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北海道東神楽町の公営花屋問題について 〜その1〜

現在、我が町である東神楽町をはじめ近郊の花苗の小売卸売事業者・その生産者においては、あらゆる生産資材や販売資材・燃料の高騰により、その経営は危機的状況になってまいりました。
さらに、多くの一般消費者においては、収入は増えることなく、お決まりの生活必需品の価格高騰、コロナ禍明けの「お出掛け需要」に消費が流れ、当然ながら「花」の消費にはまわらないといった、花界隈の事業者にとっては二重苦、三重苦状態。

そのような状況下、東神楽町では役場庁舎、図書館、町立診療所、大ホール、郵便局などを始め、収益事業を行うカフェ、花の駅(公営花屋)などを集約した複合施設の整備が進んでいます。

景気の冷え込みしか感じられないこのご時世、とても景気の良い明るい話題かと思いきや…

この事業に関しては、ご多聞に漏れず予算の大幅オーバーなど問題は多々あるのでしょうが、私が一番に訴えたいのは、この複合施設整備事業において、多額の公費を投入した公営花屋が計画されていることです。
新規の需要拡大策を持たない、実質的に単なる販売を目的とした公共事業が、同様の事業を行う民間事業者から「顧客を掻っ攫う」だけの民業圧迫となることが懸念されるのです。
更に、この事業においては、その商品の生産までもが公費により行われるため、小売卸売事業者のみならず、その生産者にとっても「百害あって一利なし」となります。

他の事業者と競合するにあたり、公正な競争秩序という観点において、大規模「フラワーガーデンと花の駅(公営花屋)を連携し」花苗等の販売を行うと公言している以上、少なくともその管理費用も含めた(公費による運営ではない)民営化は必要であり、たとえそこに損失が発生したとしても公費によって補填されることがあってはならないと考えます。
しかし、事業内容始め、事業計画や収支計画さえも検討される以前に箱物建設が先行されたこの事業は、実質的に採算のとれない事業となるでしょう。

町内の同様の事業を行い競合する民間事業者からの指摘を無視し、強引に押し進められたこの箱物事業は、もうすぐ完成を待つ段階にきてしまいます。
この多額の公費を投入した施設が近隣事業者にとって、経済的感情的に単なる迷惑施設とならない運営を考えなければならないのではないでしょうか。

そもそもの発端となった、町唯一の花苗等の町営直売所「花の駅」の創設は平成29年。
当初においては、その店舗も手作りの「行政のやってる感」が先行した「可愛い町おこし」でありました。
しかし、複合施設整備事業に伴い、大規模な施設整備の計画に発展、この段階で「可愛い町おこし」の範疇を大きく逸脱してしまったのです。
私は一役場職員として、結果的に、他の事業者との「正当な市場競争」という問題を先送りにし、深く積極的に関わってしまった経緯があります。

職員としてこの一大プロジェクトへの反対は通るはずもなく、では、一体どうすべきなのか?

結論として、実際に競合することとなる民間事業者の出現により再考せざるを得ない状況となるであろうとの考えにより、自主退職、民間事業の立ち上げに至った訳であります。

しかし、行政がこれほどまでに直営による「小銭稼ぎ」に執着するとは想定外…

既に、2年が経過してしまいました。
この間にも、エゲツない民業圧迫が…

物語は〜その2〜へ続きます…


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