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【コラム】東京で関西弁の人と出会った時のムズムズ感

奈良県生まれ、奈良県育ちで、成人後、大阪に住んでいた時期も含めると27年ほど関西で過ごしていた僕ですが、よく「関西出身っぽくないですね」と言われます。
普段もお仕事でも基本的には標準語で、訛りがほとんどないからだと思います。

ですが脳内では全て訛っています。家でのひとりごとも全て関西弁。
何かをこぼしたら「なんでやねん」とボソッとこぼし、嫌な事があったら脳内で「嫌やな〜」と浮かび、拒否する時は「あかん」と頭で考えつつ、口からは「ダメです」と発しています。

ではどんな時に関西弁になるかというと…
→地元に帰ったら?もちろん関西弁です。
→東京で関西在住時の知り合いと会ったら?関西弁です。
→関西で東京の知り合いと出会ったら?標準語です。

と会う人、会う場所に合わせて変わります。
僕は誰かと会話する時、頭の中で浮かんだ言葉は関西弁。
その浮かんだ言葉を東京で出会った方には標準語。
関西時代からの知り合いには関西弁。
といった具合で、口から出る時にスイッチを切り替えて喋っている感じ。
ウォーターサーバーの水とお湯をスイッチひとつで切り替えて出す、みたいなイメージです。
それが東京に住んで10年身についてきました。

が、唯一自分の言葉はイマイチ掴めなくなるのが、「東京で初めて出会う関西弁で話される方」。
こういう方と話すと訳がわからなくなります。
東京で出会う方の9割が標準語。
多少イントネーションに九州訛り、東北訛りを感じる方も、言葉遣いは標準語になっている方がほとんどな中、関西の方は訛りはもちろん、言葉遣いも関西の人は結構います。
「〜〜やないすか?」「あかんかも」「どうやろ?」「ちゃうちゃう」「してはるから」などなど。
最近はSNSの普及からか「あかん」とかライトな?関西弁を使われる方もいますが、ネイティブ関西弁はすぐにわかってしまいます。

なので、"東京初対面関西弁使い"さんと話すと、すぐに関西時代からの知り合いと喋ってるモードになってしまい、標準語スイッチがゆるゆるになり、なんだか変なイントネーションになってしまいます。
標準語を喋ろうとしながら、関西訛りが引っ張られてる感がなんだかムズムズして気持ち悪いのです。
お湯を出したいのに、水が出る感じ。白湯が出ています。

しかも一対一で話すとかではなく、例えば会議とか打ち合わせとか、数名での場で出会うと"東京初対面標準語使い"さんとは標準語で喋っているのに、"東京初対面関西弁使い"さんと交互で喋っていると、もう何が何やらわからなくなっていくのです。

そんな事気にせず、何の意識もせず、脳内で浮かんだ関西弁を喋れば良い、お湯を出せないウォーターサーバーになれば良いじゃないか、とも思うのですが、ずっと標準語で喋っている方に関西弁を使っているのを見られるのもちょっと恥ずかしいモノなのです。

地元の友人を職場の先輩に紹介する感じというか。
実家の自分の部屋の本棚を見られる感じというか。
中学時代のテストの答案を見られる感じというか。
感覚的にはそんな感じです。
黒歴史を見られるまではいかないし、別に見られて嫌ってわけじゃないものの、なんか痒い感じです。
熱いお湯が出ると思ってたポットから急にぬるいお湯が出てきたら、困るだろうなー、とか考えてムズムズしてしまうのです。
お湯が出るウォーターサーバーだと思ってたのに!と思われるのもちょっと怖いのです。

なのでこれからも"東京初対面関西弁使い"さんにビクビクしながら暮らしていく事でしょう。
とはいえ僕もふとした時に関西弁になりますし、昔からの知り合いと東京で話す、仕事をする事もあります。
そんな時、周りからしたら僕が"東京初対面関西弁使い"になっているという事なので、いついかなる時も誰かが心の中で気を遣っているという事は心の片隅に置いて暮らしていきます。今後の目標です。

※標準語=共通語です。読みやすさを重視し標準語という表現を使っています。

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