見出し画像

【ARI】そしてついに、空は割れた。

※この記事は以下の記事の続編です。

※推奨BGM


痛みの先へ


 3年という期間は本当に長い期間だ。3年あれば何が出来る?初々しい気分で入学した高校生は大学に進学し、サークルや彼女探しやバイトに奔走するようになるだろう(ならないかも)。3年前に生まれた馬なら新馬戦にデビューしてくるし、3年前の新馬戦でデビューしたエフフォーリアはもう引退してしまった。シベリアンタイガーは……なぜかまだ走っている。とにかく、3年というのはとても、とても長い期間だ。おそらく、彼にとっても。


 現地時間の5月1日(日本時間5月2日)、Arizona RepublicのD-backs番記者・Nick Piecoro氏がKristian robinsonが就労ビザの取得に伴い制限リストを外れ、マイナーリーグに復帰することを報じた。彼がロースターに復帰するのは2021年5月4日以来2年ぶりとなる。試合出場(まだ果たしていないが)に至っては2020年3月7日のスプリングトレーニング以来だから、実に3年ぶりとなる。


 記事によれば、D-backsのファームディレクター・Josh Barfield(ジョシュ・バーフィールド)は朝6時にロビンソンから不在着信が入っていたと語る。ロビンソンはこのあとバーフィールドに「折り返し電話してほしい」というメッセージを送り、かけ直したバーフィールドはロビンソンの喜びの声を聞いたという。

 “I told him how proud I am of him — we all are. This has been a long journey. I think he’s grown and learned a lot from it.

(和訳)「私たちはみんな、彼(ロビンソン)を誇りに思う。長い旅だった。おそらく彼は成長し、多くのことを学んだだろう」

Nick Piecoro "Diamondbacks prospect Kristian Robinson secures visa, nears return to minors"
https://www.azcentral.com/story/sports/mlb/diamondbacks/2023/05/01/diamondbacks-prospect-kristian-robinson-secures-visa-nears-return-to-minors-dbacks/70173038007/

 ロビンソンは現在故障しているものの、大きな影響はなさそうだ。彼は今後、おそらくA級Visaliaに配属されることになる、と報じられている。

 ついに彼の行手を阻んできた暗雲が晴れたロビンソン。見えない呪縛から解き放たれた彼がどのような結果を残すのか、楽しみでならない。








現実的な話


 と、少しセンチメンタルな話を書いてみましたが、いざ復帰したとなると、君と星座になれたらなどとほざいている余裕はなくなります。現在ロビンソンが置かれている状況を、報道および現在のロースター状況から整理していきましょう。



  1. ロビンソンは現在40人枠に入っているが、カウントされていない状態(制限リスト)

  2. ↑の状況から、チームは30日以内にロビンソンを40人枠に戻す必要がある

  3. 今オフにはルール5ドラフトの関係上、Blake Walston、Bryce Jarvis、Slade Cecconi(ここまで先発P)、Deyvison De Los Santos(内野手)の4人を40人枠に入れる必要があるだろう

  4. 現在AAAにはJake McCarthy、Jorge Barrosa、Dominic Canzone(枠外)、Buddy Kennedy(枠外)といった比較的若いMLB Readyの外野手がいる

  5. 今シーズン、D-backsはコンテンドを目指す方針をとるとみられるため、TDLの状況次第ではデプスが厚く、主力が若い外野のプロスペクトをトレードチップに補強に動く可能性がまずまず高い

この5点を踏まえると、ロビンソンの去就に合わせてロースターが動く(可能性がある)タイミングは3つです。

  1. ここから約30日間

  2. トレード期限(7月末)

  3. オフシーズン


 上記を踏まえ、今後のロビンソンに起こる可能性があるシナリオを検討していきましょう。


①そもそも40人枠に入らずDFAされる

 これはほぼあり得ないと考えていいでしょう。もし起こったら僕が暴れます。人のnoteを何やと思ってんねん。

②40人枠に入るが、成績が奮わずシーズンオフにDFA

 これは十分ありうるシナリオです。現状、D-backsの外野はかなり混雑しています。今後配属されるA級VisaliaにはトッププロスペクトのDruw Jonesがいますし、AAAやAAは外野のプロスペクトが渋滞している状況です。

 ファームディレクターのバーフィールドはロビンソンのブランクを考慮し、夏ぐらいまではじっくり打席を与える方針であると語っていました。裏を返せばそれ以降も適応できなければ、ロビンソンの立場は保証されない可能性があると見るべきでしょう。

 ただ、その場合でもDFAにするというよりは複数人トレードに含む形を取ると思われますので、この結末はやや考えにくいところですが。

③40人枠に入り、(好成績を残して)TDLでトレード

 ありうる展開ですが、個人的にはかなり低い確率と見ます。というのも、これから2ヶ月でどれほど好成績を残したとしてもロビンソンの市場価値は高まらないと思われるからです。

 もちろん、相当に高い対価が得られるのであれば話は別ですが、2年間まともに試合出場がなかったマイナー低層のプロスペクトを高評価するチームがあるとは少し考えにくい。選択肢としてはあっても、確率は低いのではないか、と見ます。

④40人枠に入り、シーズンオフにトレード

 個人的にはこれが最も可能性が高いシナリオの一つではないかと考えます。

 繰り返しになりますが、現在のD-backsは外野が渋滞している状況です。今オフにはLourdes GurrielがFAになりますが、それでもAAやAAAにはかなりのプロスペクトが待ち構えています。

 そもそも、現在の外野はCorbin CarrollとAlek Thomasの若い外野手2人がポジションを掴んでいる状況。Carrollは長期契約を結んでいますので、残された外野の枠はThomasを抜きに考えても2枠です。ロビンソンが来季以降もチームに残るためには、この2枠を争っている他選手を押し除ける必要があります。A級からのスタートが予想されることを考慮すると、あまり簡単ではないように思われるのです。

 ただ、ロビンソンにアドバンテージがあるとすれば彼は右打ちであるということです。現状、D-backsの40人枠には右打ちの外野手が3人しかいません。うちLourdesは今オフFAですし、Kyle Lewisは故障者リスト入りした末行方不明。Jorge BarrosaはまだMLBデビューを果たせていません。右打ちであるということを重視され、ロースターに残る可能性はかなりあります。

⑤ロースターに残り、来季以降にD-backsでMLB昇格へ

 このシナリオであってほしいものです。


 といった感じでしょうか。少なくとも、彼の復帰が今すぐチームに大きな影響を及ぼすとは考えにくいです。ただ、今オフから来シーズンにかけてとなれば話は別。かなり大きなインパクトを与えるピースとなる可能性は十二分にあります。

 というか、そうなってほしいものです。



 というわけで、ロビンソンも復帰しましたし、明日はBrandon Pfaadtも投げますので、私も今週末のNHKマイルは一発当てていきたいと思います。現状の印は(除外可能性のある馬を除くと)
◎ダノンタッチダウン
◯モリアーナ
◯カルロヴェローチェ
▲ウンブライル
です。参考にはしないでください。よろしくお願いいたします。

 

データ・ロースター等参考

トップ画像

以下ページの画像をもとに筆者編集


この記事が参加している募集

野球が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?