやすい環境が整ってきた
・サブスクというモデルはかなり形になってきているが、まだまだ未開拓の分野である、特に米国外では普及してないエリアも多い
・世界に32億台のスマートフォンが出荷されていて、数百ドルの端末を買う際にカメラが良いかが一番の判断軸になっている。その体験を年間$20でさらに良いものにできるというのが自分達のサービスなのでまだまだ伸びしろがあると思っている。
・Listening to the consumer firstというのを常に大事にやってきている
・新しいCMOが入ってきてから、米国外の主要マーケットのユーザにも直接ヒアリングしに行っている
・これまでiOS中心だったが今後Androidにもかなり力を入れていく

Joelさんの言葉からも、彼らが信念を突き通しながらこれまで試行錯誤し続けてきたことが、サブスクという形で花開き始めていることが伝わってきた。スタートアップに携わる一人の人間としても素敵なロールモデルだなと勇気づけられる。VSCOをサービス黎明期から熱心に利用している友人に話を聞いてみると、「VSCOは昔から全くブレてない」とのこと。ユーザーにめちゃくちゃ伝わってる。その信頼の上にコミュニティとビジネスが成り立っているのが素晴らしいな。

サブスクが米国をはじめ様々な国で盛り上がってきているのも凄く良い流れ。インタビュアーがJoelさんに質問する中でこんな表現をしていたのが印象的だった。

・ユーザの行動が変わってきていて価値のあるものに直接お金を払うようになってきている
・特に若い世代でその傾向がある
Patreonなども好例
・VSCOのサブスクがうまくいっているのは、若い世代がSpotifyやNetflixなど当たり前にサブスクサービスを利用しているということもあるのではないか?

日本は約20年近く前のiモード時代に一度体験済みのところもあるが、これから全世界的にiOS・Androidアプリ向けのサブスクサービスが益々盛り上がってきそう。ユーザーとしてもサービス提供者としてもとても楽しみだ。

【速い】サブスク開始2年で会員200万人突破
【若い】課金ユーザの55%が25歳以下
【世界】課金ユーザの米国:米国外比率=40:60
【熱い】ブレないポリシーと世界観

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趣味や仕事で一次ソースである英語インタビューや英語プレゼンの動画を観ることが多いので、今後も時間をつくって定期的に自分がインスパイアされたものを共有していきたいと思う。

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