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ひどらの不思議体験記◉(バリ編④セレモニー)

お久しぶりです☺︎
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次の日、わたしは普通に寝坊をした。
バリでアラームなんてなんの意味も無かった。

「あ。。」

「やーばーいー!」

とにかく急ぐ。
でも走ると犬に噛まれるから
気持ちだけ急ぐ。

もうお店には誰もいなくて
残っていた人にどこにいるか教えてもらって
なんとかみんなを見つけて合流。

「あ!ひどらおそーいよ!
もう衣装着れないよ!」

「ごめんー!大丈夫!
長袖と更紗持ってきた。。!」

急ぎながらも必要そうなものを
念のため持ってきていた。

「この更々だめね。こっちのやつ使って。」

「あ。わかった。」

わたしが持っていた更紗は
うんと派手だったので
セレモニーでは使えなかった。

わたしは昔から地味なものが苦手だった。
スーツなんて着た日には1日中気落ちしてしまう。

汗だくだけれど急いで長袖を羽織り
更紗を腰に巻いた。

「すごい人だね。」

レギャン通りに島中の人が集まっていた。
あの黒焦げの車ももうどこかにいっていた。

「芸能人とかもいっぱいいるよ。
ほら。あれも女優よ。」

「そうなんだぁ。」

みんな同じように地べたに座り
祈る時を待っていた。
ここに集まった人全員が
この島を愛しているのだ。

「ぼくたちも行くよ。はぐれないでね。」

「うん。わかった。」

この人集りをなんとかかい潜り
わたしたちも列に加わった。
同じように地べたに座る。

マンクー(僧侶)たちが列に並んでいる
みんなに聖水をかけにきた。

「この水かけてもらわないとお祈りの時に
悪いおばけついちゃうからね。くくくっ。
ちゃんと当たってね。」

この友達はすぐに
嘘か本当かわからない冗談を言う。

人が多すぎてマンクーも
とても大変そうだった。
儀式というより作業になっていた。

聖水を請う人たちもいたけれど
そんなことをしなくても
バッシャバッシャとかかるかかる。

そして一人ずつにバナナの葉でできた
チャナンが渡された。
綺麗な色とりどりのお花と
大きなお線香が一本。
この青空にチャナンはとても映える。

それを見て、きゅうと心臓が鳴く。
まさかここに参列できるとは
夢にも思ってなかった。

そして勢いだけで来てしまったけれど
祈り方なぞ知るわけがなかった。

「ね、ねぇ。やり方
全然わからないんだけど。。」

「ぼくもわからないよ。」

そう。この友達はバリニーズではない。

「だいじょぶ!前の人のマネするね。」

「えぇ。だいじょうぶかな。怒られない?」

「だいじょぶ。だいじょぶ。」

思い返せば、そもそもオレンジの派手な
パーカーを着て参列していることが既に
アウトだったんだと思う。

けれどなにも言われなかった。
見渡す限り日本人なんていなくて
とても目立っていたはずだけど
誰も列から出ろとは言ってこなかった。

そうこう話しているうちに
前の方でゴォォォォンと鐘が鳴った。

もう誰も喋らない。
いつも騒がしいバリの街が
静寂に包まれた。

マイクでマンクーがなにか(マントラ?)
を唱える。
鐘の音が鳴る。

祈りを捧げる。
とても静かな祈り。
呼吸も止まってしまったかのような
鳥さえも鳴かない集中した祈り。
その中でお線香の煙だけが動いていた。

またマンクーが何か言う。
鐘の音が鳴る。

次は白い花を指先に挟んで祈る。
祈り終わったら
その花を耳や髪にかける。
次はまた別の花。。

マンクーに言われた通りの順番で
それぞれの神さまに
祈りを捧げていく。

不思議なことに祈るときにだけ
いつも風が吹いた。
必ず向かい風だった。

わたしたちの祈りを
一つ一つ確かめるように
ゆっくりと風が通り抜けていく。

最初は友達の悪い冗談を思い出して
成仏していない人たちが
出てきたのかと想ったけれど
きっとあれは神さまだ。

強くも弱くもなく存在感のある心地よい風が
祈る度に人も空間も全てをやさしく撫でていく。

誰一人漏れることはない。
全てに愛があり繋がっている。
今ならそう感じられたかもしれない。

セレモニー自体は時間にしたら
それほど長くは無かったけれど
あの祈りには永遠があった。

ギラギラの炎天下の中で
「祈る」というエネルギーを
初めて体感した日だった。

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