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タイ在住、外資系広告代理店勤務です。タイ暮らしやアジア出張での異文化交流や、よしなしご…

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タイ在住、外資系広告代理店勤務です。タイ暮らしやアジア出張での異文化交流や、よしなしごとをランダムに綴ろうと思います。

マガジン

  • リチャードといつか朝食を

    週に一度、子供をスクールバスに見送る際に出くわす「見ず知らずのイギリス人のおじいちゃん」との早朝ソファ談義をまとめたエッセイ集です。

最近の記事

【テキスト漫才】三密あそび

ずっと家にいると気が滅入ってよろしくないので、景気づけに漫才ネタを書いてみました。つっこんだってください。 「三密あそび」 二人:どうも、機長です。副機長です。ふたりあわせて「軟着陸」です! どうぞよろしくお願いしまーす! 副機長:いやぁ機長、なんか大変な世の中になってしもうたねぇ。 機長:ほんまに難儀やなぁ。外に出られへんのが一番つらいねぇ。そこでな、オレひとつ遊びを思いついたんやけど、やってみーへん? 副機長:え、なんの遊び? 機長:「三密(さんみつ)あそび

    • 【テキスト漫才】CAさん

      どうも、機長です!副機長です!2人合わせて「軟着陸」でーす! どうぞよろしくお願いしまーす! 機長、あのぉたまには僕コクピット出て、CAさんやってみたいんやけど。 シーエー?あー、キャビンアテンダントさんね!ええやん、じゃあオレ、お客さんやるわー。 あー、おなかすいたなー。 ガラガラガラ。 おー、来た来た、機内食の時間や! だいたい2つあんねんな、で、どっちか選ばせてくれるんやんな。 どうしょっかなぁー? 失礼しまーす。 シーチキン or コーンビーフ? は? シーチキ

      • 高校の同級生 チュン(シドニー)

        (2017年10月、ベトナム、ホーチミン、CM撮影) ベトナムに来ると思い出す。チュンという少年のことを思い出す。 少年とは言っても、当時彼は僕と同じ16歳だった。オーストラリアの高校に通うための英語の準備校 “Intensive Language Center” で、彼と出会った。背は小さく、体も華奢で、少し引っ込み思案だったけど、笑うと笑顔がくしゃくしゃになる素朴な男の子だった。 お互い渡豪して間もなかったからほとんど英語は話せなかったけど、ある日の週末、二人で街に

        • ドライバーのラジェシュ(ムンバイ)

          (2018年8月、インド、ムンバイ、CM撮影) 出張の5日の間、送迎を担当してくれることになったドライバーのラジェシュは、襟が大きめの白いシャツが似合う、30才前後の中肉中背の好青年。インド人らしからぬと言っては失礼だが、遅れることなく指定の時間にぴったり現れ、CMの撮影スタジオへの送迎もちゃんと道を知っているからとってもスムーズ。“Yes Sir, Certainly Sir!と挨拶も快活で、普段ならやきもきしがちなインドでの移動を大変快適なものにしてくれていた。 とこ

        【テキスト漫才】三密あそび

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        • リチャードといつか朝食を
          22本

        記事

          Ep22(最終回)お元気で!リチャード

          なんで日本人はすぐに土地を売買するのか?老人ホームに入るために家を売り、土地を売り、そういう話をよく聞く。現代の生活とはそういうものなのだろうなと、少し寂しげにつぶやくリチャードなのである。3月は企業の決算期。駐在を終え、日本に帰任となる一つのタイミング。生活の区切り・・・そこから連想したのだろうか。 土地事情。ヨーロッパではちょっと違うんだ。1067年、ご先祖様がノルマンディーからイギリスに入植して以来、今日に至るまでの実に10世紀もの間、我がファミリーの土地は脈々と受け

          Ep22(最終回)お元気で!リチャード

          Ep21 リチャードと遥かなる旅

          40年前、NYに妻と旅行した。ワシントンDCに友人夫婦がいて、Civil War(南北戦争)の名所を一緒に巡った。とても良い思い出だ。その時に乗ったのが、今はなき、ブリティッシュ・カレドニアン航空だ。スチュワーデスがとても親切だった。リチャードが遠い目をして振り返る。 キャセイパシフィックに勤めている日本人の知り合いがいたんだが、ちなみに彼女の旦那さんがYAMAHAの人で・・・Hamamatsuではウナギを食べるんだろ?良く知ってるだろ!・・・バンコクからインドに赴任になっ

          Ep21 リチャードと遥かなる旅

          Ep20 リチャードと逮捕

          「ブリッジ」に興じていたヨーロッパのご老人たち。それが突如として逮捕され、しょっぴかれてしまった。ご老人たちが、である!バンコクから車で3時間ほどのパタヤで最近起きた「ありえない事件」として、リチャードをはじめ、バンコクの西洋系のお年寄りの間で、論争を禁じえないビッグニュースになっているらしい。 パタヤだろ?あのパタヤだ。他に「あげる」べき問題なんていくらでもあるだろうが。いまだ廃れることのないいかがわしいビジネスや、ウォッカのアルコール度数ぐらいゴロツキ度の高いロシア人は

          Ep20 リチャードと逮捕

          Ep19 リチャードと甘い汁

          その昔、ロシアがかつてUSSR(あるいはCCCP)と呼ばれていた時代。アイツらときたら低級もいいところのワイン、それこそ皮や絞りカスが混ざった、そんな粗悪品をルーマニアからタダ当然で仕入れては、ベトナムに米と交換させていたんだ。まぁ、ベトナムの農夫たちはワインなんて飲んだことなかっただろうから、そんなものでも美味いもんだと、ありがたく頂戴していたんだろうけどな。搾取とはそういうことだ、ワインだけに・・・ リチャードは続けた。養女をもらった話を以前したろう?実は大変だったんだ

          Ep19 リチャードと甘い汁

          Ep18 リチャードのBoxing Day

          ドイツ人の友人宅でビールを飲んで過ごすんだ。クリスマスの身の振り方はいつもそうだ、とリチャードは笑う。 ケンの家にはサンタは来るのか?だったら、水と草を用意するべきだ。娘さん、まだ小さいだろう?「善いことしか」まだ信じない、そんな年齢だからな。彼の言わんとすることが分からず、どういうこと?と聞いてみる。「トナカイさ」。ベランダに水と草を置いておくだろう。すると次の日それが消えている、そういうことさ。娘の驚いた顔が目に浮かぶだろう?イギリスでは昔からやられているのだそうだ。な

          Ep18 リチャードのBoxing Day

          Ep17 リチャードとハロウィーン

          ハロウィーン?!・・・アメリカの祭りなんて!カボチャとか、お化けとか、素朴なことはいいことだ。だがな、因縁や執念に満ちたイギリスの祭りにはかなわないぞ。そうやって祖国の弟分の文化を一笑に付すリチャードなのである。 1605年、ガイ・フォークスという男があることをした。イギリスでは、今も彼にちなんで、秋深くなると、その祭りを催すのだそうだ。「何をした人のお祭りなの?」えっ、ほんとっ?!「テロリスト」らしい! カソリックの宗派の存続を巡る、そんな時の権力争いに端を発し、このガ

          Ep17 リチャードとハロウィーン

          Ep16 リチャードと紅茶

          カテキンに抗酸化作用があり、さらに細胞のマクロファージが活性化されるから免疫系に効いて健康に良いのだとか、煎茶、抹茶、ほうじ茶、玉露茶、はたまた十六茶といった豊富な種類があったりだとか、茶室で正座をし、手びねりの茶碗、それを回して頂いたのち、飲み口を指で拭き取って結構なお手前でしたと謝辞を述べるといったお作法だとか。日本人と日本茶には、並々ならぬ深い関係がある。では、イギリス人にとっての紅茶はどうなんだろう?教えて、リチャード。 大量生産の時代だからな。リプトンとかは最たる

          Ep16 リチャードと紅茶

          Ep15 リチャードと難民話

          寿司にキムチをのっけて食べられるのを、キミは良しとできるか?冗談めかしてリチャードが問いかける。北朝鮮からの戦争難民がドッと日本に押し寄せてくるとする。そんな時、日本はどうするんだろうな?即答できない。きっと、法律が整ってないからとか、場所がないからとか様々な理由をつけて、受け入れることはないんだろうなと思う。 昨今のヨーロッパでのシリア難民受け入れ問題。ニュースを見ていて胸が痛くなる。治安、受け入れのコスト、場所、様々なリスクがあろうことは当然想像はできる。だけど、家を無

          Ep15 リチャードと難民話

          Ep14 リチャード 神風が吹く

          次会った時にDVDを貸してあげるよ。そう言われていたので、朝玄関ホールで会った時、リチャードの手元に置いてあったビニール袋が何なのかを瞬時に察した。中身を取り出そうとする彼に、thank you、と先にお礼を告げる。けど、なんのDVDなのかは皆目見当がつかない。 ごそごそと取り出された3枚のDVD。白ディスクにマジックでタイトルが書いてある。想像と違った。既製品を貸してくれるものとばかり思っていたが、「リチャードが自分で焼いて来た、彼えりすぐりのお気に入り映画DVD」のこと

          Ep14 リチャード 神風が吹く

          Ep13 リチャードとキャラ設定

          シャーロックホームズは、コカイン中毒だ。しかも、情けもへったくれもない。ワトソンがホームズを懸命にサポートしてくれていることも意に介さない、実に自分勝手な男なんだ。大好きだという「ハリーポッター」の著者が、普通の主婦からいかにしてスターダムにのし上がったのかなど、そんな話をしているうちに、リチャードは、物語を奥深くしてくれるものは何だと思う?それは、キャラ設定だよ!と冒頭のたとえを例にだし、持論を展開し始めたのだ。 ハリーポッターの場合、ハリー、ロン、ハーマイオニー、そうし

          Ep13 リチャードとキャラ設定

          Ep12 リチャードと農耕祭

          ユットチョイチョイ。イギリス人のリチャードにタイ語を教わるのも妙な気分だが、今日は「農耕祭」という祝日。それをユットチョイチョイと言うんだよと御大。 直訳すると、stop so so ということだそうで、和訳すれば、ぼちぼち止まる、という感じの意味になるが、いわく今日の祝日とは「止まりたい人だけが止まる日」なのだそうだ。うーん、よく分からないけど?と僕が聞くと、そうだな、optional holidayだとどうだ?とリチャード、別の説明を試みる。 「農耕祭」。元々は農民が

          Ep12 リチャードと農耕祭

          Ep11 リチャードと時刻表

          リチャードに指摘されるまで気がつかなかったことの方が、むしろ驚きである。タイの電車(BTSと呼ばれる高架モノレール)には「時刻表がない」ということに。そんなことだから、タイには国としての真の成長がいつまでたっても訪れないんだ!と御大、いつになく手厳しい。 僕も通勤に使っているその「時刻表のないBTS」だが、遅くても10分に1本のペースで、実はそこそこコンスタントに発着してくれる。なので、時刻表はないのだが、視界の先に小さく見える程度の距離にある隣の駅を見やると、次の電車が小

          Ep11 リチャードと時刻表